【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『007は二度死ぬ』(1966)

e0033570_22482034.jpg米ソの宇宙ロケットを拿捕し、双方の疑心暗鬼を煽って開戦を目論むスペクター。その秘密基地が日本にあると睨んだ英国諜報部は、ジェームズ・ボンドの死を偽装して日本へと派遣した。

ということでシリーズの5作目は遂に日本が舞台になり、相撲協会協力の国技館ロケ、営団地下鉄協力の丸の内線ロケ、そして国宝姫路城ロケ、と国を挙げての全面協力。先日亡くなった丹波哲郎が秘密警察のボス・タイガー田中に扮してボンドを助け、若林映子と浜美枝の二人がボンド・ガールとして華を添えている。

e0033570_22484219.jpgしかしながら、所詮日本もジャマイカなどと同列の物珍しい国という認識でしかなく、随所に勘違い描写が目立つ。諸手を挙げて歓迎したものの、出来上がった作品は国辱モノである。
銀座の大通りを堂々と歩き、国技館で横綱からメッセージを受け取り、姫路城で忍者の特訓を受け、日本人に変装して海女と偽装結婚するなんて、とても隠密行動とは思えない。かえって目立ちすぎると思うのだが。

ただ、従来の作品とは目先が変わっているので、舞台が日本ではなく架空の国だと思えばそれなりに楽しめる一本。というよりも、今となってはここで描かれている日本の風景は最早ファンタジーに近いだろう。
ショーン・コネリーもボンドもすっかり板についてきた、というよりも些か貫禄つき過ぎの感じだが、ボンド役に嫌気がさしたコネリーはとうとうシリーズからの降板を表明してしまう。
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by odin2099 | 2006-10-14 22:49 |  映画感想<タ行> | Trackback(5) | Comments(4)
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Tracked from 映画ダイエット at 2006-10-15 01:36
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1967年 原題:『007/You Only Live Twice』 監督:ルイス・ギルバート 出演:ショーン・コネリー、ドナルド・プレザンス、丹波哲郎、浜美枝、若林映子、他 日本を舞台にした異色作とのことで、ナンチャッテ日本庭園は出てくるわ忍者もどっさり出てくるわで、正直この監督でな..... more
Tracked from 芽理衣のぱにぱに日記 at 2006-10-23 06:02
タイトル : 007は二度死ぬ
丹波哲郎さんが大霊界に旅立たれたので、故人を偲んでこの映画を観てみました。 007のDVDBOXを全巻持っていたのですが、いっぱいあるので見てませんでした。(「ダイアナザーデイ」はないですけどね。) 映画が始まっていきなりジェームスボンドは死んじゃい....... more
Tracked from 映画鑑賞★日記・・・ at 2007-01-13 21:54
タイトル : 007は二度死ぬ
『YOU ONLY LIVE TWICE』公開:1967/06製作国:イギリス監督:ルイス・ギルバート原作:イアン・フレミング主題歌:ナンシー・シナトラ出演:ショーン・コネリー、若林映子、浜美枝、丹波哲郎、ドナルド・プレザンス日本にもこんな素敵な諜報機関があったなんて!でも・・・....... more
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Tracked from 銀幕大帝α at 2012-10-21 01:46
タイトル : 007は二度死ぬ
YOU ONLY LIVE TWICE/67年/英/117分/スパイ・サスペンス・アクション/劇場公開(1967/06/17) −監督− ルイス・ギルバート −主題歌− ナンシー・シナトラ −出演− *ショーン・コネリー・・・ジェームズ・ボンド *若林映子・・・アキ *浜美枝・・・キャッシー鈴...... more
Commented by ぱにぱに at 2006-10-23 06:00 x
TBありがとうございました。
国辱モノですか?
ライジングサンとかラストサムライなんかよりは上手く描いているとおもいますけど。
忍者は外国人には
夢があるんですかね?日本伝統のスパイですから
Commented by odin2099 at 2006-10-23 22:59
この作品を見て思ったのは、私たちは普通に見てしまっていますけれど、このシリーズの他の作品で舞台にされている諸外国の描写も、我が国同様にトンデモなものが多いのかも知れないなぁ、というものでした(苦笑)。
『ラスト・サムライ』は日本が(多分に幻想の中の日本でしたが)綺麗に撮られているなぁと感心しましたし、『ライジング・サン』は所詮日本が舞台じゃありませんので、あれはあれで楽しみましたね。
そこへ行くとこの作品は、首都のど真ん中やら、国宝の建造物内やら、神聖なる国技の舞台やらでロケをさせてあげたにもかかわらず・・・の内容ですから、やっぱり日本がバカにされすぎているような・・・?
Commented by takao99yam at 2009-01-23 10:47 x
始めまして、興味を持って読ませていただきました。この原作も読みましたが、ほぼ映画のような感じですね、書かれた時代が大戦前だったのでは?(イアン・フレミングはジャマイカに住んでいたでしょう?)当時のロケで国宝姫路城の壁を手裏剣で傷つけたことが問題になったように記憶しています。トヨタ2000GTも出ていたし、いろんな意味で貴重な作品だと思います。
Commented by odin2099 at 2009-01-24 10:17
>takao99yam様

いらっしゃいませ、コメント有難うございました。
原作が出版されたのは1964年で、その前にキャンペーンで来日した際に日本が気に入り、それで舞台に取り入れたという話があります。
その際にはお相撲を見たり、姫路城に行ったりしたんでしょうかね。  

またこの作品の脚本を担当したのがロアルド・ダール。
最近では『チャーリーとチョコレート工場』の原作者と言ったほうが通りがいいのかも知れませんが、色々と興味深い作品でもありますね。

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