【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994)

e0033570_2312253.jpg自らをヴァンパイアだと名乗る青年ルイは、ジャーナリストにその恐るべき半生を語り始めた。
かつて最愛の妻子を亡くし絶望の渕にあった時に、永遠を生きる伴侶を求めていたヴァンパイアのレスタトによって、同じくヴァンパイアにされてしまったルイ。彼は永遠の若さを手に入れたものの、人としての心を捨てきれずに苦悩し続ける。
その苦しみの中でクローディアという少女を衝動的に襲ってしまうが、レスタトは彼女をもヴァンパイアと化してしまう。かくして三人の奇妙な共同生活が始まるが、次第にクローディアはレスタトに反抗するようになり、ついにレスタトの殺害を企てルイと共に新天地へと旅立つ。
そこでルイはアーマンドというヴァンパイアに出会い、互いに惹かれるものを感じるのだが――。

語り部のルイにブラッド・ピット、レスタトにトム・クルーズ、インタビュアー役には急逝してしまったリバー・フェニックス(ラストに献辞が出る)に替ってクリスチャン・スレーターを配して、アン・ライスの『夜明けのヴァンパイア』を映画化したもの。
当初配布されたチラシでは、この三人の後には『クライング・ゲーム』で注目されたスティーブン・レイの名前が続いていたのだが、公開前には急遽ブレイクしたばかりのアントニオ・バンデラスの序列を上げた改訂版のチラシも作られた。いずれにせよ美形スターを揃え、退廃的な雰囲気を醸し出した美しい映像が楽しめる。
初めはレスタト役へのトム・クルーズの起用に難色を示していた原作者も、作品を観た後では打って変ってその出来映えを絶賛したといういわくつきでもある。

e0033570_2314558.jpgただしレスタトとルイ、それにアーマンドとルイの関係は同性愛の香りが濃厚であり、またルイとクローディアは擬似親子関係ではあるものの、寄り添って寝る二人の描写は同時に少女愛を想起させるに充分。単純にホモとロリコンの映画だと決めつけるのも乱暴ではあるが、かように特殊な、倒錯したエロティシズムに満ち溢れた作品だとは言える。
もっとも後で原作を読んでみると、これでも映画はかなり描写を控えめにしていたのだな、と驚いたものだが。

個人的には耽美なものは苦手だが、トム・クルーズもブラッド・ピットも格好良く、そして何よりもクローディアを演じた子役時代のキルスティン・ダンストの存在感に圧倒された。
もっとも後で見なおしてみると、このキャスティングはどうも今一つ。ブラッド・ピットもトム・クルーズも、そしてアントニオ・バンデラスも、揃いも揃ってコスチューム・プレイが似合わないのだ。しかもヴァンパイアとして白塗り姿で現れるとかなり気持ちが悪い。結果、唯一の現代人であるクリスチャン・スレーターが非常に際立って見えるのがある意味で面白い。

後に<ヴァンパイア・クロニクルズ>の映画化第二弾『クィーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』も製作されたが、原作者の願い虚しく(?)トム・クルーズの続投は叶わず、二代目レスタト役はスチュアート・タウンゼントに交代。ただし原作のイメージにはこちらの方が近いのではあるまいか。
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by odin2099 | 2007-09-05 23:03 |  映画感想<ア行> | Trackback(10) | Comments(17)
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Commented by みゆみゆ at 2007-09-06 00:03 x
この映画公開当時ブラッド・ピットの大ファンで、この作品のビデオも買いました(^^;。
たしかに・・・白塗りは・・・とくにバンデラスの白塗りが・・・個人的には・・・(以下略。

『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』は公開当時気になったものの未見です。原作も読んでいませんが、映画は抑えてあるんですね(笑)うーん、、読んでみようかな?
Commented by cinema-can at 2007-09-06 00:17
懐かしい作品ですね〜。
私も、ブラピお目当てで観に行って、トム・クルーズの壮美さに
やられましたよ〜!
ちなみに私は、壮美好きです!!!!(~_~;)
それにしても、スパイダーマンで今や一世を風靡している
キルスティン・ダンストがあの子役だったんですねーーー。
時の流れの速さをかんじるなぁ〜!
Commented by odin2099 at 2007-09-06 21:39
みゆみゆさん、今はファンじゃないのですか?(笑)

それにしてもこの頃のブラピの勢いは凄かったですねー。
『レジェンド・オブ・フォール』とか『セブン』とか、何気に観ています。
もうちょっとコスチューム・プレイにはまる人かなぁと思っていたんですが、まるで似合っていないのが残念。

白塗り、やっぱりバンデラスは酷すぎるなぁ・・・。
Commented by odin2099 at 2007-09-06 21:47
ルナさんもブラピ目当てでしたか。
あれ?トムクルファンはいないのかな(爆)。

キルスティン・ダンストはホントに可愛かったです!
『ジュマンジ』も可愛いと思うけど、『ヴァージン・スーサイズ』あたりでは・・・。
『スパイダーマン』以降はパスですね(苦笑)。『ウィンブルドン』は悪くなかったけど。

