この時期の円谷プロは実に精力的に活動している。
1996年春に映画『ウルトラマンゼアス』で<ウルトラマン誕生30周年>を祝った後、秋からはフランチャイズであるTVシリーズにも『ウルトラマンティガ』を送り込んで成功を収め、『ダイナ』、『ガイア』と1999年の秋まで3年間放送は続き、それと並行して劇場用としても『ゼアス2』、『ティガ&ダイナ』、『ティガ、ダイナ&ガイア』それに2000年春の『ティガ/ファイナルオデッセイ』まで5年連続で作品を供給。
その一方でビデオ作品として1998年に『ウルトラセブン』の新作(続編)が<誕生30周年記念作品>として3本、次いで翌年には<1999最終章>として6本作られ、更にはボツ企画だった『ウルトラマンネオス』までも2000年には全12話のシリーズ化に成功。
そしてそれに加えて2001年初めには『ティガ』、『ダイナ』、『ガイア』の新作ビデオ作品まで生み出したのだ。
それまでの低迷振りが嘘のようである。
『ティガ』は外伝、『ダイナ』はTVシリーズの流れの中に組み込まれる一挿話なのに対して、この『ガイア』は
最終回の後日談。
再び姿を現わした根源的破滅将来体に対して、<光>を取り戻した高山我夢と藤宮博也がガイアとアグルとなって立ち向かうという正統派の続編で、石室コマンダーや堤チーフ以下、敦子&ジョジーのオペレーター・コンビ、梶尾リーダー率いるチーム・ライトニング等々、XIGのレギュラー・メンバーも顔を揃えるというファンには嬉しい一本。
またTVシリーズでは一回のみの登場となったチーム・マーリンが、メインとなって活躍するのもファン・サービス。
ただ45分という尺では、満足度よりも物足りなさの方が強くなってしまうのは致し方ないところだろう。
吉井玲子は出ているものの、他のKGBクルーは出ていないし、XIGでもチーム・ファルコンやチーム・クロウ、チーム・ハーキュリーズ、チーム・シーガルらは出て来ない。
それにチーム・ライトニングにしたところで、直接我夢や藤宮と絡むシーンはなかったのは少し寂しい…といった具合。
1時間半くらいの長さで、劇場用で…と夢は膨らむのだが、従来ならば考えられなかったシリーズの後日談が実現しただけでも奇跡なのかも知れない。
それにしてもTV終了後から約一年で、女性キャストがこうまで変貌するとは…。
敦子もジョジーも玲子もまるで別人だ。
流石に主役の二人をはじめ、男性キャストはさほど違和感を覚えないのだけれども。