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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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e0033570_2014541.jpg全部で26編が収められている短編集。

そのいずれもが有名な昔話や童話を下敷きに新たに紡ぎだされているが、かなりエロティックだったり、ブラックジョークに彩られていたりと、エスプリの効いたものになっている。

タイトルには「大人のための」とある通り、お子様にはかなり刺激の強いというか”深い”ものになっているのだが、逆にこういう作品を「頑張って」読んでみようと思う子どもがいてもいいかなぁとは思う。
もっとも中高校生なら兎も角として、この本を読んでニヤニヤしている小学生がいたとしたら、それはそれで恐ろしいとは思うのだが。
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by odin2099 | 2009-02-28 20:15 | | Trackback(1) | Comments(2)
CDショップを覗いてみたら、知らないうちにセカンドアルバムが発売されてました~(汗)。
ファーストアルバムも良かったですが、今度は一曲目からカッチーニの「アヴェ・マリア」! もう言うことなしですね。
おまけに待望のDVD付き!
これで歌ってる彼女、動いてる彼女にいつでも逢えます!!

e0033570_2126529.jpgアルバムタイトルになっている「カリヨン」とは、イタリア・ポップス界で活躍する人気ピアニスト兼作曲家のベッペ・ドンギアが、彼女の歌声に惚れ込んで書いたオリジナル曲で、これまでリサイタルなどでは定番になっていた曲とのこと。
正式タイトルは「カリヨン~新しい色の祝祭にて~」と言うようですが、今回は自身のピアノ&ストリングス・アレンジ版で収録されています。
そして全曲が新イタリア合奏団との共演です。

他にはバッハ/グノーの「アヴェ・マリア」、ヘンデルの「オンブラ・マイ・フ(なつかしい木陰よ)~歌劇≪セルセ≫より」、同じくヘンデルの「涙の流れるままに~歌劇≪リナルド≫より」、そしてマスネの「アヴェ・マリア」にマスカーニの「アヴェ・マリア」、これはそれぞれ有名な「タイスの瞑想曲」と「≪カヴァレリア・ルスティカーナ≫間奏曲」に歌詞をつけたものです。
それとガスタルドンの「禁じられた音楽」にデラックァの「ヴィラネル」、アルディーティの「くちづけ」、ヴィラ=ロボス「ブラジル風バッハ第5番」のアリア、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」、後は「アメイジング・グレイス」も収録されています。
中には知らない曲もありましたが、彼女の歌声には癒されますね。

DVDに収録されているのは「カリヨン」と、モーツァルトの歌劇≪ドン・ジョヴァンニ≫から「恋人よ、さあこの薬で」の2曲。
このモーツァルトの曲だけがファーストアルバムの曲なので、プラハ・フィルハーモニアとの共演となってます。
さあこれで彼女の美貌と美声に、”見惚れ聴き惚れ”て下さいませ。
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by odin2099 | 2009-02-27 21:27 | 音楽 | Trackback | Comments(1)
パロディと外伝、その境界ギリギリのところで書かれたシャーロック・ホームズを扱った短編集。

「彼が死んだ理由―ライヘンバッハの真実」は、ホームズとモリアーティの激闘の裏側(?)を描いた作品で、ある種のメタフィクションのような構成。モリアーティ教授の正体(!)を含め、熱心なシャーロッキアンには受け入れがたい”真実”が明らかにされる。

e0033570_21162738.jpg「最強の男―バリツの真実」は、ホームズが身に着けている謎の格闘技”バリツ”が何なのかが明かされる一編。
公表しないとの約束でホームズがワトスンに語ったのは、珍しい彼の失敗談。ただその結果、ホームズはとあるブラジル人からバーリ・トゥードの技術を学び、それを聞き間違えたワトスンが”バリツ”と記してしまったという次第。
で、そのブラジル人の名前がガスタン・グレイシー、その息子がエリオというのがオチだ。

「賢者の石―引退後の真実」は、引退後に体調を崩したホームズを、転地療養とばかりにワトスンはニューヨークへと連れ出すが、そこで息子が誘拐されたという歴史学者から助力を求められるというもの。
その学者の専門が中世で、名前がヘンリー・ジョーンズ教授となれば、誘拐されたという息子は勿論・・・・・・。
ちなみにこの作品には例の犬も登場し、しかもその名付け親がホームズだったというオチが付く。

最後の「英国公使館の謎―半年間の空白の真実」は、明治時代の日本が舞台。
英国公使館で殺人事件が起こり、これがかの”切り裂きジャック”事件と酷似していて・・・という具合に、謎が謎を呼ぶ展開を見せるという内容。
最後には何故か『半七捕物帳』で知られる岡本綺堂ともリンクしてしまうという力技を見せてくれる。

