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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

タグ:アガサ・クリスティー ( 47 ) タグの人気記事

e0033570_20424161.jpgポワロとヘイスティングズは旅先でニックという若い美女と出会う。彼女はこの三日間で三回も命拾いをしたと語るのだが、ただの事故だと意に介していない。
しかし今またポワロの眼前で彼女は狙われ、二人は彼女を護るべく行動を開始する。
ニックの住むエンド・ハウスという屋敷に出入りする身近な人物が犯人だと考えたポワロは彼女の従姉妹マギーを呼び寄せるよう進言しますが、今度はニックと間違われたマギーが殺されてしまう…。


この作品のポワロは自信たっぷりで大言壮語する割に、予想外のことが起って自信喪失、しかし次の手掛かりを得て”灰色の脳細胞”を働かせて…を繰り返してます。終始後手後手に回ってますね。
それだけ真犯人が強敵だということですが、散りばめられた伏線にはなかなか難渋しました。
特に重要なのは「名前」でしょうけれど、これは日本人にはピンとこないんじゃないでしょうかね。


というワケで読後は「やられた!」という驚きよりも、「なんでそういう展開になるの?」という驚きの方が優ってしまいました。
比較的評価は高い作品のようですが、自分としてはあまり感心出来ませんでしたねぇ…。


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by odin2099 | 2014-12-02 20:44 | | Trackback | Comments(0)
母が何者かに毒殺されようとしているとの懸念を持ったクリスチャンに頼まれ、マープルは旧友キャリーの屋敷を訪ねる。敷地内にはキャリーの新しい夫ルイスが経営する非行少年を更生させるための施設が併設されていた。キャリーの長女ミルドレッド、二女のジーナとその夫であるウォルター、ジーナと不倫関係にある演出家のスティーブンらがマープルを迎え、遅れてクリスチャンも合流したが、そこで彼女はルイスからも妻キャリー毒殺の危険性を知らされる。
そんな時、使用人エドガーがルイスを銃で脅迫するという事件が起きた。一発、二発と銃声が轟くが弾丸は逸れて二人は無事、ルイスは銃が暴発したのだと説明する。ところが別室でクリスチャンが射殺体となって発見された。クリスチャンは毒殺の証拠を掴んだため、犯人に消されたのだろうか?

ヘレン・ヘイズがミス・マープルを演じたワーナー製作のTVドラマ。
e0033570_23145429.jpg原作は読んだことがないけれど、多分登場人物がそれなりに多くてややこしいのではないかと推測。かなり登場人物を絞って端折っていると思われる本作でも、登場人物の相関関係が今一つ掴みづらい。それもあって犯人とその目的が今一つピンとこず、またマープルもどこに着目して推理を組み立てて行ったのかがわかりづらい。勿論クライマックスでは関係者全員を集めて「犯人はあなたですね」と明らかにしてくれるのではあるが。

まあ正味1時間半のドラマだし、「犯人はあなたですね」だけが見たかったといっても過言ではないので、その点では大いに楽しめた。
往年の大女優ベティ・デイヴィスや、ジョン・ミルズ、レオ・マッカーン、ライアン・ラングランド、ドロシー・テューティンらが出演。鍵を握っているキャラクターに扮しているのは若かりし頃のティム・ロスだ。
製作総指揮・脚本がジョージ・エクスティン、監督はディック・ローリー。

【ひとりごと】
ヘレン・ヘイズってどっかで見たことがあるなあと思っていたら・・・そうか、『大空港』のタダ乗りお婆ちゃんだ!
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by odin2099 | 2013-01-05 23:18 | テレビ | Trackback | Comments(0)
深い霧の夜、車が溝に嵌って立ち往生してしまった男は、電話を借りようと近くの館を訪れる。開いていた窓から入った男は、車椅子に乗った男が銃で頭を撃ち抜かれ、絶命しているのを発見。そしてその傍らには銃を手にした美しい女性が立ち尽くしていた。
死んでいたのは館の主人で、その妻である女性は自分が殺したと自供、警察を呼ぶように頼むが、男は何らかの深い経緯があると見て、彼女を救うべく一計を案じる。しかし――

『蜘蛛の巣』『検察側の証人』に続くアガサ・クリスティー原作、浅丘ルリ子主演によるシリーズ第3弾。・・・ん?シリーズだったのか?
日曜日に来年5月で休館の決まっているル・テアトル銀座で鑑賞してきました。
出演は他に古谷一行、安奈淳、石井一孝、川崎麻世、不破万作、斉藤暁、原田優一、福永悠二。
翻訳は中島・アニータ・さくら、上演台本・演出は星田良子。

体調悪かったんですかねえ、眠くて眠くてたまりませんでした。特に前半、ヤバかった・・・。

えー、お話の方は、何だかよくわかりませんでした。
e0033570_2242343.jpg登場人物は殺害された館の主人リチャード・ウォリック、その妻ローラ、リチャードの母親であるウォリック夫人、リチャードの異母弟で知的障害者のジャン、リチャードの従僕ヘンリー・エンジェル、ウォリック夫妻の友人であるジュリアン・ファラー、捜査を担当するトマス警部とキャドワラダー部長刑事、そして”招かれざる客”であるマイケル・スターウェッダー。
警察官二人を除けば誰もが怪しく思われます。

