【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2017年 04月 01日 ( 1 )

e0033570_22444623.jpg裕福な家庭の子女が集う聖母マリア女子高等学院。その経営者の娘にして全校生徒の憧れの的だった白石いつみ(飯豊まりえ)が、不可解な死を遂げた。
やがて彼女が主催していた文学サークルのメンバーの誰かが、彼女を殺したのだという噂が飛び交うようになる。
いつみの親友でサークルを引き継いだ澄川小百合(清水富美加)は、各自が創作した小説を持ち寄って朗読する定例会のテーマを「いつみの死」と決めた。それにより真犯人が明らかになるだろう。
貧しい家庭の出身ながら憧れの学院へ入るために特待生となった二谷美礼(平祐奈)、お菓子作りが得意で将来は自分の店を持つことを夢みる小南あかね(小島梨里杏)、ブルガリアからの留学生ディアナ・デチェヴァ(玉城ティナ)、何気なく書いた小説が賞を取り作家としてデビューした高岡志夜(清野菜名)…彼女たちの書いた小説は、それぞれ犯人を名指ししていたが、相互に矛盾点を多く抱えていた。
そして最後に小百合が読み始めた小説。そこには予想も出来なかったことが記されていた…。

秋吉理香子の小説を耶雲哉治が監督して映画化。
出演は他に唐田りか、小林勝也、升毅、千葉雄大ら。
清水富美加の一連の騒動に関連して公開が危ぶまれていたが、当初の予定通りに公開。

ということで見てきました。
清水富美加、小島梨里杏、飯豊まりえ、それに千葉雄大といったニチアサ所縁のメンバーや清野菜名といった出演者には興味があったのですが、自分向きの映画じゃなさそうとはじめはスルーするつもりでした。
原作は読んでないですが、<イヤミス>の傑作と呼ばれてましたので、後味悪い映画なんて見たくないなあと思っていたのです。
ところが例の騒動で再三マスコミに取り上げられるようになってから、俄然興味が。
もしかするとふみカスの見納めになってしまうかもしれなかったですからね。

で、感想はというと、今年見た映画の中では暫定1位かな?というくらい面白かったですね。
お話は一人一人が自作の小説を読み上げるという形で進行していきますので、「いつみの死」に至る過程がそれぞれの視点で語られます。
自分といつみの関係、自分にとって如何にいつみが特別な存在だったか、そして自分だけが知るアノ秘密、いつみを死に追いやった者の正体…
そしてそれは次の発言者の”証言”によって次々と覆されていきます。同じシーンが別の語り手によって違う意味を与えられるのです。誰が正しく、誰が嘘をついているのか、ではなく、全員が二面性を持ち合わせており、それはいつみも例外ではありません。

やがて明らかにされる真相、更にそこからのドンデン返し…
あなたの予測をすべてブチ壊す驚愕のラスト24分!
というような宣伝文句は好きじゃないのですが、ある程度予想は出来るものの、ラストの持って行き方は<イヤミス>の冠はダテではないな、と思わされるものでした。

e0033570_22443649.jpgまた出てくるのが皆、個性的な美少女ばかりというのも作品にリアリティを与えてくれています。いや、リアリティというのとはちょっと違いますか。お話そのものはリアリティの欠片もありません。
が、絵空事ではありますが、絵空事なりの説得力をもたらしてくれている、と言えば良いでしょうか。
女の子の撮り方もとても綺麗ですし、これだけのレベルの女優を揃えられなければ、ただ陳腐なだけの作品に成り下がっていたでしょう。

そんな中でもW主演の片割れ、ふみカスの演技はやはり光ってましたね。
彼女以外は明確な二面性を持ったキャラクターとしての描写がありましたが、この役にはスイッチが切り替わる瞬間というのがありません。それだけにクライマックスシーンがより際立って見えるのです。
女優として大きな可能性を感じさせてくれる一人だっただけに、今回の騒動は本当に残念でなりません。
そして「驚愕のラスト」を知った上で、頭からまた見直してみたいと素直に感じさせてくれました。きっと何気ないシーンでも、更に違った意味を持って見えてくる筈です。

ちなみに役柄と実年齢の差というのが実は結構あり、高校3年生の役の飯豊まりえは撮影時に18歳だったと思いますが、清水富美加は多分21歳ぐらい。
2年生役の二人がもっとも乖離していて、小島梨里杏が22か23歳で、清野菜名は21~2歳。
留学生の玉城ティナは18か19、そして1年生の平祐奈は17~8歳くらいのはずですが、劇中では皆さん同世代で、かつ上下関係があるように見えたのは流石です。
ただ先生役の千葉雄大クンは27歳で、実年齢と役柄の年齢にそれほど差はないと思われますが、生徒として出ても違和感ないくらい、相変わらずピュアでした。

【ひとこと】
エンドロールに流れる主題歌、あれは不要、というより作品の雰囲気、余韻をぶち壊してるように感じました。

【ひとりごと】
もうちょっと百合っぽいシーンがあればねぇ。
いや、十分にエロティシズムに溢れてはいるのですが…。


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by odin2099 | 2017-04-01 22:47 |  映画感想<ア行> | Trackback(7) | Comments(2)

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