『ウルトラマンZOFFY/ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』(1984)
2008年 03月 04日
シリーズ第一作となる『ウルトラQ』を、明確にウルトラマン出現以前と位置付け、以後『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』、『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンA』、『ウルトラマンT』、『ウルトラマンレオ』、それに『ウルトラマン80』から人気怪獣との対決場面をピックアップして、それをウルトラ兄弟の長男ゾフィーが紹介するという内容になっています。
ゾフィーの声には、初登場となる『ウルトラマン』最終回と同様に浦野光、全体のナレーションを矢島正明が担当するという大変豪華な布陣で、これに更に当時独特の語り口調で人気だった、テレビ朝日局アナ時代の古館伊知郎が、プロレスの実況中継風のナレーションを何シーンかに加えています。オールドファンには『ウルトラファイト』のノリだと言えば、雰囲気を掴んでいただけるかと思います。
残念ながらアニメーション作品の『ザ・ウルトラマン』はオミットされているのですが、その主人公ウルトラマンジョーニアスを着ぐるみ姿で無理矢理(?)他のウルトラ戦士と共演させたことで話題になった映画『ウルトラマン/怪獣大決戦』から流用されたショットがありますので、チラっとだけ映っているのはご愛嬌。
『ウルトラマンレオ』や『ウルトラマン80』の扱いが小さすぎること、それにエピソードのセレクトは兎も角、場面そのもののセレクトには疑問点がないでもないですが、90分弱という上映時間の中で6兄弟を中心にした色々なウルトラ戦士の活躍が楽しめること、それに何と言ってもウルトラシリーズにとっての冬の時代、ファンの皆が新しいウルトラ作品に飢えている時期だっただけに、これはなかなか楽しめる作品になっています。ビデオが出た後では何度か借りてきて、繰り返し繰り返し観直しました。今日でも、「動く怪獣図鑑」としての価値はあるんじゃないかと思います。
また、従来は「ウルトラマンII世」、「帰りマン」、「帰マン」、「新ウルトラマン」、「新マン」などと呼ばれていた『帰ってきたウルトラマン』の主人公が、「ウルトラマンジャック」と命名されたのはこの作品からです。古くからのファンであればあるほど、この名前に拒絶反応を持つ方は多いようですね。
ちなみにこの「ウルトラマンジャック」という名前は、『ウルトラマンタロウ』の際の候補の一つだったものです。有力候補だったようですが「ハイジャック」を連想させるというような理由で、割とギリギリの段階で変更になったのだとか。
『ウルトラマンレオ』のTV放映が終了し、第二期と呼ばれたブームが終焉を迎えたのが1975年3月。
「歴史は繰り返す」との言葉通りに1977年から78年頃にかけて全国で再放送が繰り返され、書籍類が売れてブームが再燃。劇場映画『実相寺昭雄監督作品ウルトラマン』とTVシリーズ『ザ・ウルトラマン』でシリーズが再開したのは79年春のことでした。
この第三次ブームは1981年3月の『ウルトラマン80』放送終了と同時に幕を閉じるのですが、再びジワジワと盛り上がりを見せてきていたのが、この映画が製作・公開された83年から84年にかけてのこと。そのまま第四次ブームが到来するのかと期待したのですが、結局はこの作品の後にもう一本、『ウルトラマン物語』という劇場用作品が作られたのみで、今度のブームは長続きしませんでした。この作品は、言ってみれば谷間に咲いた一輪の花のような存在だったのかも知れません。
へぇ~、ウルトラマンジャックの名前の由来、こういうのからだったんですね~。
確かに後からこじつけた感じがして、違和感がありましたね。
また新しい発見になりました、ありがとうございます。
「ジャック」の名称は11の超能力に基づくものだったと聞いています。「タロウ」でなくて「ジャック」だったら、随分とイメージが違ったでしょうね。
一方の「タロウ」は、当時の円谷一社長の「カタカナばかりじゃなく、日本名にも目を向けろ」との一声で決まったのだとか。
「桃太郎」「金太郎」「浦島太郎」などの「○○太郎」のパターンを、ウルトラマンに当てはめたということです。
しかしこのボツになった「ジャック」という名前が、なんで今回「帰ってきたウルトラマン」に流用されたのは不明です。
ちなみにこれまで「ゾフィ」とされてきた長兄の名前が、この作品から「ゾフィー」に統一されるようになっています。
ただ「ウルトラマンゾフィー」という表現は殆ど見かけませんね。
『ウルトラマンタロウ』ゲスト出演時には「ウルトラゾフィ」と呼ばれたこともありましたが・・・。