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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

カテゴリ: 映画感想<ワ行>( 14 )

♪夏がく~れば おもいだす~
…って毎年ノスタルジーに浸ってるのも如何なものかと思うけど、去年見直さなかった作品だからいいかな。
久しぶりに【今日は何の日】をやってみますと――

e0033570_22362566.jpg1982年7月28日は「わが青春のアルカディア」の公開日。
いくら夏休み中とはいえ水曜日公開というのは珍しいと思うけど、31日土曜日とアナウンスされていた公開日が繰り上がったのは、結構ギリギリだったと記憶。
前番組、不入りだったのかな?
しかしもしテコ入れを図ったのだとしたら、残念ながら期待に沿う結果にはならなかったようで。

さて、前回の記事を書いた時(こちら)、「観る度に印象が違う」と書いたけれど、結局のところバランスが悪いんですね。

ハーロックとトチローの先祖を繋ぐ一冊の本、しかし当人たちも知らないその謂れをなんでトカーガのゾルが知ってるの?
どうしてハーロックとトチローに目をつけ、個人データを収集できたの?
エメラルダスの初登場の台詞、トチローに対しての自己紹介でもあるんだけど、如何にもな説明台詞で不自然すぎるし、宇宙自由貿易人って何?最初から海賊じゃダメなの?

エメラルダスがトチローと出会い、ハーロックとマーヤが再会し、傷ついたハーロックとエメラルダスの再会、ゾルとの友情、アルカディア号発進…という流れはエモーショナルだしワクワク感もあって悪くないんだけど、その後で囚われたエメラルダスとマーヤの処刑、そしてゾルの死…というあたりでドラマ部分が完全に停滞しちゃってる。
そして「宇宙のスタンレーの魔女」の無理矢理感。
炎の海に飛び降りた…って、その前に真空の宇宙空間に飛び出してるんですけどぉ。

某大物ゲストを除けば人気声優の熱演も嬉しいし、使い方が良くないもののメロディだけはノレるBGM群だとか、ところどころ良いシーン、良いパーツ、良い要素…があるのに、全体として観ちゃうと「ナニコレ?」になってしまうのがこの作品の欠点。
あれも入れたいこれも入れたいと盛り込み過ぎ、シナリオの段階で破綻しちゃってるんだけど、誰も上手くコントロール出来なかったのかな。

「銀河鉄道999」「さよなら銀河鉄道999」それに「1000年女王」でさえ、シナリオ段階では上手く構築できているのに(「1000年女王」に関しては、シナリオの段階ではまとまっていたのだろうけど、その後ブツブツ切り過ぎてわかりづらくなってるのが残念だけど)、それがこの作品では出来なかったのは監督のせいなのか、それとも企画・原作・構成の看板を背負ってる御大のせいなのか…。

それでも思い入れは十分すぎるほどあるし、正面切って非難されたら徹底的に弁護したくなる、そんな愛すべき作品群の一本であることに変わりはなし。
☆まい・ふぇいばりっと・む~び~ず☆の一本にセレクトしてるのもダテじゃありません。
特にあのCGアニメ版「ハーロック」の映画なんか見せられた日にゃ、この路線を貫いた新作なんぞを見たくなるんですよ。もう望みは薄いだろうけど。

【ひとこと】
予告編、これは傑作だよな。

BGMはドヴォルザークの「新世界」、第一、第二、第四楽章。

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by odin2099 | 2016-07-28 06:34 |  映画感想<ワ行> | Trackback | Comments(2)
――に改題されるかと思いましたが、今でも「ロッキー・ザ・ファイナル」のままのシリーズ完結編。
といっても「3」と「5」に続く三度目の完結編であるし、今度は「クリード」という”新章”まで誕生したので、これからどういう扱いになるのかはよくわかりませんが…。

e0033570_13170521.jpg今更ロッキーがリングに上がる?!という時点で「駄作確定」のレッテルを貼られてしまいそうなものだけれども、実はこの映画は結構好きです。
エイドリアンを喪い、息子ロバートとは疎遠、親友にして義兄のポーリーとは相変わらずつかず離れずの距離感を保ち、経営するレストランは繁盛しているようですが、街は変わってゆき寂寞館に囚われているロッキーの姿は、等身大のスタローン自身を投影しているようでリアルです。
また観ているこちらも段々とロッキーの年齢に近づいてきていることもあって、思い入れの度合いも強まってきているようです。

