【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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「アポカリプス」繋がりでもう一本。レンタル店では2作品並べて置かれていたりしますが、こちらは小天体衝突タイプのディザスター・ムービーです。カリフォルニアに無数の隕石が飛来して、多くの犠牲者が出ます。パークレンジャーのジェイソンは、別れた元妻と二人で、娘の住むロサンゼルスを目指すというロードムービーで、隕石だけでなく地震、落雷、地割れ、竜巻、津波とあらゆるパターンの災害がこの家族を襲います。おまけに突然目の前で人間が消えてしまうという怪現象まで起るというてんこ盛り状態。
と、こう書くとなかなか面白そうなパニック映画だと思われるでしょうが、ところがドッコイ、これは新手の宗教映画なのでした。

e0033570_546569.jpg道中でこの元夫婦は延々と神がどーしたこーしたと宗教問答を繰り広げ、いがみ合いを続けます。実は幼い息子を亡くした過去を持ち、そのせいでギクシャクした挙句に離婚に至ったということらしいのですが、夫は自分が何か出来たはずだと思い、妻は信仰心が足りなかったからだと、双方共に自責の念に駆られているワケです。また、イマドキの女の子風でカレシと人前でイチャイチャするような娘の方も、実は結構熱心なクリスチャンで、カレシを宗教心に目覚めさせようとしますし、その結果ほぼ全編に渡ってウダウダと宗教論争をしてるという、一風どころかかなり変った作品になってしまっております。人間消失の謎も未解決のまんま。これは信仰心に目覚めた瞬間、神に召されたという解釈で良いのでしょうか?

クライマックスには何故かドヴォルザークの「新世界」第2楽章(つまり「家路」のメロディーですな)が流れ出し、救いがあるんだかないんだかわからないラストシーンを迎えます。迫り来る人類滅亡の最後の瞬間には、愛する人と一緒に過ごしたいということなんでしょうけれども、もしかするとスタッフはこれがハッピー・エンドのつもりだったのかも知れませんなぁ・・・。
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by odin2099 | 2008-02-29 05:38 |  映画感想<ア行> | Trackback(2) | Comments(2)
e0033570_22462549.jpg西暦90年、ローマ帝国皇帝ドミティアヌスは、自らを神と称し、これを崇めないキリスト教徒を迫害していた。そんな中、信者の間ではイエスの最後の使徒ヨハネが生きているという噂が広まっており、激怒した皇帝の命を受け、一人のローマ兵士がキリスト教徒たちが収監されているパトモス島へと送り込まれるのだが・・・。

「新約聖書」の「ヨハネの黙示録」を映像化したTVドラマです。デルピロと名を変えて生き延びていたヨハネを、晩年のリチャード・ハリスが演じていて、冒頭に献辞が出ます。
パッケージを見ますとまるでスペクタクル映画のようですが、実際はメッセージ性の強い内容でそちらを期待されるとガッカリするでしょう。
天変地異や災厄、飢饉、戦争等々の描写は全てヨハネの見た幻視ということで表現されていますが、CGを駆使したりしてなかなか頑張ってはいます。神が見せる未来のビジョンとして、世界大戦の映像や現代の都市が映し出されているのは何か意図するところがあるのでしょうか。

それにしてもキリスト教の教えとは難しいですね。とてもとても信者にはなれそうもありません。
しかしその教えにしても、実際にイエスが説いた内容なのかどうかは、今となっては判断しようがありません。というのも、残されているのは弟子たちの言葉ですから、それがイエス自身の言葉の忠実な伝聞なのか、それとも自身による創作――とまでは言いませんが拡大解釈だったり、或いは誤りであったとしても誰にもわからないのですから。
ただこれだけ広まり、かつ支持されているのですから、本来は非常にシンプルだったのではないかとは思いますが。
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by odin2099 | 2008-02-28 22:47 | テレビ | Trackback | Comments(0)
e0033570_629282.jpgジュニア向けだけでは物足りなくなってきたので、いよいよ本編(?)にも挑戦。どの作品から読もうかなと思っていたのだが、やはり馴染みのあるこのお話から――。