多分に遊び心に満ちた作品ばかりで、一歩間違えれば単なるギャグになってしまうところを辛うじて踏みとどまっているというところか。
正典のみを愛好する人には受けないだろうが、エンターティンメントとしてはこれくらいの脱線も許容範囲ではないだろうか。

巻末には、光文社文庫<新訳シャーロック・ホームズ全集>の翻訳を担当した日暮雅道の手になる「ホームズ・パロディ/パスティーシュの華麗なる世界」を併録。なかなか史料価値のある一冊でもあると思う。
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by odin2099 | 2009-02-26 21:17 | | Trackback | Comments(0)
エーゲ海に浮かぶ小島には、ドイツ軍の誇る鉄壁の要塞ナヴァロンがあった。その要塞に備え付けられている巨砲の前に、連合軍は夥しい犠牲を強いられていた。近隣の小島ケロスには今なお1200名のイギリスの将兵が留まっているが、もはや全滅は目前。彼らを救出するには、ナヴァロンの要塞を沈黙させる以外にはない。そこでキース・マロリー大尉以下、5名の精鋭たちに密命が下されることになった。
マロリー自身、戦前は世界最高のロック・クライマーと呼ばれた男であり、ミラーは爆発物を扱う天才、ケイシー・ブラウンは生まれながらのエンジニア、アンディー・スティーヴンズは若き登山家、そしてマロリーの片腕であるアンドレアは、巨体の持ち主でありながら敏捷果断な人間凶器。彼らは敵の意表をつき、登攀不可能とされる断崖絶壁を乗り越え、要塞へと忍び込もうと言うのだ。
知力、体力の限りを尽くし、任務遂行に賭ける彼らだったが、その行く手にはドイツ兵だけではなく、自然の驚異や仲間の裏切りも待ち構えていた・・・!

e0033570_2255074.jpgグレゴリー・ペックやアンソニー・クィン、デビッド・ニーヴンらが出演していた映画『ナバロンの要塞』の原作です。
アリステア・マクリーンの作品は、映画化されたものは何本か観てますけど、肝心の小説は一冊も読んだことがありません。
その昔、デビュー作にして最高傑作との呼び声も高い『女王陛下のユリシーズ号』を勇んで読み始めたことがあったのですが、ものの数十ページで挫折したという苦い思い出があります。
ただ先日イアン・フレミングの『カジノ・ロワイヤル』を読み終えたときに、同じ時代に同じイギリスで活躍していた冒険小説の雄であるところのマクリーン作品を是非読みたくなり、『女王陛下~』の再チャレンジとどちらにしようか迷った末にこちらを選びました。

いやぁ、それにしても読みにくい。
マクリーンの描写が自分の肌に合わないのか、それとも翻訳の文体に馴染めないからなのかはわかりませんが、随分と手こずりましたね。
しかも長い。
描写が綿密なのはいいんですけど、なかなか進展しないのは辛かったです。その分、読み終わったときには達成感がありましたが。

そういえばJ・リー・トンプソンが監督した映画版も「戦争映画の傑作」と呼ばれてますが、以前観た時はあまり楽しめなかった記憶がありましたっけ。メンバーの描き分けが上手く行っておらず、ただ長かったことに閉口した覚えがあります。
まぁ今観ると受け止め方も違ってるかもしれませんので、そのうち観直そうかなと思ってますが。
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by odin2099 | 2009-02-25 22:06 | | Trackback | Comments(2)
甲斐の国に奇妙な旅人たちが現れた。武人らしい大男、気品ある細面の美男子、それに高貴な身分の娘らしき女性の三人連れ。
乱髪の美丈夫は鬼王丸と名乗り、細面の優男は菅家に連なる景行、そして残るは異国の姫君である柊だと判明するが、彼らの前に将門を名乗る野伏の一団が襲い掛かる。

将門――天慶三年、朝廷に反旗を翻した平将門の乱は、従兄である平貞盛や、俵藤太こと藤原秀郷らによって鎮圧されたはずだった。
しかしその将門が生きているとの報に、朝廷は大いに揺れる。
その命を受け、不死身の僧兵、当代随一の陰陽師、それに貞盛率いる追討軍らが入り乱れて、甲斐の国へと歩を進めるのだが、その鬼王丸こそ、死んだと思われていた平将門その人だったのだ。

e0033570_211726.jpgタイトルになっている「カーマロカ」とは「煉獄」。
「天国と地獄の間にあり、死後、魂の浄化が行われる場所」のことだそうだが、このタイトルとカバーイラストのせいでかなり損をしているように思える。
ライトノベルか、エロティックな要素を前面に出したバイオレンス小説のような印象を与えてしまいかねないし、そもそもどういう物語なのかがこれでは伝わってこないのだが、実際は”時代活劇”とでも呼べそうな力作なのである。