それでも見ているうちに「この人じゃないかなあ」というのが浮かび上がってはくるのですが、そこはすんなり行く筈もなく二転三転していきます。
そしてラスト・・・納得はしませんけれど、カッコ良かったです。
結局のところ真犯人は予想通りでしたけど、休憩時間に隣のご夫婦の会話で同じことを考えていたのがわかって苦笑したりして・・・。

不破さんや斉藤さんが小ネタを挟んで笑いを取ってましたが、全体的に台詞のトチリが多かったのが残念でした。先月から始まった公演も、そろそろ終盤戦だと思うのですが。
そして今後もクリスティー作品の上演は続けて欲しいのですが、そろそろ主演俳優は交代させて欲しいと思います。いや、いくら舞台とはいえ、浅丘さんが”若い美女”というのはちょっと・・・ねぇ?
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by odin2099 | 2012-11-12 22:43 | 演劇 | Trackback | Comments(0)
ベリゼールとプリュダンスのベレスフォード夫妻の叔母バベットは、夜行列車に乗車中、併走する列車内で女性が殺される場面を偶然目撃する。しかし車掌には相手にされず、事件も報道されていなかった。
退屈な日々に厭いていたプリュダンスは、叔母の話を聞くと独自に調査を開始。殺人を目撃した直後に列車が急カーブで曲がったとの叔母の証言から、線路がカーブする近くにある屋敷が怪しいと睨み、夫に内緒で家政婦として潜り込んでしまう。そこには偏屈な老主人とその娘、姪、それに父親と不仲の兄弟たちが滞在していた。
屋敷を散策中にプリュイダンスは女性の死体を発見し、警察の捜査が始まったが、その中には勝手な振る舞いをした妻を監視する役目も兼ねたベリゼールの姿も――。

e0033570_235969.jpg『奥さまは名探偵』『ゼロ時間の謎』に続いて、パスカル・トマがアガサ・クリスティーの小説を映画化した3作目で、主人公は1作目同様、原作の”おしどり探偵トミー&タペンス”を翻案したベレスフォード夫妻で、プリュダンス役のカトリーヌ・フロ、ベリゼール役のアンドレ・デュソリエはそのまま続投している。
ただしこのお話そのものは<トミーとタペンス>シリーズではなく、<ミス・マープル>シリーズの一篇。何故この作品を選んでアレンジしたのかは不明である。

原作は未読だが、以前観た『ミス・マープル/夜行特急の殺人』よりは原作に忠実に作られているとのこと。
いつプリュダンスの正体がバレるかとヒヤヒヤしながら観ていたのだが、最後までそういうシークエンスはなし。一家には正体不明の胡散臭い人物だと思われる程度で、もう一人正体を隠している夫ベリゼールとのドタバタを含め、コミカル描写はなかなか良い感じである。
また老主人を始めロクな男共がいないこのお屋敷だが、何故かプリュダンスはモテモテ。しかし彼女って孫までいる設定なので、ちょっと無理があるような・・・?

殺人犯は誰なのか、だけでなく、殺されたのは誰なのか、という興味でも引っ張って行くストーリーなのだが、最後が駆け足になっているのが残念。これ、3作共通の感想でもあって、上映時間がもう10分か20分あれば・・・とも思う。それに今回はお屋敷の中の話なので、前2作ほど美しい風景を拝めないのが難点ではあるが、まとまり具合としては3作中で一番かも知れない。
宣伝文句には「アガサ・クリスティー原作3部作最終章」と謳われているが、もう何本か映像化して欲しいものである。

それにしても「日本での劇場公開を楽しみにしている」と以前『華麗なるアリバイ』を観た際に書いたことがあるのだが、いきなりDVDスルーになるとは思わなかった。
前2作、それに『華麗なるアリバイ』も含めてヒットしなかったのだろうか。
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by odin2099 | 2011-05-23 23:05 |  映画感想<ア行> | Trackback(2) | Comments(4)
近代映画社のSCREEN新書から出た、アガサ・クリスティーを原作とする映画やTVドラマのガイドブックです。

e0033570_21233685.jpgルネ・クレールの『そして誰もいなくなった』、ビリー・ワイルダーの『情婦』、EMIの『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』、ジョーン・ヒクソンがミス・マープルに扮したTVシリーズや、デイヴィッド・スーシェがポワロを演じたTVシリーズは勿論のこと、『エンドレス・ナイト』やキャノンの『ドーバー海峡殺人事件』『サファリ殺人事件』、『蒼ざめた馬』、『忘られぬ死』、『魔術の殺人』、『殺しのブラウンスーツ』、『カリブ海の秘密』、『死者のあやまち』、『殺人は容易だ』などのTVM群も取り上げられています。
紙数の関係もあるので細かいデータはありませんが、ロシアやインドで製作されたものや、日本で翻案されたもの、更には舞台劇やラジオドラマにも触れているあたりは凄いですね。