いや、映画やTVドラマでストーリーは知っているはずなんだけれども、こりゃ先はどうなるんだろう?と思いながらワクワクしながら読めた。
というのもストーリー自体が違うわけでもないのだが(特に中盤あたりまではほぼ忠実に再現している)、クライマックスに差し掛かると「えっ?××が○○だったの?!」という衝撃の事実(?)が・・・。
なまじっか映画のストーリー知ってるだけに、予想もしなかったどんでん返しだった。逆に原作ファンは、映画版を観た時にどう思ったのだろう?

松子と佐清に人間味をプラスしたのは映画版の功績だが、反対に比重の軽くなってしまったキャラクターもいるし、原作ではまだしも同情の余地がある青沼静馬が、映画では狡猾な復讐鬼になっていたりと随分イメージが違っていたが、うーん、これはどうなんだろう?
原作は原作で、映画は映画で楽しんだが、この改変ぶりを考えると映画版の評価はちょっと変ってきそうだ。
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by odin2099 | 2008-02-28 06:29 | | Trackback | Comments(2)
e0033570_22253163.jpgいよいよ今週末から公開される映画『ライラの冒険/黄金の羅針盤』。
大きく取り上げている雑誌も目に付きますし、原作本だけでなく公式のガイドブックや関連本も色々と出版されていますが、手軽に楽しめるのはこの本。

カラー写真も多く、ダコタ・ブルー・リチャーズ、ニコール・キッドマン、サム・エリオット、エヴァ・グリーン、ダニエル・クレイグら出演者や、脚本・監督のクリス・ワイツのインタビュー記事もあり、他のファンタジー系映画についても触れられています。

そして予告編やメイキングを収録したDVD付き。

マニアックな人には向かないでしょうが、なかなか捨てがたい魅力があります。
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by odin2099 | 2008-02-27 22:25 | | Trackback(1) | Comments(0)
偶然、並行して走る夜行列車の車内で行われた殺人事件を目撃してしまったミス・マープル。警察に通報するも、死体は発見出来ず取り合ってもらえない。そこでマープルは独自の捜査を始め、怪しいと思われる屋敷にメイドとして潜入するのだが・・・?

e0033570_22563510.jpgアガサ・クリスティーの『パディントン発4時50分』を映画化した作品で、ミス・マープル役はマーガレット・ラザフォード。
これがミス・マープル物としては初めての映画化になるらしい。原作はどういうお話なのか知らないのだが、好奇心旺盛で元気一杯の婆さんが頑張る作品になっている。でも、ミス・マープルってそういうイメージだったっけか?

ただ発端から解決まで1時間半弱で見せるコンパクトさは、娯楽映画としては悪くない。もうちょっと色々と伏線を張っておいて欲しいものだけれども、丁度TVドラマならば2時間枠での放送にピッタリだし、メイドに扮したミス・マープルは正に「家政婦は見た」状態。犯人の動機は弱いと思うが、コメディ色もほどほどで充分に及第点だ。
もっとも何れ原作小説を読む気なので、その後では前言撤回するかも。なんせ原作では、目撃する人、潜入する人、そして推理する人、と全て別の人らしい。それを全てミス・マープルが兼ねてしまうなんて、原作ファンなら卒倒しかねない独自のアレンジを施しているんだし。
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by odin2099 | 2008-02-26 22:57 |  映画感想<マ行> | Trackback(1) | Comments(0)
ずーっとCDデビューしないかなぁと思い続けていましたが、ようやっとソロ・アルバムがリリースになりました。
生で聴く彼女の歌声も勿論良いのですが、こうやって好きなときに繰り返し聴くことが出来るのも嬉しい限り。

