【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『となりのトトロ』(1988)

e0033570_22154440.jpg宮崎駿というと必ず名前の挙がる作品ですし、スタジオジブリのシンボルマークにもなっているトトロ。
確かに可愛いですよねー、あのキャラクター。
ビデオやDVDはロングセラーを続けてるようですし、つい先週もTVでやってましたが、放送すれば必ず高視聴率!というぐらいのメジャーな作品です。
しかし公開当時は、作品評価こそ高かったものの、興行的にはサッパリだったことはもう忘れ去られてるんでしょうねぇ。

かくいう自分も、ジブリ製作の宮崎駿監督作品の内、これ「だけ」映画館に観に行ってません(あ、もしかすると『崖の上のポニョ』は観に行かないかも)。併映作だった『火垂るの墓』があまりにも暗そうなので敬遠したというのもあるのですが、お話を聞いてもキャラクターを見ても、是非とも劇場へ!という強い興味は覚えなかったのです。後になってビデオで観て、それから好きにはなりました(でも、未だに『火垂るの墓』は観られない・・・)。
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しかし敢えて苦言を呈しますけれど、この作品ってそんなに優れた作品?

以前に「しねま宝島」にも書いてますのでそこから引用しますけれど
お話は行き当たりばったり。
オムニバス、数珠繋ぎ、串だんご型、要するにただ繋いだだけ。起承転結がなってない。
舞台となっている農村風景に惹かれるのはわかる。
が、既に僕らの世代でさえ郷愁を誘われるというものではない、知らない世界だ。
僕が共感出来るのは、ジブリ作品なら『耳をすませば』のニュータウンの描写。
モデルとなった町に馴染みがあるということもあるけれど。
知らないから憧れる?理想郷に見える?――そういうことなんだろうか。
そんなことよりも、ただトトロというキャラクターが可愛いだけなんじゃないの? それなら納得。
でもこのお話って、トトロがいなくても成り立つんだよね。出番も少ないし。
いや、出番が少ないから可愛さが引き立つというのもあるかね。

逆に何ゆえ僕は『となりのトトロ』という作品を(キャラクターを、ではなく)評価出来ないのか。
さつきちゃんは良い子だけど、メイの我侭ぶりは許せない。
あの傍若無人さ身勝手さは、幼児といえども許せるものではない。だから好きになれないのか。
無理やり学校に押しかける。先生も他の生徒もいい迷惑だ(さつきちゃんにとっても)。
お母さんを心配して迷子になる。村中総出で迷惑かけっぱなし。
本来ならここでお父さん、お母さんがキッチリとメイに教えてあげるべきだ。しかしそれもない。
お母さんは不在だし、お父さんには威厳というか責任感が見て取れない。
だから見ていて最後までイライラさせられっぱなし。しかも作品はそのメイの立場を終始肯定したままで終ってしまう。
その昔「私は子供が嫌いだ」という伊武雅刀の歌?がヒットしたことがあったけど、結局そういうことなのかな、と思う。

e0033570_22163887.jpgなんかわかったようなわかんないような文章書いてますけど(汗)、一本の映画としては決して良く出来てるとは思えないんですよね。
エピソードは順番入れ替えても成立しますし。

クライマックスの、メイちゃんが行方不明になって大騒ぎになるエピソードだって、別に最後に持ってこなくたって良い訳です。クライマックスっぽく盛り上げてるから映画らしく見えますけど、序盤だって中盤だってOKなはず。
これは『魔女の宅急便』も同じで、トンボ少年の乗った飛行船が落下しそうになり、キキが必死にそれを助け出すという展開も、無理矢理クライマックスを作り出した感じがしてどうも引っ掛かりを感じてしまいます。