そんな中でロッキーの前に姿を見せた一人の女性、マリー。
彼女は第1作「ロッキー」にチラっとだけ登場した不良少女の成長した姿。
こういうキャラクターの使い方、スタローンは上手いですね。
同じく1作目の冒頭でちょこっと出てくるスパイダー・リコが同じ役者さんで再登場してきたり、元アポロのトレーナーだったデュークも何気にポーリーと共にシリーズ皆勤賞だったり。

その一方でエイドリアン役のタリア・シャイアからの出演申し出はきっぱりと断り、フラッシュバックなどで過去作品のフッテージを使い、出演者としてクレジットはしているものの新撮シーンは設けなかったため険悪な関係になったとも報じられたりしましたが、作品を観終った後だとスタローンの判断もわかります。
安易にエイドリアンを扱わない、徹底して描写しないことでかえってその存在感を浮き彫りにしようという魂胆だったのだな、と想像がつきます。

プロ復帰を果たしたロッキーの元へ、現役チャンピオンのディクソンからのエキシビジョンマッチの申し出があり、心が揺れます。ロッキーが考えていたのはそのような華々しい舞台ではなく、エイドリアンを喪った後の心の隙間を埋めてくれるようなちょっとした高揚感だったと思うのですが、そんなロッキーを後押ししたのはリトル・マリー。
これがエイドリアンだったらどうだったでしょうね。素直にロッキーを送り出したかどうか。
それを考えると今回のマリーの比重の高さは、実は(少なくてもシリーズ後半の)エイドリアンよりも大きいと言えるかも知れません。

e0033570_23425227.jpg今回マリーを演じているのはジェラルディン・ヒューズという女優さん。ちょっとくたびれた感じがセクシーな、なかなかの美人さんです。
実は前作「5」の時にもマリーの再登場は予定されていて、しかも当時と同じジョディ・レティジアが配役されて撮影まで済んでいたもののカットされたのだとか。
スタローンの中でこのキャラクターは大きな存在だったのですね。

ディクソンが怪我をするというハンデを与えながら最終ラウンドまで戦い抜いたロッキー。判定では敗れはしたものの、これは妥当な結末でしょう。下手に勝ってしまっていれば…と思っていたら、実はロッキー勝利のヴァージョンも撮影されていてDVDやBlu-rayの特典映像で観ることが出来ます。
流石にご都合主義すぎますし、完結編として相応しいのは実際に採用された公開版だとは思いますが、判定のシーンを除くとロッキーが会場から去るシーンなどは殆ど同じ。つまり試合結果に関わらず、真の勝者はロッキーということは変わらないということでしょう。

エンドロール、フラデルフィア美術館の階段ではしゃぐファンたちの映像で構成されていて実に楽しそう。
そしてその後、一人佇むロッキーの後ろ姿、いいラストシーンです。


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by odin2099 | 2015-12-26 13:18 |  映画感想<ワ行> | Trackback | Comments(0)
劇場用『ダンガードA』の第二弾だが、映画ならではのスケール感はなく、TV版まんまの印象。
それもそのはずで、どうやらTV版の再編集エピソードらしい。
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ちょっと記憶にないけれど。既に番組終了直前の公開だから、そこまでの余力はなかったのだろう。
前作『対昆虫ロボット軍団』と比べてみると、これが同一番組の映画化か、というくらいトーンもテイストも違うので、それはそれで面白い。
前作に登場しなかったドップラー総統やヘス副総統、途中参加の人気キャラ、トニー・ハーケンなどレギュラーは一通り勢揃いで、富田耕生、大竹弘、井上和彦らの声があちらこちらから聞こえてくる

しかし『ダンガードA』劇場版の企画としては、同じ「原作:松本零士」の冠を抱く『宇宙海賊キャプテンハーロック』や『SF西遊記スタージンガー』との共演作もあったようで、<まんがまつり>ならではの企画としては観てみたかった。
ちょっと怖いけど…。