e0033570_22294727.jpgオール・モーツァルトのプログラムで、モテット≪踊れ、喜べ、幸いなる魂よ≫(エクスルターテ・ユビラーテ)K.165(158a)、コンサート・アリア≪神よ、あなたにお伝えできれば!≫K.418、歌劇≪フィガロの結婚≫より「とうとうこの時が来た~恋人よ早くここへ」、歌劇≪ドン・ジョヴァンニ≫より「恋人よ、さあこの薬で」、歌劇≪後宮からの逃走≫より「あらゆる苦しみが」、歌劇≪魔笛≫より「復讐の心は地獄のように燃え」、歌劇≪劇場支配人≫より「若いあなた!」、ミサ曲ハ単調K.427(417a)より「精霊によりて処女マリアより御体を受け」、モテット≪アヴェ・ヴェルム・コルプス≫K.618が収録されています。

演奏は、ヤクブ・フルーシャ指揮のプラハ・フィルハーモニア。オーケストラとの共演とは贅沢な作りです。

店頭でジャケットを手に取っただけで、心を奪われてしまう人も出るでしょう。
これまで彼女を知らなかった人も、この機会に是非とも彼女の美声と美貌に触れてみて下さい。
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by odin2099 | 2008-02-25 22:36 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
e0033570_193102.jpg軽井沢へ避暑に出掛けた滋少年は、車内で大好きだったサーカスの花形スターだった鏡三少年を見掛けるのですが、彼は数日前に行方不明になっていたのでした。
更に現地で従兄の謙三とサイクリングへ出掛けた折、どしゃ降りの中でパンクした自転車を抱えて途方にくれていた時に見かけた洋館に立ち寄るのですが、そこで鏡三少年と瓜二つの少年と不気味な男に出会うのです。
そこはカラクリ屋敷であり、二人は恐ろしい体験をするのですが、謙三と親しくなっていた金田一耕助が話を聞き、捜査に乗り出すというお話です。

動く剥製だとか、ドクロ男、黄金の鍵、ゴリラ男、そして大金塊等々、子ども心をワクワクさせるようなアイテムがてんこ盛りになっていますが、ややSF的というか、空想科学小説よりの設定もあったりします。

いずれにせよ、子ども相手に手を抜かずに作品を仕上げている点は大いに尊敬しますね。今のご時勢、子ども向けにも大人向けにも娯楽小説を書ける作家がどれくらいいるでしょうか。
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by odin2099 | 2008-02-24 19:31 | | Trackback | Comments(0)
ここ2~3日は寒さも緩み、昨日も暖かくて穏やかだった――お昼ぐらいまでは。
ところが午後は大荒れ。
晴れたまんまだったけれど、強風が荒れ狂い、物は飛んでくるし、電車は止まるし、完全に「春の嵐」状態。
おまけに気温がグーンと下がり、メチャクチャ寒くなってしまった。
気象庁は「春一番」だと発表したけれど、こんなに寒くて冷たい「春一番」というのもねぇ。
ちっとも春の到来を告げてるようには感じられない。
今日も今日とて相変わらず風がピューピュー吹きまくっていて、こりゃ外出は難儀だなぁ・・・。
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by odin2099 | 2008-02-24 09:20 | 雑感 | Trackback | Comments(6)
第4回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した、海堂尊のベストセラー小説を映画化。成功確率の低いバチスタ手術を次々と成功させ、「チーム・バチスタの奇跡」「栄光の7人」と呼ばれている専門チーム。ところが最近になって立て続けに手術は失敗。それは医療事故なのか、それとも殺人事件なのか?――というミステリー作品だ。

e0033570_0263121.jpg題名だけは早くから知っていたのだけれども、「バチスタ」と聞いてもなんのことやらサッパリだったのでそのまま無視。けれども映画になると聞いて興味が湧き、小説が文庫化されたのを機に読んだところ「こりゃ確かに面白いや」と一気にファンになった次第。
ところが今度は映画の方が、主人公を男性から女性に変えたり、キャスティングを見ても納得出来る人が殆どいないので逆に不安になったりしていたのだが・・・・・・心配していたよりはずっと面白かった。手術のシーンも丁寧に見せていたし、ストーリーの省略具合もまぁまぁ。

