『百万ドルをとり返せ!』 ジェフリー・アーチャー
2009年 03月 20日
詐欺事件専門の警察官の話から、彼と同様の境遇に陥った男が他に三人いることを知ったスティーヴンは、彼ら――医師のロビン・オークリー、フランス人の画廊経営者ジャン=ピエール・ラマン、そしてイギリス人貴族の御曹司ジェイムズ・ブリグズリー――と協力して、失った総額100万ドルをハーヴェイから奪い返そうと決意する。皆はそれぞれの職業を生かし、ハーヴェイを罠にはめようとアノ手コノ手の奇策を練り始めるのだが・・・。
騙し騙されの”コン・ゲーム”というと、必ずといっていいほど名前が挙がる作品で、作家ジェフリー・アーチャーにとっても、デビュー作にして代表作ということになるんじゃないかと思います。
実際、何度読んでも面白いですね。
多分もう4~5回は繰り返し読んでるんじゃないかと思いますが、その都度楽しめます。
先ずはスティーヴンたちが知恵を絞って復讐の為の計画を立てていく過程が興味深いし、いざ実行という段になって予期せぬトラブルが発生し・・・というハラハラドキドキもあり、メンバーの中に”ジョーカー”的存在(といっていいものかどうか・・・)がいるのも面白いと思います。
また敵役であるハーヴェイも、根っからの極悪人というわけではなく、それなりの”愛すべき存在”だということもいいですね。
そして最後はハッピーエンド、且つちょっと皮肉めいたオチもつくというのも後味が良くて好きです。
実はジェフリー・アーチャー本人も株で失敗したという経験があるそうなので、スティーヴンたちの境遇は実体験に基づくものらしいのですが、相手から失った分のお金を取り戻すのではなく、小説を書いたらそれがベストセラーになった、というあたりの違いも面白いものです。
これ、映画にしたら楽しいだろうなぁ。
TVドラマ版はあるのですが、残念ながら観たことがありません。聞くところによると結構原作に忠実な作りだそうで、以前から気にはなっているのですが。