非業の死を遂げた歴史上の人物が、もし生きていたらという設定で書かれた小説は枚挙に暇がないが、この小説でも道半ばで散ったはずの将門が実は生き延びていたという設定で描かれている。
そのこと自体に目新しさはないが、ありえたかもしれない別の歴史を語っているのではなく、あくまでも我々の知る歴史の片隅にこのような一幕があったかも知れないというスタンスが貫かれており、結局は将門が死んでいても生きていても歴史は変わらない、その部分に逆にロマンを感じてしまう。

それに登場人物たちが個性的で、生き生きとしているのが良い。
戦う相手には鬼神と恐れられながらも、愛嬌のある顔立ちで人を惹きつけてやまない将門。
その将門に付き従う訳ありの青年、景行と、それにエキゾチックな異国の美女、柊。
将門を追って旅をする、その娘である夜叉姫。
将門の追手側に付くものの、同じまつろわぬ民の末として共感を覚えている甲賀一族の棟梁、望月三郎兼家。
そして将門と対照的な存在でありながら、実は根底には同じものをもつ貞盛・・・。

だが中でも一番興味深い存在なのが、父をも凌ぐ能力を持ち、それがゆえに周囲から孤立してしまっている賀茂保憲だろう。
実質的な主人公と言っても良いこの人物が、将門と対峙し、そして変わってゆく様がこの作品最大のハイライトだろう。

超人的な力を見せる将門や、相対する刺客たち。
テンポも良く、迫力あるアクション描写。
それに、一見摩訶不思議に見える特殊能力・・・・・・。
作品全体のテイストとはそぐわない描写もないではないが、まずは一級の娯楽作、伝奇モノの快作だろう。
最後にさりげなく登場する安倍晴明も良い。

これは映像で観たいなあ。
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by odin2099 | 2009-02-24 21:01 | | Trackback(1) | Comments(4)
ちさ子さんが上梓した『ヴァイオリニストの音楽案内』『高嶋ちさ子の名曲案内』というの2冊のPHP新書で紹介した100曲の中から、全部で30曲を選んでCD2枚に詰め込んだというアルバム。
簡単に言うと「クラシックの入門編としてどうですか?」というアレである。
e0033570_224057100.jpg
ただ、ちさ子さん(と、12人のヴァイオリニスト)の演奏が1曲しかないのは寂しいものの、交響曲や歌劇、ピアノ協奏曲なんかの比重が大きいから仕方ないとしても、ライナーノーツの解説がちさ子さんじゃない、ってーのはちょいと解せない。
いや、解説文そのものはわかりやすいし読みやすいからいいのだけれども、卑しくも「高嶋ちさ子の」と冠が付いている以上、解説もちさ子さんが書くのが筋じゃないのかなーと思うのだが如何? 
まぁ本人のコメントにある通り、一曲一曲については本を買っておくれ、ということなのかも知れないけど、短くても良いから一言ずつ添えて欲しかった。
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by odin2099 | 2009-02-23 22:43 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
一万五千年前に封印された爆竜が復活し、日本は氷河に閉ざされてしまう。伝説の王女フリージアを守って立ち上がるアバレンジャーたち!
戦隊ヒーローの元祖・アカレンジャーこと誠直也をゲストに迎えての、劇場拡大版。
新社屋のお披露目を兼ねて(?)テレビ朝日のスタジオが重要な舞台に。

TVシリーズを見ていないので今一つキャラクターたちの相関関係がわからないのだが(アバレキラーとか)、それでも南極と化した東京のビジュアル・イメージなど見所は充分。ただ毎度毎度のことだが、終盤のロボット戦が始まるとドラマの流れが寸断してしまうのが残念。
新たなギガノイドを産み出すべく奮闘していたヴォッファだったが、時間切れで映画は終了。「次は『ファイズ』が始まるよ」とリジェに突っ込まれると、「出してやる~!『ファイズ』の映画に出してやる~!」と叫んで終わるのはお茶目(ビデオ・リリースの時もこのシーンは残るのかな)。それを受けとめる余裕が『ファイズ』にあれば面白かったのだが。

