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『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(1966)

大映は『ガメラ』と『大魔神』、東映も『海底大戦争』や『ワタリ』、『黄金バット』で特撮メインの作品を送り出し、TVでは『ウルトラQ』、『マグマ大使』、『ウルトラマン』が大活躍!という<怪獣ブーム>真っ只中に作られた作品。
「ゴジラ」物としては7本目となるが、一方で『フランケンシュタイン対地底怪獣』や『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』のようなアダルト・テイストの怪獣映画も作っていたので、差別化を図るためなのかガラッと路線変更。監督は福田純に、音楽は佐藤勝に、それに特技監督も実質的には有川貞昌が指揮を執るという具合にスタッフも世代交代。従来とは大きくその趣を異にしている。

『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(1966)_e0033570_22455995.jpg南海の孤島が舞台ということで、都市破壊のスペクタクルを楽しむことは出来ず、エビラは単なる巨大なエビだし、モスラは顔見世程度の客演。しかも切っても切り離せぬ存在のはずの小美人が、ザ・ピーナッツからペア・バンビというやはり双子の歌手に切り替わったことで大きくイメージダウン。
肝心のゴジラにしてから、眠っていたところを人間の都合で勝手に起され、利用されるだけという為体。挙句の果てに「あいつもそんなに悪いヤツじゃない」みたいに言われてしまうとは、怪獣王も地に堕ちたものだ。
そのゴジラに、前作では『おそ松くん』に出てくるイヤミに倣って「シェーッ!」をやらせたスタッフは、今度は加山雄三を意識したのか鼻をこすらす仕草をさせた。そんなこんなでこの作品、ゴジラ版『若大将』なんぞと揶揄されたりもしている。

物語上の敵役としては”赤イ竹”なる秘密組織を設定。どうやら武装テロを目論む革命集団らしいのだが、その目的や背景、組織の規模が劇中で明かされておらず、主人公たちに相対するには兎も角、ゴジラ相手には力不足なのは否めない。怪獣映画としても特撮映画としても、周囲のライバルたちに比べると大きく見劣りする印象だ。
インファント島の娘を演じた水野久美を見るのだけが楽しみ?
Tracked from Godzilla and.. at 2007-08-17 23:25
タイトル : ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 (昭和41年・19..
ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘宝田明 福田純 水野久美 東宝 2003-06-21 凶悪新怪獣エビラ!陸・海・空に展開する三大怪獣世紀の対決!  南海の孤島を舞台に軽快な音楽と軽いタッチで描か...... more
Tracked from 良い映画を褒める会。 at 2007-08-20 00:52
タイトル : 『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(1966)東宝..
 興行収入を抜きに考えた時、はたしてこの作品にゴジラとモスラが登場しなければいけない必要性を認めることが出来ません。ゴジラとエビラの戦いはまったく噛み合わず、モスラに至っては友情出演程度のものであり、タイトルに出てくるような「決闘」シーンは皆無です。... more
Tracked from 猫姫じゃ at 2007-08-20 01:54
タイトル : ゴジラ・エビラ・モスラ南海の大決闘 07157
ゴジラ・エビラ・モスラ南海の大決闘Big Duel in the North Sea 1966年   福田純 監督  円谷英二 特技監督  田中友幸 制作  佐藤勝 音楽宝田明 水野久美 平田昭彦 田崎潤 砂塚秀夫 当銀長太郎 伊吹徹 渡辺徹 ペア・バンビ 本多猪四郎 監督以...... more
Tracked from 7R4−3の記録 (43.. at 2007-10-10 16:07
タイトル : ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘
=== ゴジラの影が薄い・・・でもなかなかオモロイ!娯楽映画としては○ === ''' 出演 ''' 宝田明, 水野久美, 平田昭彦, ペア・バンビ ''' 監督 ''' 福田純 ''' ストーリー ''' ゴジラ、エビラ、モスラの3大怪獣が共演する、人気シリーズ7作目。南海の島に漂着した4人の...... more
Commented by 猫姫少佐現品限り at 2007-08-20 02:03 x
こんばんは!いつもありがとうございます!
この映画、なんか変な感じでしたが、、、
あたしは結構、好きだな。
Commented by odin2099 at 2007-08-20 07:10
いらっしゃいませ~。
僕はこのノリ、ちょっとついていけない部分がありますな(苦笑)。
次回作の『ゴジラの息子』もそうなんですけど、佐藤勝の音楽が合わないのかなぁ・・・。
いや、他の作品での佐藤音楽は結構好きなんですけどね、岡本喜八監督作品や黒澤映画などなど。
by odin2099 | 2007-08-17 22:47 |  映画感想<カ行> | Trackback(4) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur