【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ディスクロージャー』(1994)

ハイテク企業の部長であるトム・サンダースは、副社長への昇進が有力視されていた。ところが実際にそのポストに就いたのは、かつての恋人メレディス・ジョンソン。その失意のトムに、上司となったメレディスが誘いをかけてくる。思わず反応してしまうトムだったが、かろうじて理性を取り戻し彼女を拒絶するのだった。だがプライドを傷つけられた彼女は、トムにレイプされそうになったと社長に訴える。地位も名誉も家族も失いかけたトムは、逆に彼女をセクシャル・ハラスメントで告訴することにするのだが、その裏では会社の合併を巡って様々な野望が渦巻いていたのだった・・・。

e0033570_5385436.jpgマイクル・クライトンのベストセラー小説をバリー・レヴィンソン監督が映画化したもので、主演はマイケル・ダグラスとデミ・ムーア。「もどって私を抱きなさい」のコピーも扇情的に、デミ・ムーアの逆セクハラ・シーンが話題になっていたが、原作では会社の合併問題や、その中で鍵となる先端技術のバーチャル・リアリティについても多くのページが割かれていた。
というよりも、テクノロジー派のクライトンとしては、本当に描きたかったのはそちらの方だったろうと思うのだが、映画版はセクシャル・ハラスメント問題にのみ焦点を合せているので、題名の意味合いは不明確になってしまっている。さりとてリーガル・サスペンス物としての踏み込みも足りないので、全体的に中途半端な印象を与えてしまうのは残念。
もっとも上映時間を考えれば致し方ないだろうし、セクシャル・ハラスメントだけでも充分にセンセーショナルな内容であることは間違いない。原作者としても作品の出来には不満は持っていなかったのか、後に『スフィア』の映画化もレヴィンソン監督の手に委ねている。

むしろパワー・エリートのイメージのあるマイケル・ダグラスがセクハラを受ける側で、この頃はまだ可憐なイメージの強かったデミ・ムーアが攻撃的な女性というキャスティングには意外性があるが、反面ミス・キャストとも受け取れそう。実際自分も見るまではそう思っていたし、当初は別のキャストで企画が進行していたことを知っていただけに尚更だったのだが、作品中ではさほど違和感がないということは、これはキャスティングの成功例と言えるのかもしれない。今回見直してみて、改めてそう感じた次第である。
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by odin2099 | 2006-10-09 05:39 |  映画感想<タ行> | Trackback(2) | Comments(2)
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Commented by けろにあ at 2006-10-13 10:27 x
エクスカリバーさん、こんにちは。
いつもTBありがとうございます。こちらからも送らせていただきました。
この作品も、原作・映画ともに細かいところは忘れちゃってるんですが、クライトンが原作で、まだ「セクハラ」の定義がまだあいまいだった頃に、「セクハラ」というものは必ずしも男性から女性に対して行われるものを指すのではなく、そういった行為を行う側の背景に権力や権限がある場合に成り立つものであり、男女の性別は関係ない・・・というような定義を打ち出したことにとても意義を感じたものでした。
マイケル・ダグラスは、お父上と比べるとやはり線が細く(最近はそうでもないですが)、私はこういう役がとっても似合っていると思いました(笑)
Commented by odin2099 at 2006-10-13 22:38
>けろにあさん

実は自分も原作の細かいところは忘れちゃってます(苦笑)。
映画見直す前に読んでおこうかなと思ったのですが、間に合わなかった・・・。
で、この作品、逆セクハラが話題になりましたけれど、本質的にはパワハラなんですよね。
結局メレディスの狙いはトムとよりを戻すことじゃなく、トムを追い落とすことにあったのですから。

マイケル・ダグラスは、一時はプロデューサーとしての方が評価されてましたけれど、最近は役者としても評価が上がってきているようです。
確かにカーク・ダグラスに比べれば、線は細いかも。

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