過去記事はこちら


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by odin2099 | 2015-03-10 22:32 |  映画感想<ワ行> | Trackback | Comments(0)

地球を狙う宇宙からの侵略者と戦うダンガードA! 
というTVシリーズ『惑星ロボ ダンガードA』とは大きくかけ離れた番外編。

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第十番惑星プロメテの覇権をかけての地球人同士の争いがベースなだけに、こういう物語作りは難しかったんじゃなかろうか。
<マジンガー>シリーズの後釜作品だけに同じような娯楽編を期待されたのだろうが、スタッフやキャストが共通した同じロボットアニメとはいえ、似て非なるテイストもまるで異なる作品に対し、同じような要求をするのも酷な話だ。


ただ『ゲッターロボ』『宇宙円盤大戦争』『UFOロボ グレンダイザー』『大空魔竜ガイキング』からの大量の流用曲を含めた菊池俊輔メロディをバックに、「パルサーカノン!」「アイブレスターライホー!」「コズモアロー!」といった神谷明の数々の絶叫台詞が堪能できるのはロボットアニメの醍醐味。
こういう『ダンガードA』も作りようとしてはアリだったのかも知れない。

過去記事はこちら


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by odin2099 | 2015-02-07 13:30 |  映画感想<ワ行> | Trackback | Comments(0)
2010年の4月に、老朽化による建替えの為、惜しまれつつも休場することになった歌舞伎座。その「さよなら公演」に密着したドキュメンタリー映画がこれです。
公開されたのは丁度2年ぐらい前ですが、上映劇場は少ないし、かなりお客さんは入っているらしいし、お値段は少々高めだし・・・ということで見送ってしまっていたのですが、やっとDVDで見ることが出来ました。

e0033570_21544288.jpg「歌舞伎座さよなら公演」は16カ月に亘って上演されましたが、その中から代表的な演目の名場面に歌舞伎俳優たちのインタビューを交えた構成がメインではありますが、それ以外にも普段はまず目にすることのできない楽屋での様子、稽古風景、大道具、小道具、衣装、かつら、床山、美術や音楽のスタッフなど裏方さんの仕事ぶりも見せてくれ、表と裏から歌舞伎を立体的に取り上げています。

見る前は、歌舞伎座という建物、そしてそこに働く人々にスポットを当てた映画だと思っていたのでこの構成には少々驚きました。
また劇場公開の際には途中で休憩が廃入ったそうですが、上映時間167分という長さの中で、ダイジェストとはいえ演目の映像を見せられるとどうしても眠気に襲われてしまったりもしたのですが、結果的には見て良かったなあと思えるものになっていました。

インタビューに登場するのは順に、七代目中村芝翫、二代目中村吉右衛門、十二代目市川團十郎、五代目坂東玉三郎、五代目中村富十郎、十八代目中村勘三郎、九代目松本幸四郎、四代目中村梅玉、十五代目片岡仁左衛門、四代目坂田藤十郎、七代目尾上菊五郎の11人。三代目市川猿之助(→二代目市川猿翁)と四代目中村雀右衛門は映像のみでしたが、何れも門外漢でも名前を知っている当代随一の名優揃いでしょう。他にも歌舞伎座を彩った往年の名優たちが一気に紹介されるコーナーが設けられています。
出来れば過去を振り返るだけでなく、新たな歌舞伎の歴史を生みだすという意味でも何人かの若手役者のインタビューがあっても良かったかな、とは思いましたが。

しかし2011年1月に中村富十郎が、10月に中村芝翫が、そして昨年2月に中村雀右衛門、12月に中村勘三郎が相次いで亡くなり、今また市川團十郎が天に召されるなど、既に5人が鬼籍に入られてしまったのが何とも残念です。本年4月にようやく開業となる新・歌舞伎座の舞台にも是非立って貰いたかったですね。
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by odin2099 | 2013-02-05 21:55 |  映画感想<ワ行> | Trackback(2) | Comments(2)
こういうキャラクターはあまり好きではないが、まあ面白いのではないか。
e0033570_18273052.jpgテンポなんかは確かに古いが、ディズニーが何度もリバイバルしていることを考えれば、東映動画作品ももっとやればいいのだ。今の時代でもきちんと評価されるはずだ。

