『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(1966)
2007年 08月 12日
ということで始まる「ガメラ」シリーズの第2作目。併映は『大魔神』で、これは史上初の新作特撮怪獣映画の2本立て!?
前作のラストでロケットによって宇宙へ打ち上げられたガメラは、開巻早々隕石の衝突によって解放され、地球に舞い戻っている。
となれば物語はこの2大怪獣の激突をメインに据えてくるのかと思いきや然にあらず、宝石を巡っての欲深な人間たちの右往左往が中心。藤山浩二の憎々しい悪役ぶりが2大怪獣以上のインパクトを与えている。罪の意識に苛まれる主人公・本郷功次郎と、彼と共に日本へとやって来てバルゴンに纏わる伝説を伝えるニューギニアの原住民の娘・江波杏子との淡いラブロマンスも描かれるなど、子ども向けではないちょっとしたアダルト・テイストが楽しめる。
バルゴンは水の中では生きられず、皮膚が溶けてしまうという弱点が早々と提示され、またその習性にしたがって理論的に作戦を練って実行していくという展開は新鮮。効果があるのか不明な超兵器で攻撃しまくる「ゴジラ」シリーズとの違いはそこにある(「ダイヤモンド作戦」「バックミラー作戦」などと一々命名するのも可笑しい)。
もっとも理詰めでいくならば、そもそもバルゴンが最初に出現したのは神戸港だったが、なんで海の中で溶けちゃったりしなかったのか?とか、足止めするために人工雨を何度か降らせることに成功しているのだから、いっそのことずーっと降らせ続けりゃ溶けちゃうんじゃないか?とか、大坂城から水の沢山あるところへ誘導するなら、琵琶湖よりも大阪湾の方が近いんじゃないかとか、色々と気になる点は出てくるのだが。
因みに一作目では東京で暴れ、二作目で大阪へやって来るのはゴジラと同じ。
監督は前作の湯浅憲明に代わって田中重雄。湯浅は、二班体制となった特撮班の指揮を取っている。
音楽も前作の山内正に代って木下忠司。
山内正は「ゴジラ」で御馴染み伊福部昭門下なので如何にも怪獣映画らしい雰囲気のメロディーを提供していたが、木下忠司だとまるで時代劇調。その後TVシリーズの『水戸黄門』を担当するだけに、その萌芽が見て取れる。
聴いているとガメラが現れるというよりも、弥七の風車が飛んできそうだ。
ところで水虫の治療に赤外線ってのは効くのかいな?
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ガメラ映画初の対決物であり、以後はすべて対決路線が続いていきます。前回での反省を生かしてきたのか、今回は登場人物をすべて大人のみにして、子供たちを排除しました。このため、ガメラ物では唯一の大人向け作品として君臨し続ける事ができました。... more
大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン Gamera vs. Barugon 1966年 田中重雄 監督 湯浅憲明 特撮監督本郷功次郎 江波杏子 早川雄三 藤岡琢也 夏木章 藤山浩二 昭和41年。東宝では、サンダ対ガイラ、エビラの年ですが、大映ではこれだけじゃなくって、...... more
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私のベストガメラ映画です。ガメラにとって、シリーズ2作目にして最初の対戦映画であり、最初のカラー作品。シリーズでは異色作。その特長は、欲望が渦巻く、大人のガメラ映画であることです。子供が出てこない、9割が夜のシーン、ガメラの歌もない(ギャオス以降)、ガメ...... more
「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」 ■製作年:1966年 ■監督:田中重雄 ■特撮監督:湯浅憲明 ■出演:本郷功次郎、江波杏子、夏木 章 ガメラ対バルゴン、昨日も書きましたがこの映画が、ボクが5歳のときに始めて観た怪獣映画です。当然、5歳の子供なので詳しい部分のストーリーなどは理解できないし、またよくは憶えていません。が、その中でも大画面で繰り広げられる怪獣同士の戦いで、薄らと記憶しているシーンがあります。それはバルゴンが孵化するシーン、そしてバルゴンの背中から発せられる虹のような光線、そしてガメラ...... more
水虫って、今ではよく効く(?)薬があるようですが、昔は、「水虫の特効薬を開発すれば、ノーベル賞」とか、言いませんでした??
ぁ、関係なかったですが、、、
ホント、大阪湾の方が、ず~っと近いのにねぇ、、、
でっかいダイヤを見せられて、「貴女の国にはこんなものが一杯あるのですか?」と動揺する女性係官だとか、この映画、ヘンなところが気になります(笑)。
肝心のガメラとバルゴンの対決は、逆にあんまり印象に残ってなかったりして~(汗)。
私は上記のTBを致しました「ガメラ医師のBlog」管理人のガメラ医師と申します。映画ガメラについての情報収集Blogを更新しており、こちらの記事にはガメラの検索から参りました。
拙Blogでは以前から昭和ガメラシリーズの感想Blog記事をまとめており、今回上記TBの更新中にてこちらの記事を引用・ご紹介させて頂きましたので、ご挨拶に参上した次第です。差し支えなければ拙Blogもご笑覧頂ければ幸いです。
乱文ご無礼致しました。それではこれにて失礼します。
人様のBlog記事の参照で成り立つ、定見のない引用Blogではありますが、これからもどうぞご贔屓にお願い致します。
(贔屓っていう生き物、ガメラっぽい外見をしておりますです ^^)
それでは。