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『007/ダイヤモンドは永遠に』(1971)

『007/ダイヤモンドは永遠に』(1971)_e0033570_21541041.jpgダイヤモンドの密輸関係者が次々と襲われ、ダイヤも奪われるという事件が起こっていた。ジェームズ・ボンドはダイヤのブローカーに扮して闇ルートの窓口となっている美女ティファニーと接触し、そのダイヤが人嫌いで隠遁生活を送っている謎の億万長者の元へ渡っていることを突き止めた。だがその裏には、死んだはずのスペクター首領ブロフェルドの影が・・・。

ジョージ・レイゼンビーは一作だけでシリーズを去り、スタッフは再びボンド役者探しに追われます。ロジャー・ムーアやティモシー・ダルトンといった後に007を演じた役者をはじめ、『バットマン』ことアダム・ウエストらも候補に挙がっていたようですが、一旦はジョン・ギャヴィンに決まりかけ、仮契約も取り交わされます。しかしながら製作会社は頑なにショーン・コネリーの復帰を求め、結局はギネス級の出演料を含めた破格の待遇で再びコネリーの招聘に成功するのです。

しかしながら一度はレイゼンビーで若返ったボンドが、今回は一気に老け込んでしまっています。頭髪に白いものが混じり、貫禄つき過ぎのコネリーにはもはや颯爽としたボンドのイメージはなく、作品そのものも精彩を欠く有様。
『007/ダイヤモンドは永遠に』(1971)_e0033570_21544363.jpg前作『女王陛下の007』を受けて、亡き妻の復讐に燃えてブロフェルドを追いかける序盤はレイゼンビー続投なら説得力があったでしょうし、一転して中盤以降に散りばめられたコミカルなシーンは、ロジャー・ムーアであれば巧くこなしたであろうと思います。
ドナルド・プレザンス、テリー・サバラスに次いでブロフェルドを演じたチャールズ・グレイには貫禄がないし、最初のうちこそ強かなイメージを見せて魅力的だったヒロイン役のジル・セント・ジョンも、後半ではボンドの足を引っ張るお笑い(&お色気)担当に成り下がってしまっているのが残念です。

それでも世間一般にはやはりジェームズ・ボンド=ショーン・コネリーであり、興行的には大成功を収めたようです。こうして続けて007シリーズを見ていても、やはりコネリー主演だと何となく安心感がありますね。特に『007/カジノ・ロワイヤル』を観た後だと(苦笑)。
Tracked from 萌映画 at 2006-11-12 00:15
タイトル : 007/ダイヤモンドは永遠に(1971)
007シリーズ第7作のショーン・コネリー復帰作である。 第1印象は「ボンド、太った…」 4作目までのような男気のある活躍ということもない。 なんたって、敵の刺客はお耽美でないホモコンビ。 アジトにいるのは体操美女コンビ。 ホモコンビは不気味ではあるが、いずれにせよあまり強そうではないのは確かだ。 そしてガイ・ハミルトン監督のフィリクス・ライターはまた冴えないオヤヂである…。 (私は1作目のライターが好きだ!ジャック・ロードという人らしい) とまあ、他の作品に比べると緊張感に欠けるかもしれない。 ...... more
Commented by まなぶ at 2006-11-05 00:56 x
引き続きお邪魔します♪

「ダイヤモンドは永遠に」
私、この作品が割と好きなのです(笑)
仰るとおり、かなり雑で水準作とは申せませんが、
職人ガイ・ハミルトン監督の愛すべき“手作り感”

「レモ・第一の挑戦」  「ОО7ゴールドフィンガー」

繰り返し観るほど大好きです!
Commented by odin2099 at 2006-11-05 10:25
今回は以前より面白く観られました。
基準点が甘くなったんでしょうか(笑)。

『レモ/第一の挑戦』、そういえば見てません。
『プリンス・マルコ』は見てますけど。
人気シリーズの映画化でボンド・シリーズに対抗しようとしたのでしょうが、未だに「第二の挑戦」はありませんね(苦笑)。
by odin2099 | 2006-11-04 21:55 |  映画感想<タ行> | Trackback(1) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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