【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『007/黄金銃を持つ男』(1974)

e0033570_21475073.jpg新作公開までにシリーズ全作を見直しておこうと思っていたのですが、油断していたらあっという間に公開まで一ヶ月を切ってしまいました(苦笑)。この先、ちょいとハイ・ペースで見直していかないと間に合わない~(汗)。

シリーズ通算9作目で、3代目ロジャー・ムーアに代ってからは2本目の今作、ジェームズ・ボンドと対するのは凄腕の殺し屋スカラマンガ、通称”黄金銃を持つ男”であります。
演じているのはハマー・プロの一連の作品でドラキュラを当たり役としていたクリストファー・リーで、この人は原作者イアン・フレミングの従兄弟。生前のフレミングは映画化第一作の悪役ドクター・ノオにリーを推していたそうですし、その時のボンド役候補者の中ではロジャー・ムーアを気に入っていたとのことなので、この二人の対決はフレミングの希望が形を変えて実現したと言っても良いでしょうね。そしてこの作品がフレミングの遺作だというのも何やら因縁めいています。
e0033570_21481456.jpgそしてこのスカラマンガが出色の出来。製作サイドもリー自身もボンドのダークサイドを意識した役作りをしたそうですが、主役のボンドが霞んでしまうぐらいの格好良さ。それにリーは朗々と響く美声の持ち主。ムーアも気取った喋りをしていますが、この二人の台詞の応酬は、英語のヒヤリングなんか出来ない自分でも音の響きだけで酔ってしまいそうです。
一方、アクションは不得手だと語るムーアも、この作品では良く動いています。おそらく多くのシーンでスタントマンのお世話になっていると思われますが(苦笑)、それも目立ちません。またスカラマンガの愛人を平手打ちにしたりと、コミカル一辺倒ではないハードな面も見せてくれています。

しかしながら物語はどうもピンボケといった感じですね。
報酬さえもらえばどんな相手も一発必中のスカラマンガが、太陽熱をエネルギーに変換する新発明を兵器に転用するというのは何だかそぐわないし、東南アジア、特にタイや香港を舞台にしたのは兎も角、敵にも味方にも空手使いを用意したのは如何にも空手映画ブームに迎合しているようですし(ブルース・リーの『燃えよドラゴン』はこの前の年に公開になってます)、前作にちょこっと出てきて笑いを誘ったペッパー保安官を再登場させ、今度はボンドと行動を共にさせるのもやり過ぎだと思います。
興行的にも成功とは言えなかったようですし、長年アルバート・R・ブロッコリとコンビを組んでシリーズを製作してきたハリー・サルツマンも、様々な事情から本作を最後にチームを離れるなど、シリーズ全体に暗雲が立ち込めてしまいました。
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by odin2099 | 2006-11-07 21:50 |  映画感想<タ行> | Trackback(4) | Comments(6)
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Tracked from 映画ダイエット at 2006-11-10 15:39
タイトル : DVD『007/黄金銃を持つ男』
1974年 原題:『007 The Man With the Golden Gun』 監督:ガイ・ハミルトン 出演:ロジャー・ムーア、モード・アダムス、クリストファー・リー、ブリット・エクランド他 30年前のクリストファー・リーがステキに若いw 彼の定番のドラキュラものはそのうち観るつもりですが..... more
Tracked from 0120 Blog at 2006-11-10 20:30
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007 黄金銃を持つ男 <特別編>監督:ガイ・ハミルトン出演:ロジャー・ムーア , モード・アダムス , クリストファー・リー 何故に今更、007シリーズの中でも“駄作”と名の高いこの作品を観たのか? それは、掲載している意味ありげな“3ショッ...... more
Tracked from 萌映画 at 2006-11-12 00:22
タイトル : 007/黄金銃を持つ男(1974)
ロジャー・ムーア2作目、通算9作目の007もの。 殺し屋稼業とハイテクを組み合わせ、舞台はエキゾチックなタイ&香港といういかにも007っぽい設定である。 そして敵はクリストファー・リー as スカラマンガ。 やはり敵は恐くて強くなくてはいけない…。 ということで、どうやらロジャーの007はてんこ盛り娯楽対策路線を突っ走るらしい。 まあ、それはいいのだが、いい加減、怪しい東洋はやめてほしい。香港のお金持ちの庭にはスモウレスラーの像なんかあるもんか、と思うのだが、本当のところはどうなんだろう(香港行った...... more
Tracked from ふじき78の死屍累々映画日記 at 2012-12-24 00:58
タイトル : 『007 黄金銃を持つ男』を日劇2で観て、立派な駄作だふ..
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Commented by まなぶ at 2006-11-07 23:32 x
エクスカリバーさん、こんばんは♪

何度も訪ねたりしてスミマセン!
ОО7は大好きなので、ついつい熱くなってしまいます(笑)

この作品では、スカラマンガとの決闘が重要なので、
当初、「シェーン」の悪役ジャック・バランス氏にオファーしたところ、
“次回作が決まり、出演出来ない”
と断られてしまったそうです。
代わりにクリストファー・リー氏となったわけですが、
この時、ジャック・バランス氏が選んだ作品がなんと・・・、
「ドラキュラ」映画だった、という嘘みたいな話です(笑)
「女王陛下のОО7」にも似た話がありますが、
またの機会に譲らせて頂きます・・・〆
Commented by odin2099 at 2006-11-08 23:12
こんばんは、いらっしゃいませ。
いつでも気軽にお立ち寄りください♪

この作品、『シェーン』の007版を狙っていたようですね。
でもクリストファー・リーで結果オーライだったような気がします。

『女王陛下の007』の裏話というと、『シャラコ』の件でしょうか。
Commented by まなぶ at 2006-11-09 01:16 x
エクスカリバーさん、こんばんは♪

「シャラコ」 

その通りですっ!!(笑)

降板したコネリーの相手役候補だったブリジット・バルドー、
その2人が奇しくも共演と相成ったのですよネ(不思議・・)
いやぁねエクスカリバーさんには一本取られてしまいました。
いえ、脱帽です♪
Commented by odin2099 at 2006-11-09 22:23
>まなぶさん

えへへ。
この話は、「007」マニアだった先輩に教えてもらいました。
今では関連本などでも紹介されることもありますね。
コネリーとBBの組み合わせだったら、『女王陛下~』はかなり濃い作品になっていたでしょう(苦笑)。
初々しさのあるレイゼンビーとダイアナ・リグの組み合わせで正解だったんじゃないでしょうか。
もっともこの作品だったらコネリーも芝居どころがあるので、『~二度死ぬ』ほど毛嫌いすることなく演じられたかもしれませんが。
Commented by ふじき78 at 2012-12-24 00:58 x
こんちは。どっちかってえと、ツイッターでお世話になってます。

リーかっこいいですねえ。
話の展開的に別に三つ目の乳首はいらんかった気がします。
Commented by odin2099 at 2012-12-24 10:19
ふじき78さん、いつもお世話様です。

クリストファー・リー、もう90歳を超えてますけど『ホビット』でも健在だし格好良いですね。
三つ目の乳首は結局なんだかよくわからなかったんですけど、スカラマンガを識別する印ってことで設定されたんでしょうが、まあこの設定は無くても支障はなかったような。フレミングの考えることはどうも斜め上を行ってるようで・・・。

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