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『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(1967)

富士火山帯に群発地震が発生、それは怪鳥ギャオスの眠りを覚ました。
空を飛び、超音波メスで切り裂き、人を食らうギャオスの出現。
しかしそれに呼応するかのようにガメラも飛来! 
今、二大怪獣の死闘が始まろうとしていた!!

『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(1967)_e0033570_23303152.jpgシリーズの3作目。
主演は前作に引き続いて本郷功次郎だけれど、作風はかなり大人向けだった前作とは打って変わって、思いっきり子ども向けに舵を切り、それが功を奏して、昭和ガメラ・シリーズの最高傑作となった。
空を飛べるギャオスも、地面を這いずり回るだけのバラゴンよりずっと活動範囲が広まり、ガメラに次ぐ人気スターへと成長。

お話はガメラとギャオスの対決に的を絞り、防衛隊(自衛隊なのかな)の対ギャオス作戦もしっかりと描かれていて余分な要素はない。
強いて言えば高速道路建設の作業員と、それに反対する村人との対立ドラマが余計といえば余計だが、最終的にはしっかりと本筋に組み込まれているので、さほどの違和感はない。その辺りは良く考えられているなぁと感心。
舞台の方は一作目の東京、二作目の大阪・神戸に続いて、今回は富士山麓や名古屋がターゲット。
「怪獣映画=ご当地映画、観光映画」の側面もあるからこれは納得だけれど、今はなき中日球場(ナゴヤ球場)でロケをしたり、新幹線が真っ二つになったりの都市破壊シーンをはじめ特撮にも見所が一杯。なかなか金は掛かっているようだ。

欠点といえば、どこへでもしゃしゃり出てくるガキが鬱陶しいのだけれど(「ギャオーッと泣くからギャオスだよ」とか言ってるけど、どうしても「ギャオーッ」とは聞こえないんだけどなぁ、どうなのよ?)、これ以降の”子どもベッタリ路線”に比べれば充分許容範囲だ。
Tracked from 良い映画を褒める会。 at 2008-01-10 01:12
タイトル : 『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(1967)完璧な悪役..
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Tracked from Godzilla and.. at 2008-01-10 20:19
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Tracked from 猫姫じゃ at 2008-01-15 08:20
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Tracked from ふじき78の死屍累々映画.. at 2021-06-21 11:38
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Commented by Brian at 2008-01-10 22:12 x
「ガメラ対ギャオス」懐かしい~。
初めて上映されたのは、今から40年も前だったんですね~。
(おいらが見たのはテレビだったから。)
昔のガメラシリーズは、よく見てましたよ。
Commented by odin2099 at 2008-01-10 22:44
「ゴジラ」も「ガメラ」もノンビリとシリーズを見直しているところです。
平成ガメラの方が映画としては格段に面白いんですが、独特の”味”があるのは昭和ガメラ。
ただそれもこの作品が頂点だったかな。

TVといえば、何故か『対ジグラ』は何度も見た記憶がありますね。
他の作品、あんまりやってくれなかったのかなぁ???
Commented by samurai-kyousuke at 2008-01-12 20:13
懐かしいですね。
ギャオスが口から発する「超音波メス」ちゅうのがなかなか斬新でしたね。ガメラの手足がスパスパ切れて痛そうでした。
Commented by odin2099 at 2008-01-12 23:26
>samurai-kyousukeさん

いらっしゃいませー!

ゴジラに比べるとガメラはよく流血しますよね。
その生物感が大映怪獣の魅力なんでしょうけれども。
あと、超音波メスもそうなんですが、結構理詰めで勝負しようとしているのも大映怪獣の特徴でしょう。
デザインだけ見るとリアリティはなかなか感じ取れないですが・・・・・・ギロンとか(苦笑)。
Commented by 猫姫少佐現品限り at 2008-01-15 08:32 x
おはようございます!
えいいちくんの数々の名台詞、
恐れ入りました、、、
Commented by odin2099 at 2008-01-15 23:32
>猫姫さま

この作品の真の主人公はこのガキ、いや少年ですからねー。
物語を完全に引っ張ってますから。
でも実際に怪獣が暴れて被害が出てる現場で、こんな発言するガキ、いや少年がいたら、即刻つまみ出されるだろうなぁ(笑)。
Commented by jh7hhn at 2008-01-19 10:00
特撮の面白さ。今はできて当たり前だから、なおのこと貴重な作品でしょう。
Commented by odin2099 at 2008-01-19 10:50
確かにCG使っちゃうと、何でも出来て当たり前という感じになってしまいます。
画面もリアルですし。
ただこの頃の、スタッフの創意工夫が感じられる作品作りはもっと評価すべきでしょうね。
今の画面に見慣れた人たちが観客や批評家の大半になった時に、こういった作品群が淘汰されなければ良いな、とも感じています。
by odin2099 | 2008-01-09 23:31 |  映画感想<タ行> | Trackback(4) | Comments(8)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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