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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『カムイの剣』(1985)

『幻魔大戦』『少年ケニヤ』に続く角川アニメの第3弾で、監督のりんたろう以下、『幻魔』に関わったスタッフが再結集しています。
しかも初めての2本立て! 片岡義男原作の『ボビーに首ったけ』が併映作品でした。

角川書店としては丁度「NewType」が創刊された頃ですから、アニメーションというジャンルに力を入れていたことと思いますが、かなりガラ~ンとした映画館で観た記憶があります。
個人的にはアニメブームは1981年がピークで、もうとっくに終ってしまってる、なーんて考えていたくらいですが、呆れたことに製作サイドとしてはまだまだ甘い汁を吸おうと(吸えると)考えていたのでしょうか。
そういえばこの映画、配給は東映なんですが、何故か公開劇場は東宝系。こういうことが出来るのも角川映画の力なんでしょうね。

e0033570_2218679.jpg時代は幕末、下北半島から物語は始まります。
捨て子だった次郎はある小さな村で育ちますが、ある日育ての母と姉が何者かに殺され、その殺害犯と誤解され村を追われてしまいます。通りがかりの旅の僧・天海は次郎を助け、実際に手を下したのが忍びであることを教え、捕らえ、復讐の機会を与えるのですが、その忍びは何故か次郎の名を叫んで絶命します。
天海の下で修行を積んだ次郎は優れた忍びとなり、実の父も忍びであったこと、そして任務の途中で消息を絶ってしまったことを聞かされ、天海の命を受けて父の後を追い、蝦夷地へと旅立ちます。
しかし全ては天海の策略でした。蝦夷地で実の母親と再会した次郎もそのことを知るのですが、その時には既に天海の魔手が目の前にまで迫って来ていたのです・・・!

原作となっている矢野徹の小説は未読なので、どの程度忠実に映画化しているのかはわかりませんが、結構楽しく観ることが出来ました。『銀河鉄道999』や『幻魔大戦』と違ってそれほど知名度の高くない(?)原作だからなのか、監督も好き勝手やってる感があり、角川アニメ3作の中では一番面白かったんじゃないでしょうか。

舞台がカムチャッカ半島からベーリング海峡を歩いてアメリカ大陸に渡り、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンタ・カタリナ島、再び日本へ戻って大坂や奈良や伊賀・・・とめまぐるしくかわることや、西郷隆盛や小栗上野介のような歴史上の人物、はたまた「トム・ソーヤーの冒険」の作者マーク・トゥエインまで登場させたりと大風呂敷広げすぎな嫌いもありますし、
テイストも中盤までは時代劇ですが、後半は西部劇になり、クライマックスは明治維新、戊辰戦争ですからねぇ。
そして今回観直した際に改めて感じたのは、面白いことは面白いものの、好きなお話なのかと言われるとノー、なんですよね。自分の好みとはかなり隔たりがありました。

ちなみにこの作品のキャスト陣ですが、小山茉美、石田弦太郎(石田太郎)、永井一郎、羽佐間道夫、池田昌子、青野武、山本百合子、堀江美都子、曽我部和行(曽我部和恭)、家弓家正、塩沢兼人らベテランや(当時の)若手実力派を揃えているのですが、主役の次郎役は真田広之なんですよね。所謂タレント吹き替えに近い配役ということになります。
ところがこれが結構上手いのです。
”声優”としては素人でも、だてに場数は踏んでいないな、と感心しました。こういう隠れた実力派の抜擢なら、門外漢の”声優”起用にも賢しらに反対はしないのですが・・・。
で、同時上映の『ボビーに首ったけ』は、なかなか素敵な小品に仕上がってるなぁと思いきや、主演・野村宏伸の棒読み台詞で全て無に帰す結果となってしまっていますので、なかなか難しいものです(その後の野村宏伸の芝居は、なかなか弾けていて悪くないんですがね)。
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by odin2099 | 2008-09-16 22:24 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
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