ただ、7人もいる<チーム・バチスタ>のメンバー一人一人の扱いは小さい。例えば、メンバー唯一の途中参加となった大友看護士。彼女が加わってからチーム内のコンビネーションが微妙に狂いだし、術死が始まったのでは?という疑惑が持たれるが、これにはちゃんとした理由があり、それが後半の展開の伏線にもなっているのだけれども・・・あっさりとカット。よって映画版の彼女は、単なるドジっ娘扱いなのが非常に気の毒だ。
他にも消化不良になってしまった部分は多々あり、なんとなく薄味の印象。原作小説は濃いキャラ同士の会話劇の面白さもあるのだが、これはやはり主人公の性別を変えてしまった弊害もありそうだ。

面白くなりそうな作品が平凡な作品に。なんとも勿体無い。
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by odin2099 | 2008-02-24 00:26 |  映画感想<タ行> | Trackback(33) | Comments(12)
e0033570_2043020.jpgフィリップ・プルマンの<ライラの冒険>三部作の第一作、『黄金の羅針盤』を映画化したものです。日本での公開は来週3/1からなのですが、待ちきれなかったので一足お先に先行特別上映で観てきました。
映画化に際しては過大な期待をしてはいけないことは百も承知だったのですが、少しずつ公開されるビジュアル・イメージに圧倒され、ついついしてはいけない期待なんぞをしてしまっていたのですが、この作品に関しては杞憂に終わりました。

おそらく原作小説を読んでからこの映画を観た人で、「想像していたのとは全くイメージが違う!」と怒り出す人は少数派だと思います。それぐらい原作の世界を見事にスクリーン上に再現してくれているのです。
小説を読んでいたときからコールター夫人の役にイメージしていたニコール・キッドマンは、正に適役。元々フィリップ・プルマン自身もニコールをイメージして書いていたというのですから、これは原作者のお墨付きの納得のキャスティングということになります。アスリエル卿のダニエル・クレイグやセラフィナ・ペカーラのエヴァ・グリーンは、やや自分の中のイメージとは違っていましたが悪くはないですし(個人的なアスリエル卿のイメージはトム・クルーズでした・・・)、ライラ役の新人ダコタ・ブルー・リチャーズは実に堂々たる存在感を示しています。CGで表現されたよろいグマのイオレク・バーニソンもキャラクターが立っていますし、美術全体も充分に合格点。
そういえば観ていて驚いたのが、あのクリストファー・リーが出演していること。全く情報を得ていなかったので、一瞬目を疑いましたが、あの張りのある声は紛れもなくリー御大の美声。出番はほんの僅かのカメオ出演ですが、いるだけで画面が締まるのはお見事。

e0033570_2045588.jpg分厚い単行本、文庫本なら2冊分を2時間弱でまとめているので、正直言ってストーリーに関しては予備知識がないと辛い面はあります。もっともこれは原作小説の第一部を読んでも同じことで、二部三部と読みすすめていく内に次第に明らかになっていくわけですから、仮に2時間半、3時間の上映時間があったとしてもさほど変らなかったかも知れません。映画の冒頭には原作同様、三部作の一作目である旨のテロップが表示されています。
となると早いところ第二部、第三部も映画化して欲しいところなのですが、実はこの作品、興行的にはかなり苦戦を強いられているようで、続編製作には未だにゴーサインが出ていません。主要マーケットで一番最後となった日本での興行成績如何によっては、その望みも絶たれてしまう可能性もあるとのことなのが心配です。このスタッフ、キャストならば素晴らしい三部作になりそうな予感がするのですが。同じ三部作構想だった『エラゴン/遺志を継ぐ者』の二の舞にならないことを祈るばかりです。
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by odin2099 | 2008-02-23 20:07 |  映画感想<ラ行> | Trackback(66) | Comments(16)

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