戦隊シリーズ&仮面ライダーという2本立て興業は今回で3回目だが、併せて2時間近いプログラム。子どもがターゲットなだけに間に休憩時間を挟む配慮が欲しいと常々思っているのだが・・・。
「しねま宝島」から転載です。
e0033570_19373319.jpgDVDで観直してみたのだけれども、ちょっと複雑な心境が・・・。

まずは音楽担当が羽田健太郎なこと。
特典映像ではレコーディング風景も紹介されていて、そこでは在りし日の姿が映し出されている。この時は、まさか4年後に亡くなられるなんて考えもしなかったなぁ。

もう一つは、ゲストヒロインのフリージアを演じているのが小向美奈子だということ。
その後は素行不良で事務所をクビになり、事実上の引退状態。そして更に追い討ちをかけるように覚醒剤の不法所持で逮捕とはねぇ。すっかり”堕ちたアイドル”の烙印を押されてしまった。
この映画でも清楚なプリンセスかと思いきや、二面性のある(?)役柄を演じているが、同じく特典映像に収録されている製作発表や試写会、公開二日目の舞台挨拶などでは、そんなことは感じさせない明るい受け応えをしていたのだけれども・・・。

ちなみに「ファイズに出してやる~」の件は、そのまんま収録。この作品だけ観た人は何のことやらサッパリだろう。
もっとも舞台挨拶などの映像を観ると、出演者(特にアバレブルーこと富田翔)がさかんに『ファイズ』ネタをやっていたので、同時期の作品だけに『仮面ライダー555』をライバル視していたのかも。

そういや『仮面ライダーアギト』の映画版の時には藤岡弘、がゲスト出演していたが、この作品のゲストは<戦隊ヒーロー>の元祖、アカレンジャーこと誠直也!
でもあんまり話題にはならなかったなぁ・・・。
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by odin2099 | 2009-02-22 19:44 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
博多付近の海岸で男女の死体が発見された。男性は汚職事件の渦中にある役所に勤める職員、そして女性は料亭の女中。二人の体内から青酸カリが検出されたことから、二人は逃避行の末に心中を図ったものと推測された。しかし福岡署のベテラン刑事・鳥飼は、何か腑に落ちないものを感じ独自に捜査を進めていくが、疑念は益々募るばかりだった。
そんな折、東京から警視庁捜査二課の三原という人物がやって来た。彼は汚職事件を追っていたのだが、その鍵を握っていたはずの人物の死について調査をしており、その過程で鳥飼の疑念に興味を覚えたのである。
東京に戻った三原は、鳥飼の掴んだ手掛かりから、ある男の行動に着目した。
その男の行動は、今回の情死とは一見すると無関係と思われた。件の死体が発見された時には遠く北海道に居り、二人とその男を結びつける糸は容易には見つからない。しかしアリバイが完璧であればあるほど、三原にはその男が関与していたに違いないとの思いを強くしていく・・・。

この作品が松本清張初挑戦!
ジャンルとしては「アリバイ崩し(アリバイ破り)」というものになるのだろう。

e0033570_954128.jpg人間は同時に二つの場所には存在出来ないのだから、もし仮にA地点で何らかの事件が起きた時に、間違いなくB地点にいたことが証明出来るのならば、その人は事件とは無関係ということになる。
この場合、A地点とB地点は遠ければ遠いほど良い。歩いて10分くらいしか離れていないとするならば、事件の後に移動することだって可能だからだが、今回の事件が起きたのは九州、そして容疑者がいたのは北海道。交通が発達した現在でも、短時間でピューッと移れる距離じゃない。
勿論、証言者が偽証していたり、替え玉を使ってれば別だが、そうじゃなければその人は容疑者から外さざるを得ない。

はたして主人公はどうやってアリバイ崩しをするのかと興味津々で読んでいると、出てきた答えは「飛行機を使うこと」?! なんじゃそりゃ。
鉄道での移動にばかり拘っていたから不可能に思えたことが、実は旅客機を使えばOKなのよ、それって盲点だったんだよねー、と言われたって、読んでいてハイ、そうですか、と納得出来るわけがない。ヒコーキの方が電車より早いの当たり前じゃん。
・・・いやはやすっかり騙されました。
この小説が書かれたのが昭和30年代の初めだというので、てっきり今みたいに旅客機での移動が一般的じゃないから、端から飛行機の線は除外してたのかと思ってた。なんだよ、もっと早くに気付けよ。

で、このアリバイ崩しが成立すると、事件は一気に解決。あっけないねぇ。
しかもその後に明らかにされる事件の”真相”とやらは、全て三原の推測、憶測。本当にその通りだったという保証はどこにもないのだ。

