【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ウルトラマンZOFFY/ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』(1984)

この時期までに公開された劇場版ウルトラシリーズは、TVシリーズの1本をそのまま上映したものか、あるいは最初の『ウルトラマン』から何本かセレクトして再編集したものが殆どでした(例外なのがタイとの合作作品『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』です)。ところがこの作品では、流石にネタが尽きてきたのでしょうか、初めて『ウルトラマン』以外の作品からも選ばれています。

e0033570_23544221.jpgシリーズ第一作となる『ウルトラQ』を、明確にウルトラマン出現以前と位置付け、以後『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』、『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンA』、『ウルトラマンT』、『ウルトラマンレオ』、それに『ウルトラマン80』から人気怪獣との対決場面をピックアップして、それをウルトラ兄弟の長男ゾフィーが紹介するという内容になっています。

ゾフィーの声には、初登場となる『ウルトラマン』最終回と同様に浦野光、全体のナレーションを矢島正明が担当するという大変豪華な布陣で、これに更に当時独特の語り口調で人気だった、テレビ朝日局アナ時代の古館伊知郎が、プロレスの実況中継風のナレーションを何シーンかに加えています。オールドファンには『ウルトラファイト』のノリだと言えば、雰囲気を掴んでいただけるかと思います。

残念ながらアニメーション作品の『ザ・ウルトラマン』はオミットされているのですが、その主人公ウルトラマンジョーニアスを着ぐるみ姿で無理矢理(?)他のウルトラ戦士と共演させたことで話題になった映画『ウルトラマン/怪獣大決戦』から流用されたショットがありますので、チラっとだけ映っているのはご愛嬌。

『ウルトラマンレオ』や『ウルトラマン80』の扱いが小さすぎること、それにエピソードのセレクトは兎も角、場面そのもののセレクトには疑問点がないでもないですが、90分弱という上映時間の中で6兄弟を中心にした色々なウルトラ戦士の活躍が楽しめること、それに何と言ってもウルトラシリーズにとっての冬の時代、ファンの皆が新しいウルトラ作品に飢えている時期だっただけに、これはなかなか楽しめる作品になっています。ビデオが出た後では何度か借りてきて、繰り返し繰り返し観直しました。今日でも、「動く怪獣図鑑」としての価値はあるんじゃないかと思います。

また、従来は「ウルトラマンII世」、「帰りマン」、「帰マン」、「新ウルトラマン」、「新マン」などと呼ばれていた『帰ってきたウルトラマン』の主人公が、「ウルトラマンジャック」と命名されたのはこの作品からです。古くからのファンであればあるほど、この名前に拒絶反応を持つ方は多いようですね。
ちなみにこの「ウルトラマンジャック」という名前は、『ウルトラマンタロウ』の際の候補の一つだったものです。有力候補だったようですが「ハイジャック」を連想させるというような理由で、割とギリギリの段階で変更になったのだとか。

『ウルトラマンレオ』のTV放映が終了し、第二期と呼ばれたブームが終焉を迎えたのが1975年3月。
「歴史は繰り返す」との言葉通りに1977年から78年頃にかけて全国で再放送が繰り返され、書籍類が売れてブームが再燃。劇場映画『実相寺昭雄監督作品ウルトラマン』とTVシリーズ『ザ・ウルトラマン』でシリーズが再開したのは79年春のことでした。
この第三次ブームは1981年3月の『ウルトラマン80』放送終了と同時に幕を閉じるのですが、再びジワジワと盛り上がりを見せてきていたのが、この映画が製作・公開された83年から84年にかけてのこと。そのまま第四次ブームが到来するのかと期待したのですが、結局はこの作品の後にもう一本、『ウルトラマン物語』という劇場用作品が作られたのみで、今度のブームは長続きしませんでした。この作品は、言ってみれば谷間に咲いた一輪の花のような存在だったのかも知れません。
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by odin2099 | 2008-03-04 23:56 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(6)
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Commented by Brian at 2008-03-05 05:31 x
おはようございます。
へぇ~、ウルトラマンジャックの名前の由来、こういうのからだったんですね~。
確かに後からこじつけた感じがして、違和感がありましたね。
また新しい発見になりました、ありがとうございます。
Commented by odin2099 at 2008-03-05 22:50
>Brianさん

「ジャック」の名称は11の超能力に基づくものだったと聞いています。「タロウ」でなくて「ジャック」だったら、随分とイメージが違ったでしょうね。
一方の「タロウ」は、当時の円谷一社長の「カタカナばかりじゃなく、日本名にも目を向けろ」との一声で決まったのだとか。
「桃太郎」「金太郎」「浦島太郎」などの「○○太郎」のパターンを、ウルトラマンに当てはめたということです。
しかしこのボツになった「ジャック」という名前が、なんで今回「帰ってきたウルトラマン」に流用されたのは不明です。

ちなみにこれまで「ゾフィ」とされてきた長兄の名前が、この作品から「ゾフィー」に統一されるようになっています。
ただ「ウルトラマンゾフィー」という表現は殆ど見かけませんね。
『ウルトラマンタロウ』ゲスト出演時には「ウルトラゾフィ」と呼ばれたこともありましたが・・・。
Commented by タロス at 2017-03-28 15:43 x

帰ってきたウルトラマンて、未だにファンの間では帰マンやジャック等様々な名前で呼ばれてますが、何故放映当時にハッキリとした名称を付けなかったんですか?最初の構想では初代ウルトラマンが帰ってくるという設定だったそうですが、実際は初代ウルトラマンとは別人として制作されたのだから、放映開始前にしっかりとした名前を付けないとおかしいと思うんですけど…
自分は平成世代なのでジャックの方がしっくりきますが、帰マンや新マンはウルトラマン個人の名前として相応しいのかなぁ…? 他のウルトラマンにはセブンやエースとか格好いい名前があるのに…
自分がもしリアルタイムで試聴していたら、帰マンや新マンとかの名前じゃなくて、初代ウルトラマンとは別人ならハッキリとした名前を教えてくれよ! と疑問を制作者にぶつけていたと思います
でもジャックという名前は放映終了後かなりたってから決まったことから、当時の制作者や試聴者は帰マンや新マンという名前でも、特に疑問を感じなかったてことですよね?
こんな質問ですが、回答よろしくお願いします
Commented by odin2099 at 2017-03-28 20:30
> タロスさん

確かに最初は文字通りウルトラマンが「帰ってきた」という企画でしたけど、途中で変更になりましたね。
でもどうして別に名前をつかなかったのかは、当時のスタッフに尋ねるしか…(^^;
ただ新しいウルトラマンの名称について検討したという話も聞きませんので、ウルトラマンはウルトラマンということだったのかもしれません。
で、リアルタイム世代からすると「新マン」という呼称にそれほど違和感は覚えませんでした。
「そういうもの」として受け入れていたんですね。
むしろこの映画の時に、唐突に「ジャック」と名付けられた方が違和感大きかったかも。
Commented by タロス at 2017-03-28 20:39 x
どうしてベムスターやナックル星人とブラックキングの時に帰ってきたウルトラマン(後のウルトラマンジャック)の名前が付かなかったのですか?
Commented by odin2099 at 2017-03-28 22:15
> タロスさん

さあ?
ただあの頃は現役の方が「ウルトラマン」で、もう片方は「初代ウルトラマン」と呼ばれてましたからね。
最終回では「初代ウルトラマン」「ウルトラマン2世」と区別してましたけれど。

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