エピソードを羅列した映画がダメというのではなく、「残り時間も少なくなってきたから、とりあえず派手な花火でも上げとこか」的な、悪く言えば無責任なノリが気になって仕方ないのですが、締めくくりが派手ならば、そこに至る過程は気にならなくなるというのも事実なのでしょう。
まぁ好きな作品ではありますし、これから何度も観直す機会があると思いますが、その度に疑問を抱きながら観るのでしょうね。
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by odin2099 | 2008-07-25 22:18 |  映画感想<タ行> | Trackback(4) | Comments(2)
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Tracked from ひるめし。 at 2008-07-26 12:45
タイトル : となりのトトロ(TV)
製作年:1988年 製作国:日本 監 督:宮崎駿 声の出演者:日高のり子/坂本千夏/糸井重里/島本須美/北林谷栄 時 間:88分 No.1182 [感想] 何度みても癒されるハートウォーミングで素敵な映画だこと。 製作から20年がたってるのに、まったく古さを感じないのがスゴイ。 めいちゃん、キュート。 さつきの声は南ちゃんの日高のり子さんだったのか〜。 トトロ、ふわふわしててカワイイ。 ネコバス、乗ってみて〜。 ばあちゃんの「めいちゃ〜ん!!」は印象深い。 カンタくんがさつきに傘を差し...... more
Tracked from Mani_Mani at 2008-09-08 09:07
タイトル : 「となりのトトロ」宮崎駿
となりのトトロブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントこのアイテムの詳細を見る 監督・原作・脚本:宮崎駿 美術:男鹿和雄 音楽:久石譲 声の出演:日高のり子(サツキ)坂本千夏(メイ)糸井重里(とうさん)島本須美(かあさん)北林谷栄(ばあちゃん) う〜む 6月初め以降映画の記事を書いていない。。。 観るヒマがない。。 体力がない。。 夜更かしすると奥さんに怒られる。。。 というわけで、いま家には『E.T.』のDVDなんかもあって観たいわけですが、 観れません。。 といいながら、TVで放映し...... more
Tracked from 極私的映画論+α at 2011-10-22 18:41
タイトル : となりのトトロ (1988) 88分
 やっぱ面白いなぁ・・・... more
Tracked from いやいやえん at 2014-09-05 09:01
タイトル : となりのトトロ
【概略】 小学3年生のサツキと5歳になるメイは、入院中のお母さんを空気のきれいな家で迎えるために、お父さんと一緒に都会から田舎の一軒屋にと引っ越してきた。ある日、メイは庭で2匹の不思議な生き物と遭遇。それはトトロというオバケで、メイが後をつけると森の奥では、さらに大きなトトロが眠っていた。その頃、お母さんの回復が遅れ、退院が延びるという知らせが届く。どうしてもお母さんに会いたいメイは一人で山の向こうの病院を訪ねようとするが、途中で道に迷ってしまった。サツキは村の人たちとメイを探すが見つからないので、...... more
Commented by よろづ屋TOM at 2008-07-26 00:43 x
ヽ(´∀`*)ノ えらいっっっっっ!さすがエクスカリバーさん。
王様の耳はパンの耳…あ、いやいや。王様は裸だ〜〜!ですね。

トトロに対してこの辛口は目から鱗ですよ。いや、たしかにそうなんです。作画としての評価はワタシ的に満点ですが、お話としてはフツーの童話に過ぎません。
考えてみたら、宮さんの作品はカリ城もあっというまに打ち切られたほど人気なかったですよね。いや、大好きなんで、当時「なんでみんなこの作品の良さがわからんのだ」と友人と盛り上がった憶えも。

私はメイが行方不明になった折、水面に浮いていた子供の長靴を見てサツキが「メイんじゃない。」って言うのを聞いたあとの地元のじいさんの反応が忘れられません。
「おーい、違うってよぉ。」ここまではいいとして、「すまんがみんな、もうヒト踏ん張り頑張ってくれ」という町内会事務処理的台詞が実にシュールでよかった。会場では思わずみんな笑ってましたけどねぇ。
 これ、笑うとこか?と私は思いましたよ。
Commented by odin2099 at 2008-07-27 20:34
>TOMさん

『トトロ』に限らず、ジブリ作品は「神聖にして犯すべからず」的な匂いがしているので、それに対する反発もあるのかもしれません(苦笑)。
ちなみに興行的にジブリの「不敗神話」みたいなものが構築されたのは『魔女の宅急便』以降ですね。
あ、”神話”ということなら『紅の豚』からということになるのかな。
例外は、高畑監督の『となりの山田くん』・・・。

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