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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『隠し砦の三悪人』(1958)

時は戦国時代、百姓の又七と太平は立身出世を夢見て山名家と秋月家との合戦に参加するが、秋月家は戦に敗れ、二人は全てを失い途方にくれていた。故郷に帰ろうにも国境は固められ、突破は容易ではない。そんな時、山名家が秋月家の世継ぎの姫・雪姫の行方を捜し、報奨金を賭けていることを知る。更に山中で秋月家の軍資金を見つけるのだが、そこへ真壁六郎太と名乗る男が現れた。実は六郎太は秋月家の名立たる侍大将で、雪姫を守ってお家再興のための軍資金を運び出そうと隠し砦に立て篭もっていたのだ。
六郎太に問い詰められた二人は、とっさに直接秋月領へ出るのではなく、一端は友好的な隣国・早川領へ逃れた後にそこから秋月領へ出ることを提案。六郎太は自身と雪姫の素性を隠し、二人の欲深さに付け込んで敵陣を突破する決意を固めるのだった。

ご存知『スター・ウォーズ』の元ネタ
e0033570_17291827.jpg・・・という表現が多いのは監督の黒澤明にも、『スター・ウォーズ』の創造主ジョージ・ルーカスにも失礼に当たるだろうが、ルーカスがこの作品に影響を受けたと公言しているのは確かだし、千秋実が演じる太平と藤原釜足が扮した又七が、デコボココンビのドロイドC-3POとR2-D2に姿を変えたのは一目瞭然。仲違いして別行動を取るものの、結局は捕まってしまい再会するという冒頭のシークエンスは、そのまんま『スター・ウォーズ』第一作に流用されている。また新人だった上原美佐が実に魅力的に演じた雪姫の、男勝りで勝気でありながらどことなく気品に溢れたキャラクターも、『スター・ウォーズ』のヒロイン、レイア姫に受け継がれている。
かくいう自分も、『スター・ウォーズ』の元となったということで興味を持ってこの作品を観たものだし、WOWOWでは『スター・ウォーズ』旧三部作とこの作品をセットで放送したこともあったくらいだ。
ただそれだけを持って、「『スター・ウォーズ』は『隠し砦の三悪人』のリメイクだ」と断定する映画評論家にはちょっと閉口してしまう。中には『レイダース/失われた≪聖櫃≫』までリメイクだと評している人もいるが、そこまでクロサワ崇拝するかなー?

実は最初にビデオ(まだ国内盤が発売される前で、輸入盤だったと思う)を観た時は、「これのどこが良いんだろ?」と疑問に思うくらいつまらなく感じたのだけれども、その後に文芸座のスクリーンで観た際には「なんだ、結構面白いじゃないの」とコロっと宗旨替え。
今回はリメイク版が公開されるというのでまた観直してみたけど、「世紀の傑作!」だとは思わないけれど、やっぱり面白いですな。それに何と言っても雪姫が良い。素人同然で、台詞棒読みで終始叫びっぱなしの上原美佐に「萌え」。無防備なエロティシズムも感じさせる。
今回のリメイク版で雪姫を演じるのは長澤まさみだけれども、上原美佐越えは至難の業だろうが、さてどうだろう? 
まぁそれ以前に、樋口真嗣監督の手腕に疑問符が・・・。
平成「ガメラ」三部作を経て監督デビューした『ミニモニ。THEムービー/お菓子な大冒険!』と、次なる超大作『ローレライ』はまずまずの合格点だったけれど、前作『日本沈没』は裏切られた感が強いからなぁ。
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by odin2099 | 2008-05-13 21:50 |  映画感想<カ行> | Trackback(10) | Comments(4)
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Tracked from のほほん便り at 2008-05-18 07:35
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Tracked from 映画、言いたい放題! at 2008-05-18 11:54
タイトル : 隠し砦の三悪人
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Commented by Brian at 2008-05-14 05:30 x
今回の主役は百姓の又七なんですよね。
「隠し砦の三悪人」は、黒澤作品を含めて見てません。
今回のリメイクで見る機会が出来るかな?
Commented by odin2099 at 2008-05-14 23:48
>Brianさん

この作品の百姓コンビにあたるキャラクターが、リメイク版の主人公になってるようですね。
Web上で感想を幾つか拝見すると、意外に評判良さそうなのでちょっとビックリ(苦笑)。
樋口監督は続編の構想も口にしてましたけれど、それはどうなんでしょうねぇ・・・。
Commented by cinema-can at 2008-05-23 00:22
実は黒澤作品は、「七人の侍」と「乱」と「影武者」しか見て
いなかったのですが、最近のリメイクブームで、
「椿三十郎」とかこの作品とか見てみましたが、
50年くらい前の作品なのに、楽しめるという事は
やっぱり世界のクロサワはすごい!ということなんでしょうね〜。
でも、これを機会に全てを見てみようという気にはなれないのは、
私がサムライ映画が苦手だという事なのでしょうか???(笑)
Commented by odin2099 at 2008-05-23 21:47
>ルナさん

最初に観た黒澤映画が『影武者』で、「なんてつまらないんだろう?」と思ってしまってからずっと敬遠しておりました(苦笑)。
その後で友人から勧められて『椿三十郎』を観て、「あ、クロサワ映画って娯楽映画なんだ!」と認識を改めました。
ただ『用心棒』と『天国と地獄』は兎も角、『七人の侍』にしろ『隠し砦の三悪人』にしろ、最初に観た時はやっぱり楽しめなかったですね。二度目からかな、やっぱり凄いや、と思えるようになったのは。

もっとも『虎の尾を踏む男たち』のように何度観ても面白くない作品(爆)や、『夢』や『蜘蛛巣城』みたいに二度観たいと思わせるものがない作品もありますので、自分にとって好きな監督ということにはなりませんね。過大評価されている、と言うと批難されるだろうなぁ・・・。

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