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『敗者から見た関ヶ原合戦』 三池純正

天下分け目の大戦、関ヶ原の合戦を題材にした検証本で、著者は『真説・智謀の一族真田三代』を表したアマチュア研究家。
あの本もかなり斬新で驚きに満ちた内容だったけれども、こちらも負けず劣らず。

『敗者から見た関ヶ原合戦』 三池純正_e0033570_2345346.jpg徳川家康率いる東軍と石田三成率いる西軍の戦力はほぼ互角。いや陣備えを見る限りでは西軍有利だったと評する人もいる。しかし三成は戦巧者の家康の策略にまんまと乗せられ、裏切り者が出るに及んで総崩れとなって敗れ去った。

――多くの人が抱く関ヶ原の合戦のイメージがこのようなものだろうが、歴史とは即ち勝者のもの。果たして西軍は敗れるべくして敗れたのだろうか、という疑問を抱いた著者が独自の調査に基づいて検証した労作。格別”敗軍の将”石田三成の復権を目指したものではないが、この本を読むと従来の石田三成像がかなり変わって見えてくるのではないだろうか。
頭の固いプロではなく、アマならではの視点。歴史は小難しいものじゃなく、もっと楽しいものなのだということも本書は教えてくれている。
by odin2099 | 2007-06-01 23:05 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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