それはさておき、この頃の東映動画作品は確か皆フルアニメーション。その割には細かい処がちょっと、という気がしないでもないが、全体的にはよく動いている。

そして音楽。
正直この映画は伊福部先生が音楽を担当しているから、という理由で見たのだが、凄い。
雰囲気的に似た曲、というのもあるのだけれど、そのものズバリ、という感じで「地球防衛軍マーチ」や「自衛隊マーチ」が流れてのけぞったりする。

八岐大蛇が暴れまわるシーンなんかは伊福部メロディがピタリくるし、日本神話という題材にもはまっていると思うのだが、いかんせん画面が負けている。
というかディズニー以来の軽さ、といったものに雄厳な伊福部メロディは浮いてしまうのだ。なんでこんな大げさなメロディがとか、逆になんでこの映画は実写ではなくアニメなんだ等と思ってしまった。
伊福部昭はアニメーション向きの作曲家ではないようだ。他に担当している作品もないようだし。

えーと、これは四半世紀近く前にこの映画を見た時の感想。
他人に読ませることを前提にした文章ではないのでアレだが、今回久々に見直しての感想も概ね同じ。
このキャラクターデザインは好きになれないし、伊福部メロディは素晴らしいものの、画面に合っているとはちょっと・・・。

ちなみにタイトルの「大蛇」は、「だいじゃ」ではなく「おろち」と読む。
東映動画の長編作品としては6作目になるようで、脚本は池田一朗(後の隆慶一郎)と飯島敬、演出(監督)は芹川有吾でこれが監督デビュー作。
森康二が初の原画監督(作画監督)を務め、演出助手に高畑勲、矢吹公郎の名前が見える。
スサノオの声を演じた住田知仁は、子役時代の風間杜夫のこと。

e0033570_18274598.jpg海外ではギリシャ神話や聖書に材を採った映画は沢山あるけれども、我が国で神話・伝説をストレートに映像化したものってあまりないはずなので、その点でもこの作品は貴重。
東宝の特撮映画で『日本誕生』(これも音楽が伊福部先生)と『ヤマトタケル』ぐらいかなあ、思いつくの。

暴れん坊だけど愛嬌があって憎めない、そんなスサノオを「わんぱく王子」と割り切ったアレンジの仕方にも感心。自分にはない感性だし。
もちろん子どもむけアニメ映画を作るという前提があってのことだろうけれど、両親であるイザナギ・イザナミ、姉アマテラス、兄ツクヨミとの関係も工夫されて、それに夜のオス国、火の国、高天原、出雲の国を経て、天岩戸や八岐ヤマタノオロチのエピソードなども盛り込むなど、構成もまずまず。
但しこの映画を鵜呑みにして(?)「古事記」や「日本書紀」に当たろうとすると結構戸惑うかもしれないし、イザナミの”死”というものを曖昧にした強引なハッピーエンドは、いくら子どもむけとはいえ甘すぎやしないかという気もするのだが。

ところでヤマタノオロチの「オロチ」という言葉に、本来は「大蛇」の意味はないらしい。
河川の氾濫を現しているのだとか、地方の敵対勢力の暗喩だとか、はたまた「チ」はやはり「蛇」の意味があるのだとか、学者や専門家の間でも諸説あるらしいのだけれども、この作品で描かれているような巨大怪獣の方が夢があって良いなあ。
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by odin2099 | 2012-01-15 18:29 |  映画感想<ワ行> | Trackback | Comments(2)
佐々木譲の<道警シリーズ>1作目を、製作と脚本を兼務した角川春樹が12年ぶりにメガホンを取って映画化した作品です。

