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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ガリレオの苦悩』 東野圭吾

e0033570_8293995.jpg<探偵ガリレオ>シリーズの最新刊ですが、同時に2冊発売という、ファンにとっては嬉しいような困っちゃうような商品戦略になっておりますな。続けて新作が読めるのは嬉しくても、ハードカバー2冊分の出費を強いられるというのはなかなか辛いものがあります。
どうせなら半年、は長いですけど2~3ヶ月くらい間を空けてくれた方が楽しみも持続するというものです。が、それはそれで贅沢な悩みなんでしょうね。
同時刊行のもう一冊『聖女の救済』は長編作品ですが、こちらは短編集という具合に棲み分けというか色分けはなされています。

収録されているのは「落下る(おちる)」、「操縦る(あやつる)」、「密室る(とじる)」、「指標す(しめす)」、「攪乱す(みだす)」の五篇で、「指標す」だけは書き下ろしとなっているようです。
この内、「落下る」と「操縦る」の二編は、過日放送されたTVスペシャル『ガリレオΦ』として映像化されました。

あのドラマでは「操縦る」がメインのお話となっていて、友永の設定と湯川との関係を変えた以外は概ね小説通りに映像化されていますが(勿論、湯川の研究室のメンバーやビーチの女の子たちは出てきません)、「落下る」の方はシチュエーションだけを活かし、草薙の過去話という大胆な改変が施されていましたが。

今回の短編集の注目ポイントは、草薙の後輩として内海薫という女性刑事が新たに登場してくることでしょうか。
そう、TVドラマ版で柴咲コウが演じていたキャラクターです。
あれは事実上ドラマ・オリジナルのキャラだと言ってもいいんじゃないかと思いますが、こうして本編にも出てくると、ちょっとしたアクセントというか、作品の幅も広がって感じられるようで不思議です。その分草薙の出番が減ってしまっていますが、ドラマ版のように殆ど不在ということもなく、存在感は示しています。また薫のキャラも、ドラマ版よりはかなり優秀で頼れる雰囲気があります。

ドラマ版といえば今回の作品群を読んでいると、湯川にしろ草薙にしろ、従来のイメージとはやや違って感じられる部分がありました。
特にドラマの放送開始後に発表された作品では、ドラマの配役のイメージがフィードバックされているように思えたのは考えすぎでしょうか。
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by odin2099 | 2008-11-02 08:39 | | Trackback(19) | Comments(4)
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ガリレオの苦悩/東野 圭吾 ¥1,600 Amazon.co.jp 「悪魔の手」と名乗る者から、警察と湯川に挑戦状が届く。事故に見せかけて殺人を犯しているという彼に、天才科学者・湯川が立ち向かう ガリレオシリーズ、5つの短篇集。 私、ドラマの柴崎コウのイメージがあん... more
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繧ャ繝ェ繝ャ繧ェ縺ョ闍ヲ謔ゥ闡苓€・シ壽擲驥・蝨ュ蜷セ雋ゥ螢イ蜈・シ壽枚阯晄丼遘狗匱螢イ譌・・・008-10-23縺翫☆縺吶a蠎ヲ・壹け繝√さ繝溘r隕九k 縲舌≠繧峨☆縺倥€・縲梧が鬲斐・謇九€阪→蜷堺ケ励k閠・°繧峨€∬ュヲ蟇溘→貉ッ蟾昴↓謖第姶迥カ縺悟ア翫¥縲ゆコ区腐縺ォ隕九○縺九¢縺ヲ・..... more
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Commented by 由香 at 2008-12-16 23:42 x
こんばんは~♪
2冊同時刊行されたので、悩みに悩んで短編の方を発売日に買いました。長編は古本屋で・・・と思っていたのですが、先日発売早々に短編の方が古本屋さんに出ていて、物凄く悔しくなりました(笑)

で、、、なかなか面白かったですよね~
スッカリ頭の中でガリレオ=福山の構図が出来上がっているので、なんとなくイメージを浮かべながら楽しく(笑)読み進めました。
警察の捜査だけでなんとかなりそうな事件もありましたが(汗)、、、まぁ~いいか(笑)
長編の方は映画化第2弾か?って言われているようですね~早く読みたいです。
Commented by odin2099 at 2008-12-17 19:39
>由香さん

まだ長編版、読んでません。早く読みたいんだけど、他にも手を出してるのが沢山あって・・・。

で、この新作版、やっぱりドラマ版のキャスト・イメージにキャラクターが引き摺られてきてますよねー。
松岡圭祐作品のように露骨に変えてしまうのもどうかとは思いますが、ドラマ観てから本を読み出す人も多いでしょうから、商売上の戦略としてはそれもありなんでしょう。
ただ、ずっと読み続けてきた読者にはちょっと寂しい仕打ちかも知れません。なかには、頑なに「福山ガリレオは認めない!」という人もいるでしょうからねぇ。
Commented by ☆チュウ☆ at 2009-01-12 21:53 x
文章だけで、内海刑事の言葉を読んでいたら…
「女だからそうなんです」っていう考え方が、どうも好きじゃないんですけど…
映像を見ていて、柴咲コウちゃんがやってると思うと、
なんとなくシックリくるから不思議ですよねww
TBさせてくださいね♪(うまくできるかな(;^_^A )
Commented by odin2099 at 2009-01-12 22:08
>☆チュウ☆さん

届いてます♪ TB有難うございました。

この作品を読んだ時には以前と違って湯川=福山、草薙=北村、のイメージが浮かんだのですが、内海だけはドラマとは全く別のキャラだなぁと感じました。
「女だから」というのも、彼女の考えというより、周囲の彼女への見方への反発という感じ。
まぁ柴咲コウの場合”強い女”のイメージが強いので、そういう繋がりでは違和感が少ないのかも。

でも、決して嫌いな訳ではないのですが、彼女の力の入った演技は苦手です・・・(苦笑)。

by Excalibur
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