【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ザ・カゲスター』(1976)

e0033570_21584835.jpg東京を全滅させようと企むドクター・サタンと、それを阻止せんとするカゲスター、ベルスターの活躍を描いた<東映まんがまつり>用の拡大作品。
といっても上映時間は通常の1エピソードよりも短い。
この時期の<まんがまつり>は上映本数が多いせいか、一本一本は短めの傾向にある。
大掛かりな敵の作戦計画、復活した怪人軍団(?)の登場、という劇場版の王道を行く要素を揃えながら、そのせいか尻切れトンボ気味に終るのは勿体無い。

『ザ・カゲスター』といえば、従来の”変身”とは一線を画した意欲作。
元々はアニメーション用の企画だったそうだが、カゲスター、ベルスターはそれぞれ姿影夫と風村鈴子の変身ではなく、彼らの影が実体化したもの。つまり分身なのだ。
だからカゲスターが活躍している間、影夫本人はどっかにいるはずで、確か最初の頃は抜け殻状態の影夫の描写もあったはずだが、そのうちなくなってしまい、単なる”変身”と変わらなくなって独自色が薄れてしまったのは惜しい。この映画版でも完全な変身ヒーロー扱いだ。
そんなこんなでそれほど人気のあった作品とも思えないのだが(放送期間は9ヶ月弱)、それがどういう訳か<まんがまつり>上映作品としてリストアップされ、しかも新作映画が作られるに至ったかは謎だ。
もしかするとお父さん対策・・・?

この作品、主人公の影夫を演じているのは円谷プロの『ジャンボーグA』で主役を張った立花直樹だし、脇を固めるのは『仮面ライダー』のおやっさんこと小林昭二という具合にヒーロー物で実績のあるキャスティングがなされているが、ヒロインの鈴子を演じた早川絵美も東映の空手映画でアクション経験のある人。確か少林寺拳法の有段者だったはず。
ということで彼女はベルスターも演じているのだが、ミニスカートでアクションをこなした彼女、子どもたちだけでなくお父さん方にも人気だったとか。
この映画では変身後のミニスカ、パンチラ・アクションのみならず、変身前にはビキニ姿も披露。夏休み興行の作品とはいえ、これはやっぱり対象が純粋に子どもだけじゃなかったということではないだろうか。
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by odin2099 | 2009-03-19 21:58 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(4)
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Commented by よろづ屋TOM at 2009-03-20 01:12 x
カゲスターは水木一郎アニキの歌う主題歌しか記憶がないんですが、メインの『アリババ』のほうは実際に観た事もないのに、ウチにある1977年刊の『日本アニメーション映画史』という資料本であまりにこき下ろされていて覚えていた作品です。それによるとこれも71年夏制作初演のリバイバルだったようです。(同年8月に大川東映社長が亡くなってます)

この本の二人の著者によると、当時も仮面ライダーにスペクトルマンを含む4本との併映で「ランプの精がグロテスクすぎ内容も解りにくく、品のないキャラクターで、ただ動けばよいというものではない…(中略)併映もテレビの焼き直しなのに広告でもそちらの方にウエイトが置かれていて長編は添え物…」と酷評。

してみれば、この76年まんがまつりの時の新作はカゲスターだけで、むしろ舞台裏的にはこっちがメインだったのでは…と考えるとつじつまが合いませんかしら。
Commented by odin2099 at 2009-03-20 08:56
この頃の<東映まんがまつり>の基本プログラムは、名作物の中・長編が一本、TV作品の新作中・短編があって、それにTVの1エピソードをそのまま、もしくは短縮編集して数本、という構成になってます。
『アリババと40匹の盗賊』がリバイバルだったのはもうちょっと後になって知ったのですが、『家なき子』など他にもリバイバルされた作品があったのは、スケジュールなどの問題があったのかも知れません。

で、問題の『アリババ』ですが、TV放映も含めて3回ぐらい観てますけど、そんなにヒドイ作品だとは思ってませんねぇ(苦笑)。
今観直すと感想が変わるかも知れませんけど。

あと、この時の実質的なメイン作品は、なんといっても『グレンダイザー・ゲッターロボG・グレートマジンガー 決戦!大海獣』!
劇場版マジンガーシリーズの最終作で、オールスターキャストのお祭り作品でした。
また、『秘密戦隊ゴレンジャー』も劇場用の新作ですので、全体的には力の入ったラインナップだったのです。

となると、尚更『カゲスター』が浮いてるんですよねー。『キョーダイン』だってTVからのセレクトなのに。
Commented by よろづ屋TOM at 2009-03-20 14:17 x
あ、ホントですね。永井豪アニメの“夢の対決”がある。このテレビCM覚えてますよ。

なるほどー。私は『アリババ〜』をテレビでもまったく未見なのでむしろチャンスがあれば観てみたいと思っているんですけどね。
32年前に刊行されたこの本、コミックスが一冊320円の時に2400円もした上に表紙以外にカラーもなく、360ページ中200ページに渡って6ポイント位の小さな文字で大正6年から昭和52年までの全アニメのスタッフ・キャスト等の記録がえんえんと綴られた地味〜〜な資料本なんですが、見ているとこの頃は東映もいろいろ大変だった様子が感じられます。

巻末のプロフによれば著者の渡辺 泰・山口且訓の両氏はいずれもアニメを作る側の方ではなく、かたや昭和9年、かたや昭和15年生まれのマスコミ畑出身者でいわば“元祖”アニメフリークといった方々のようです。
年齢からしても戦前からのアニメを観てこられ、膨大な資料も便利な今と異なりご自身の足でコツコツと探して集められ、東映動画や日本のアニメーション映画の歩みを肌で実感されているだけにいろいろ思うところがあられたのでしょうね。
このお二方、今のアニメや特撮、そして東映をどうご覧になってるのかも興味あります。
Commented by odin2099 at 2009-03-20 18:45
その本、多分自分も持ってると思うのですが、その昔サラッと流し読みしてそのまんま仕舞い込んじゃってます(苦笑)。
著者は丁度自分の親の世代の方ですが、アニメに興味を持ってること自体が非常に珍しいことだったでしょう。

アニメブームが起こる前は、大げさにいうとアニメ=フルアニメ、リミテッドアニメはアニメに非ず、とか、健全な娯楽作品で上品な笑いがなければいけない、なんて風潮だったような気がします。
今のCGアニメなんかアニメとして認めてもらえないかも知れないですし、全体的に中身のない、下品な作品ばかりだ、とお嘆きになるかも知れませんね。

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