裏金疑惑で揺れる北海道警。その最中に婦人警官の変死体が発見され、その元交際相手だった津久井巡査部長が被疑者と断定される。更に津久井は覚醒剤の常習者で、拳銃を所持していることからSATに出動命令が下された。
所轄から本部へと早々に事件が引き継がれたことや、実は津久井には警察内部の腐敗を正すための委員会へ、証人としての出頭命令が出ていることから、異例の射殺命令は口封じの可能性があることを感じ取った佐伯警部補は、盟友でもある津久井の無実を信じて行動を開始する。
それは道警への反逆でもあった・・・。

e0033570_830563.jpg原作は未読で観ましたが、二転三転どころではないどんでん返しは、面白いを通り越して疲れました。
同じ警察と言いながら、ここには所轄の大通署の面々と、北海道警察本部の面々とが出てきます。この関係が、知識がないと判りづらいですね。登場人物たちの上下関係や横の繋がりも然り。
それに加えて誰が敵やら味方やら、登場人物皆に裏があって一人として信じられない、という演出が余計判り難さを助長しています。

また、このかなり色々な要素を詰め込んだであろうタイトなシナリオを、ジャズを流してムーディーに演出しようとしているのですが、テンポもあまり良くありませんし、舌足らずになってしまっている部分もあって、成功しているとは言い難いですね。タイムサスペンスも盛り込まれていますが、緊迫感もスピード感もありません。
原作とはかなり違えてあるとのことなので、さて小説ではどう表現されているのでしょう。

出演者では、大森南朋は周囲から慕われる魅力が感じられないし、蛍雪次朗や矢島健一はややタイプ・キャストの嫌いがあるし、鹿賀丈史の怪しさはあからさますぎるし、宮迫博之も残念がらあまりキャラに深みが感じられませんでした。
意外な儲け役になっている大友康平や、枯れた魅力、と言っては失礼ながらも存在感のあった松雪泰子あたりは良かったなあと思いましたが、全体的にボソボソと喋る台詞が聞き取り辛く難儀しました。そういうDVDの音声仕様だったのでしょうか。劇場ではきちんと聴こえたのかが気になります。
それでもDVDには日本語字幕表示の機能が付いていましたので、途中からは画面上の文字を追いながら観ていましたが。

ところでこの映画が失敗したら映画界から引退するようなことを公開前に発言していた角川春樹プロデューサー&監督ですが、残念ながらヒットとは言い難かったようですね。
これが最後の”角川春樹の映画”になってしまうんでしょうか。
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by odin2099 | 2010-05-30 08:31 |  映画感想<ワ行> | Trackback(16) | Comments(2)
世界各地で電波障害が起こり、UFOの目撃が多発していた。そして宇宙ステーションが何者かの攻撃を受け破壊されてしまう。地球侵略の危機を前に、一度は凍結された宇宙防衛艦轟天建造計画が再開された。
だがそれを知った侵略者たちは地球攻撃を本格化するのだが、無事に完成した轟天は敵の基地がある金星を目指し、一路宇宙の旅へ――!

e0033570_2395565.jpg昭和53年のお正月映画として公開された、東宝特撮映画の一篇(<百恵・友和映画>『霧の旗』の添え物だったが、こっちだけ観て映画館を後にしている)。
『海底軍艦』轟天号を宇宙へ飛ばせたい!
――というのが企画の発端だったそうだけど、そのあたりはちょいと眉唾な感じが。

先ず前年の昭和52年は、『宇宙戦艦ヤマト』がヒットした年。アニメブーム、特にSFアニメ・ブームが巻き起こった年である。
そして海の向こうでは『スター・ウォーズ』が大ヒット。一気にSFブームが到来した年でもあった。

その『スター・ウォーズ』は、日本では一年遅れの53年夏の公開が決まっていたから、その前に一山当ててやろうという魂胆が見え見え。現に東映は、この後のゴールデン・ウイークに『宇宙からのメッセージ』をぶつけている。
しかし準備期間は殆ど取れず、実際に製作がスタートしたのは公開の2ヶ月前だったというから、一からオリジナルを立ち上げている余裕なんかなく、仕方なく轟天号という有りモノを持って来たんじゃなかろうか、という推測が成り立つ。ま、あくまでも”推測”ではあるが。

『惑星大戦争』というタイトルは、そもそもは没になった『スター・ウォーズ』の邦題候補を流用したものだし、お話も何となく『宇宙戦艦ヤマト』っぽい。特に石津嵐の小説版の方に。
乱暴に言っちゃえば、『宇宙戦艦ヤマト』+『スター・ウォーズ』÷・・・・・・いくつぐらいかなぁ・・・?
とにかくオリジナリティはあんまりないし、都市破壊シーンなどは既存作品からの流用だし、時間もお金もないのが明らかで、子ども心にも観終わって「あ~あ」って思ったもんである。
そういえば実写版の『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は、この作品より面白くなっているのかなあ?