しかしこの作品、吹き替えにはあんまり恵まれていないような・・・。
ビデオ&DVD版だとトム・クルーズ/鈴置洋孝、ブラッド・ピット/平田広明、クリスチャン・スレーター/家中宏、アントニオ・バンデラス/玄田哲章と微妙なものだと思うんですが、TV放映版では更に迷走が続き、江原正士、宮本充、堀内賢雄、小川真司という顔触れになります。
これぞ決定版!というようなものが出来ないものかなぁ。
Commented by みゆみゆ at 2007-09-06 23:27 x
今は・・・どうでしょう(^^;。でも、あの頃のブラピが一番好きかなぁ~と・・・・(笑)
ちなみにトム・クルーズも結構好きですよ(笑)
Commented by odin2099 at 2007-09-07 22:10
この頃のブラピは、まだストレートな二枚目のイメージが強かったですからね。
その後は段々と癖のある役が増えていきますけれど。
Commented by 小夏 at 2007-09-08 21:56 x
そーだった!私、この映画を観て、ブラピにコスチュームプレイ物は似合わん!
と確信したんだっけー。彼自身、そう自覚したと思いますよ、きっと。

トムクル、相当ダイエット頑張ったみたいだし、決して悪くはなかったと思うけど、後から原作読んだらかなりイメージ違ってましたね。(トムクルに限らず・・・ですが)
ちなみに、映画と原作だったら、ここはやっぱり原作派。
でも映画は映画でキライじゃないです。むしろ好きだったり。(爆)
Commented by odin2099 at 2007-09-08 22:08
なんとなくブラピは似合いそうな感じもあるんですけど、ダメでしたね。
現代的な顔立ちなんだろうか。
その点、ディカプリオの『仮面の男』は悪くなかったけどなぁ。

原作読んでも特にこれといったイメージは浮かばなかったんですが(笑)、誰が良いだろう?
続編のタウンゼントはいい線行ってると思ったんだけどな。
Commented by 小夏 at 2007-09-08 22:36 x
コスチューム物でも、「トロイ」のブラピは文句なしカッコイイと思ったんですけどねぇ。。。

トムクル@レスタト、絶賛とまでは行かなくとも一応支持寄りなんですが、
原作読んだ後に偶然作者がジュリアン・サンズを熱望していたことを知りまして、それ以来、ジュリアン・サンズ派です。(笑)
だって、当時の彼(←ここ大事)ってそのまんまレスタト様ですよぉ~~。
当時、知名度的に今ひとつだったのがネックか?(^^;
Commented by 小夏 at 2007-09-08 22:59 x
で、早速画像漁って来ました。
http://handson.provocateuse.com/show/julian_sands
これよ、これ。やっぱこれっきゃないでしょ!
Commented by odin2099 at 2007-09-08 23:39
『トロイ』のブラピ、そんなにコスプレ嵌ってたかなぁ(苦笑)。
あの映画、ことコスプレに関しては完全にオーランド・ブルームの勝ちだと思ってるんだけど。

で、ジュリアン・サンズ、画像まで探してくれたんですね。
この写真は良い感じですねー、自信過剰なレスタトっぽい。
その昔、映画化企画が持ち上がった頃はルドガー・ハウアーだったかも候補になっていたことがあると聞きましたが。

でも結局レスタトって、アン・ライスの旦那さんがモデルでしょ、ぶっちゃけた話(爆)。
Commented by chibisaru at 2007-09-09 10:07 x
トムちんにお耽美が似合うのか?と疑問を持ちつつ見たような記憶があります(^^;
頑張ってダイエットしたおかげで、違和感なくみることが出来ましたが、あまり印象に残ってない作品だったり・・・する。
キルスティンのかわいさとヒステリックさと最期の無残さだけは、しっかりと胸に焼き付いているんですけどね・・・。
Commented by odin2099 at 2007-09-09 18:57
今後トムクルは、ここまで役作りするでしょうかね(笑)。

ところでこのシリーズって必ずと言っていいほど萩尾望都の『ポーの一族』と比較されるんですが、未読なもんで良くわからないんですが、共通する要素って多いのでしょうか。
Commented by soratuki at 2007-09-14 00:50 x
おじゃまします♪ TRBありがとうございました。
この作品、出てくる俳優さんたちの美しさにうっとり~♪
となってしまい、あんまり物語が頭に残っていなかったほどです。(笑)
あと、キルスティン・ダンストの演技にビックリ!だったのと
彼女が抱っこしてたお人形が怖かったのも印象にのこってます。

こちらからもTRBさせていただきました♪
Commented by odin2099 at 2007-09-14 22:10
soratukiさん、いらっしゃいませ!有難うございました♪

この作品、確かに美形俳優が揃ってはいるんですが、なんか皆さん、イマイチはまってないんですよね。
現代的な顔立ちなんでしょうか。
アメリカ人じゃなく、ヨーロッパの人じゃないと雰囲気が出ないのかもなぁ・・・。
Commented by 由香 at 2009-01-14 09:12 x
こんにちは♪
この作品は、以前観た時にはあまり魅力を感じませんでしたが、今回は、なかなか絢爛豪華で趣のある映画だなぁ~と引き込まれました。
『特殊な、倒錯したエロティシズムに満ち溢れた作品』であった事に惹かれたのかも・爆

本作のキルスティンは素晴らしいですね~
演技も凄いし、とても綺麗です♪ブラピやトムと並んでも引けをとらない堂々とした存在でした。
次回作は未見なんですよ~
ヴァンパイア物は好きなのに何で観なかったんだろう?今度レンタルしてみます♪
Commented by odin2099 at 2009-01-14 22:44
>由香さん

映画としてはこちらの方が上だと思いますけど、個人的にはトムクルよりもスチュアート・タウンゼントのレスタトの方が雰囲気だなぁと思ってるもので、続編も是非ご覧下さい。
でも結局は映画は2作で打ち止めみたいですね。
原作はまだまだ続いてるのに。

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