うーん、これが「松本清張の最高傑作」と呼ばれる作品なのかなぁ・・・。
発表当時と今とでは時代が違うというのも確かにあるだろうけれど(移動手段が多様化し、移動時間も短縮され、携帯電話で簡単に連絡が取れる今のご時勢では、このトリックは成立しないんじゃなかろうか)、それを除外してもお話の組み立て方、運び方には随分と疑問符が付いてしまう。
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by odin2099 | 2009-02-21 09:54 | | Trackback(1) | Comments(0)
e0033570_22213940.jpg最近リライト版を読んだばかりだったので、前から気になっていた作品をようやっと観た。
イアン・リチャードソンのホームズ、ドナルド・チャーチルのワトスンで「バスカヴィル家の犬」を映像化したもので、おそらくこれはTVドラマ。そのせいか日本でも劇場公開はされず、ビデオがリリースされたのみだった。

お話の方は原作とは違う部分が幾らかあり、いきなり街中でヘンリーは狙撃されるわ、ベリルはかなり活発な女性になっていて、白馬に乗って颯爽と登場すわ、原作では名前だけしか出てこないローラの暴力的な夫は出てくるわ、何故か原作よりも犠牲者が増えていたり、それに何といっても”魔犬”のモンスター性が強調されていたりと色々なアレンジが施されているけれど、意外にも大筋において原作通りに進行し、原作以上にハッピーエンドを迎える内容になっている。

バスカヴィル家の領地、そしてお屋敷は、もうちょっとだだっ広くて小奇麗なロケーション舞台を想像していたので幾分がっかりしたものの、TVドラマだと思えば腹も立たない。
また、どういうわけか台詞を怒鳴る演出が目立つのが気にはなるものの、ホームズ、ワトソン共に”らしい”とは思う。
傑作とまでは思わないが、充分に楽しめる<ホームズ物>だとは言えるだろう。
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by odin2099 | 2009-02-20 22:21 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
ドラキュラを題材にした映画は何本か観ている。
その中にはブラム・ストーカーの原作を忠実に再現したという触れ込みの作品や、ドラキュラとは名ばかりのチンケな吸血鬼が出てくるだけの作品もあったけれども、原典であるストーカーの小説は未読だ。
実は創元推理文庫から出ている翻訳本は持っている。ただその分厚さや読みにくそうな文体からずーっと手を付けずにいるのだ。
オリジナルのお話はどうなのかは気になるけれど、なかなか原典版は読む気にならない。かといって中途半端な子ども向けのダイジェスト版にも抵抗があったのだけれども、そんな時に見つけたのがこの本。
これも<痛快 世界の冒険文学>の一冊として出版されていたものの文庫化だけれども、執筆者がホラー作家の菊地秀行なのである。

e0033570_2352088.jpg・・と偉そうに書いてるけど、実はこれまで菊地秀行の本は一冊も読んでいない。
自慢じゃないけど『魔界都市<新宿>』も『魔界医師メフィスト』も『吸血鬼ハンターD』も『エイリアン秘宝街』も『妖獣都市』も、ぜーんぜん読んだことがない。
「いつか読まなきゃいけない作家リスト」の上位には20年以上前から載ってはいるんだが・・・(あ、そういえば『幻夢戦記レダ』のノベライズは読んでるんだ。あれも菊地秀行作品ってことになるのかな)。

菊地秀行はクリストファー・リーがドラキュラ伯爵、ピーター・カッシングがヴァン・ヘルシングをそれぞれ演じ、テレンス・フィッシャーが監督したハマー映画の『吸血鬼ドラキュラ』を偏愛しているとのことだが、あれはホラー映画というよりもアクション映画、というのが自分が観た時の印象だった。
で、どうやら原典版はこの映画とはかなり異なる雰囲気の作品らしい。
そこで執筆に当たっては単なるリライトではなく、原典の香りは残しつつも映画の雰囲気を盛り込み、菊地流の味付けがふんだんに施された作品に仕上げた由。未読なので比較は出来ないが、少なくてもこの小説は波乱万丈の冒険活劇に近いものになっていて面白かった。
途中でヘルシングに対して、「ベーカー街に優秀な私立探偵がいるそうだが、教授の推論はそれに匹敵します」などという台詞が出てくるのも遊び心だろう。
しかしこうなると、原典版を読む日はますます遠退くなぁ・・・。
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by odin2099 | 2009-02-19 23:05 | | Trackback | Comments(2)

by Excalibur
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