でも、何度か観ていると段々と気に入ってくる。
津島利章のテーマ曲もなかなか高揚感があるし、森田健作、浅野ゆう子、沖雅也、池部良というキャスティングも悪くない。ヒーロー然とした森田、そのライバルにして親友の沖、そして艦長の池部は適材適所。
ヒロインが巷間言われるほど魅力的だとは思えないが、嫌みのない正統派のヒロイン像だし(博士=艦長の娘、というのも定番の役どころ)、これに宮内洋や新克利、更には中山昭二、大滝秀治、平田明彦らが脇を固め、悪役は睦五郎というのもなかなかツボを押えた豪華な感じで、結構マニア向け。

宮内洋は準主役クラスで、アクション・シーンなどで活躍。森田・沖との3ショットなど、かなり濃い存在感を示している。
ただこの人が出てくると――アクション担当がJAC(ジャパン・アクション・クラブ、現・JAE=ジャパン・アクション・エンタープライズ)なせいもあるのか――、東宝映画というより東映映画っぽく見えちゃうのが玉に瑕?

ちなみにこの作品の時代設定は、西暦1988年秋。
公開から概ね10年後の未来世界を狙ったのだろうけれど、今となってはどうしても古さを感じてしまう。
そういえば以前、たまたまビデオを借りてきてこの作品を観たのが丁度1988年の10月で、「あれ?これって今の話じゃん」と、その偶然にビックリしたことがあったっけ。
その時まで、この映画がどんなお話だったか、あんまり覚えてなかったもので・・・。
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by odin2099 | 2010-05-27 23:10 |  映画感想<ワ行> | Trackback(4) | Comments(2)
e0033570_23381482.jpg『銀河鉄道999』『さよなら銀河鉄道999/アンドロメダ終着駅』『1000年女王』に続く、松本零士の<宇宙の海の物語>を構成する4部作の完結編。
といっても時系列的には『1000年女王』と正続2本の『999』の間に位置し、<戦場まんがシリーズ>から『スタンレーの魔女』や同じ題名である『わが青春のアルカディア』のエピソードを、明確に「遠き祖先の物語」として取り込んで構成された若きキャプテンハーロックの物語。
何故片目になったのか、ドクロの旗やコスチュームにはどんな謂れがあるのか、海賊になった理由は何か、親友トチローやエメラルダスとの出会いはどうだったのか等々の興味を盛り込みながらハーロック物の集大成を意図して企画されている。『1000年女王』や『999』のように、先行する原作作品を持たない劇場用オリジナル新作というのも注目ポイント。
ただ、仮に時系列順に4作品を並べて観たとしても、2本の『999』以外は特に繋がりは無い(特に『1000年女王』)。

さて、この作品に関しては観るたびに印象が違う。
最初は公開初日にガラガラの映画館で観て、過剰な期待と裏腹の内容に若干ガッカリしたもののそれでもまぁ満足したのだが、その後はビデオ等で見直す毎に「なんてつまらないんだろう」「いや、意外に面白いじゃん」を繰り返しているような感じ。
今回は本当に久々に観て所々で涙腺が緩んだのにはビックリ。涙もろくなったのか、寛容な気持ちになったのか、それともそれとも単に懐かしかっただけなのか。そのあたりは自分でもわかりませぬ。

