【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『007/消されたライセンス』(1989)

ボンドの友人フェリックス・ライターが麻薬王サンチェスに襲われ、新妻は惨殺、彼自身も瀕死の重傷を負う。ボンドは復讐を誓い、<殺しの許可証>を剥奪されながらも単身サンチェスを追い詰める。

もはやスパイ・アクションではなく、復讐鬼、処刑人としてのボンドを描いた異色作で、既にイアン・フレミングの原作は全て使い切っていたため、題名共々映画用のオリジナル作品となった(一部、原作から借り受けたシーンやキャラクターはあるが)。
それでもティモシー・ダルトン演じるところのボンドは原作ファンには歓迎されたものの、『インディ・ジョーンズ』や『リーサル・ウェポン』といった後続のシリーズ作品がライバルとして圧し掛かり、その中に埋没してしまった感もある。

e0033570_17402118.jpg二人のボンド・アクトレス、キャリー・ローウェルとタリサ・ソトーの描き分けも巧くいっているようで、二人のボンド・ガールが鉢合わせして、互いに対抗意識を燃やすという描写は今までありそうでなかったもので面白い。
ただ、無名時代のベニチオ・デル・トロらを従えながらも、ロバート・ダビィーが悪の親玉ではちょっとスケールが小さいか。自分を裏切った女に固執していたり、何でもわかっているような顔をしながら、結局はボンドに手玉に取られている様はちょっと情けない。

この後、権利関係のゴタゴタがあって、シリーズは6年という最長の中断期間を迎えてしまう。そしてその間にティモシー・ダルトンが契約を残しながら、僅か2作品で降板。シリーズに暗雲が立ち込めることになる。
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by odin2099 | 2006-12-10 17:40 |  映画感想<タ行> | Trackback(4) | Comments(4)
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タイトル : 007/消されたライセンス(1989)
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Commented by ゆかりん at 2007-05-07 21:37 x
こんばんは☆
原作は使い切ってしまってたんですね、、、
確かにオリジナルっちゃオリジナルな感じでした。
ほんっとに何も知らないやつですみません^^;
007とは別物として観ると面白かったんですけど、ちょっと複雑な感じでした。
Commented by odin2099 at 2007-05-08 22:16
実際は題名だけ拝借してお話はオリジナル、というケースの方が多いようですが、この作品に関しては題名すら原作にはありません。
以後、最新作の『カジノ・ロワイヤル』までその傾向は続きます。
ただ細かなエピソードやシチュエーションは、他の原作作品の中から取り込んだりもしているようですね。
まぁあんまり原作読んでないので、そのあたりは詳しくないのですが・・・。
Commented by ふじき78 at 2012-12-30 09:14 x
オリジナルなんですか。
敵が麻薬王で、その情婦と仲良くなったり、物語のきっかけがボンドの同僚の殺害(実際は傷害ですが)だったりと、実は『死ぬのは奴らだ』に似てるのかもしれない。
Commented by odin2099 at 2012-12-30 10:00
この題名の原作はないということで、『死ぬのは奴らだ』や『珍魚ヒルデブランド』からシチュエーションやキャラクター名などを使用しているようです。結局原作を使いきった後でも、何らかの形で原作からの引用は続けてるみたいですね。
一方で新しい作家たちによって小説シリーズは書き継がれてますが、こちらを映画化する気はないみたい。やっても良いと思うんだけどなあ。

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