【徒然なるままに・・・】

odin2099.exblog.jp

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『小説吉田学校』(1983)

政治家・吉田茂と、”吉田学校”と呼ばれたその門下生を描いた戸川猪佐武の『小説吉田学校』を、豪華キャストを揃えて映像化した群像劇で、監督は森谷司郎

吉田茂に森繁久彌、最大の政敵・三木武吉に若山富三郎が扮し、鳩山一郎役の芦田伸介、松野鶴平の小沢栄太郎、林譲治の土屋嘉男、佐藤栄作の竹脇無我、池田勇人の高橋悦史、田中角栄の西郷輝彦、河野一郎の梅宮辰夫、広川弘禅の藤岡琢也、緒方竹虎の池部良以下、神山繁、田崎潤、峰岸徹、橋爪功、小池朝雄、石田純一、村井国夫、伊豆肇、角野卓造、鈴木瑞穂、稲葉義男、仲谷昇・・・といった錚々たる顔触れが集まり、敗戦後の日本が対日講和条約を経て独立していく様を、多少駆け足気味なところはあるものの、丁寧に描いている。

e0033570_22421897.jpg実は近・現代史は苦手とするところなのだが、役者陣の熱演もあり、政治にかける男たちの虚々実々の駆け引き、時には子供じみた人間臭さまで織り交ぜながら展開される物語には大いに引き込まれた。
登場人物は全て実在の人物であり、しかも実名で登場するということで、どこまでが真実なのかはわからないが、そこが”小説”と冠された所以だろうか。

大筋には絡んでこないものの、福田赳夫、中曽根康弘、宮沢喜一、安倍晋太郎、渡辺美智雄、竹下登、海部俊樹といった、その後の日本の政治を動かしていく面々の若き姿も登場していて、その延長線上に小泉純一郎や森喜朗、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎、小沢一郎・・・といった”今”の政治家たちがいるのだと思うと、近・現代史の不思議さ、面白さも見えてくる。

ちなみに現首相の麻生太郎の父・麻生太賀吉は吉田学校の門下生で、母・和子は吉田茂の娘。この映画では夏目雅子が演じており、男性ばかりキャスティングされている男臭い作品にあって、一服の清涼剤のような役割も果たしていた。

上映時間は2時間10分を超える大作だが、中弛みすることなく、最後まで締まったドラマを見せてくれている。映像で見る”近・現代史の教科書”と呼んでも差し支えないかも知れない。
今回は二度目の鑑賞なのだが、前回の時よりもより楽しく観られたのは、少しは政治や政治家について自分の知識が増えこともあるのだろうか。
[PR]
by odin2099 | 2008-10-02 22:43 |  映画感想<サ行> | Trackback(1) | Comments(2)
トラックバックURL : http://odin2099.exblog.jp/tb/8700994
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from mama at 2008-10-03 08:56
タイトル : 小説吉田学校
1983年:日本 原作:戸川猪佐武 監督:森谷司郎 出演:森繁久彌 、芦田伸介、高橋悦史、角野卓造、若山富三郎、梅宮辰夫、小沢栄太郎、竹脇無我、池部良、西郷輝彦 戦後GHQ占領下の日本を独立させるべく、首相・吉田茂はライバル政党との確執などをくぐり抜けながら....... more
Commented by apache at 2008-11-05 11:25 x
昭和16年生まれで、吉田をはじめ、ここに出てくる政治家の残像はあります。
映画は政治ドラマとしては、まさに豪華、傑作だと思っています。
Commented by odin2099 at 2008-11-05 22:04
コメント、有難うございます。
記憶にある政治家というと佐藤栄作や田中角栄以降になってしまうので、自分にとってはやはり教科書みたいな作品ですね。
ただ教科書とは言っても無味乾燥したものではなく、極彩色に彩られた賢覧豪華な絵巻物、といった感がありますが。

by Excalibur
ブログトップ