不満を覚えたのは、専ら他の作品との整合性の無さと、期待を煽るだけ煽っておいて裏切った原作者のコメントに原因がある。
例えばトカーガのゾルというのは時系列的にはもっと後年にあたる『宇宙海賊キャプテンハーロック』という作品から持ってきたキャラクターだし、<戦場まんが>版『わが青春のアルカディア』でファントム・F・ハーロックII世と友情で結ばれるのは台場元という人物であって、トチローのご先祖である大山敏郎ではない。
まぁこのあたりはまだ許せるものの(脇役だし)、これが主役であるハーロックとトチロー、エメラルダスの出会いの仕方、順番が原作版『クイーン・エメラルダス』などとは全く別物となるとこれはちと問題。各人の出自にも関わってくるし、これでは熱心な松本ファンほど混乱してしまう。日頃「他の作品とは密接に関係し合っている」と発言してる人の作品だけに痛いですな。

そして期待を持たせたコメントとは、この作品に「メーテルが登場する!」というもの。
比較的早い段階でこのコメントが出た時には「単なるお遊びだろう」程度に考えていたのに、わざわざ公開直前になってまで「必ず登場させます」と明言してるのだから始末が悪い。予定では、ラストにハーロックたちがアルカディア号に乗って旅立つ際に「一緒に行きたい者がいれば乗せていく」と地球人たちに呼びかけ、それに応えて何人かが乗り組みを志願するというシーンがあるのだが、その中にメーテルもいるということだったようだ。他にも『999』に出てくる星野鉄郎の父親(=黒騎士ファウスト)が出てくるという話もあったが、こちらもいつの間にか立ち消えになったっけ。

それ以外にも、例えばハーロック/井上真樹夫、トチロー/富山敬、エメラルダス/田島令子ら御馴染みキャストに加えて、マーヤの武藤礼子、ゼーダの石田太郎ら新キャラクターのキャストも好演しているのに、冒頭部分でファントム・F・ハーロックの声として”特別出演”した某大物俳優があまりにも下手過ぎたとか(因みにその出演料は「一声一千万」と言われていた。もっとお金は有効に使おうよ)、木森敏之の音楽は非常に素晴らしく、またドヴォルザークの「新世界」やグリークの「ソルヴェーグの歌」、アルビノーニの「アダージョ」などクラシック音楽の流用も斬新だなと思わせながらもどちらも決定的に画面に合ってないとか、色々あるのだけれども・・・。

e0033570_2032917.jpg更に言うならば、予告編の出来が良すぎた
全編に渡ってドヴォルザークの「新世界」が流れ(第一、第二、第四楽章が使われている)、これがまた画面にピタリと合っているのだ。それ以上の仕上がりを本編に期待してしまったのが失敗だったのだな。

ところでこの作品、当初の予定より1年遅く完成したのだが、公開に当たっては逆に数日繰り上げた。その結果は前述の通り、かなり空席が目立つ寂しいもの。最終的にも興行成績は振るわず、続編として放送されたTVシリーズ『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』も低迷。そのせいだろう、翌年公開が予定されていた『クイーン・エメラルダス』の劇場版は製作中止となり、5年余り続いた松本零士ブームも終焉を迎えたのであった・・・。
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by odin2099 | 2008-01-19 20:05 |  映画感想<ワ行> | Trackback | Comments(2)
e0033570_1184048.jpg<東映まんがまつり>で上映された『惑星ロボ ダンガードA』劇場版の第2弾。全くの番外編だった一作目とは違って、今回はTVシリーズの流れに即した内容になっていて、太陽系10番惑星プロメテへ移住するべく宇宙を航行するジャスダムと、彼らに先んじてプロメテに到達し、優れた人類のみの理想郷を築こうとするドップラー総統率いるプラネスターとのドッグファイトを描いている。

主役メカは巨大ロボットのダンガードAだが、主眼となっているのはジャスダムとプラネスターの艦対戦。おそらく『宇宙戦艦ヤマト』を意識した展開なのだろう(そういえばTVには、主人公である一文字タクマが、宇宙母艦ジャスダムの艦長代理を務めるエピソードもあったくらいだ)。ダンガードAはサテライザーという飛行形態を持っていることもあってか、艦載機並みの扱いだ。

シリーズ後期の『ダンガードA』がどんな雰囲気だったのか掴むには手っ取り早いが、2本の映画だけでは『ダンガードA』という作品の全貌は伝わらないだろう。
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by odin2099 | 2006-07-02 18:46 |  映画感想<ワ行> | Trackback | Comments(0)

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