全世界で「聖書」に次いで読まれているというクリスティーらしく、映像作品も枚挙に遑がありません。
知らない作品も結構ありましたし、クリスティー作とは謳っていないものの、明らかに影響下にある作品も紹介していますので、これから色々と物色してみようかな、と思っています。
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by odin2099 | 2011-02-16 21:28 | | Trackback | Comments(0)
e0033570_20425169.jpgデアゴスティーニから隔週発売のDVDマガジン、第2号も買ってしまいました。
収録されているのは「ABC殺人事件」、Aで始まる街でAのイニシャルを持つ人物が殺され、続いてBの街でBの人が・・・という連続殺人が起こり、その犯人にポワロが挑戦するというものです。

1巻に収録されていた「ナイルに死す」より10年以上前に製作されているということで、続けて見るとちょっとヘンな感じもしますが、デビッド・スーシェのポワロ像は安定していますね。
出演している俳優さんは何れも知らない方ばかりですが、しっかりと作られているので見応えはあります。
それにフィルム撮りなのかな、ビデオビデオした画質じゃないのも嬉しいところです。

しかし、大塚智則、宮健一、弓家保則、内山森彦、大林丈史、西崎瞬、渡邊絵理、志摩淳、黒田眞奈美・・・と並ぶ吹替キャストも殆ど知らない人ばかり。
これで揃えるというのも些か辛いものがありますねぇ・・・。
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by odin2099 | 2011-02-11 20:43 | | Trackback | Comments(0)
e0033570_18515692.jpgデアゴスティーニから「ポワロ」のDVDコレクションが発売されました。
実はこのシリーズ、きちんと見たことがなかったので、良い機会かなと思って創刊号を購入。隔週発売で全65号まで続くようですが、これで全部揃うのかな。

ただ一時間枠で放送されたエピソードと二時間枠で放送されたものがあるのに、それを同じ一巻扱いで発売するのはちょっと納得いきませんがね。一時間枠のエピソードは2話で一巻とすべきだと思いますけれど。
しかも発売順は、製作・放送とも原作発表の順番ともまるで違うらしいのも混乱を招きます。
この創刊号収録の「ナイルに死す」は2004年、第2号の「ABC殺人事件」が1992年、第3号の「青列車の秘密」が2006年、第4号「アクロイド殺人事件」は2000年、第5号の「葬儀を終えて」が2006年の製作エピソードですから、これはどういう意図があるんでしょうか? 著名エピソードを優先という訳でもなさそうですし。

ともあれ、「ナイルに死す」を観ました。『ナイル殺人事件』として映画化もされた作品です。
映画版と比べると全然知らない役者さんばかりが出演していますが、余計な先入観がない分、かえって物語には入り込みやすいようにも思います。
お話も映画版より原作に忠実。
e0033570_18525756.jpgそれにエジプトでロケーションを敢行しているようで、画面もTVドラマとは思えないほど豪華。大作エピソードだからこそで、毎回毎回これだけお金をかけているわけではないでしょうが、こういう丁寧な作りならば人気が高いのも頷けます。

全部のエピソードを見たいものですが、創刊号は¥790でも第2号からは¥1,490。揃えるのはちょっと、というよりもかなり辛いものがありますね。
あと、吹替版は新しく作られているのかな、NHKで放送されたりDVDで既にリリースされているものとは違います。
熊倉一雄のポワロに格別思い入れはありませんが、大塚智則をはじめ、こちらもまた知らない人たちばかり。それも今後の購入に踏み切れないマイナス要因ですねえ・・・。
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by odin2099 | 2011-01-30 18:54 | | Trackback(1) | Comments(0)
裕福な未亡人ローラ・ウエルマンが亡くなった。残された家族は姪のエリノア・カーライルと、義理の甥にあたるロディー・ウエルマンだけだったが、連れあいの甥であるロディーには相続権がなく、またローラは遺言書を作っていなかったので全財産はエリノアが受け継ぐことになる。
エリノアとロディーは婚約していたが、金目当ての結婚だと見られることを嫌ったロディーはその破棄を申し出る。
だがそれにはもう一つ理由があった。ウエルマン家の門番の娘メアリイ・ジェラードに、ロディーの心が移ったのである。

やがてエリノアが作ったサンドウィッチを食べたメアリイが死に、体内からは毒物が検知される。嫉妬に駆られた殺人だとしてエリノアは逮捕され、更にローラ殺害の嫌疑まで掛けられることに。
何故ならば、もし遺言書が作られていたとしたら、ローラは全財産を可愛がっていたメアリイに残していたかもしれなかったからだ。
ローラの主治医だったピーター・ロードはエリノアの無実を信じ、その調査をエルキュール・ポワロに依頼するが、その前にはエリノアの有罪を裏付ける証拠や証人ばかりが集まるのだった・・・。

e0033570_20332854.jpg一人称の小説ではないもののエリノアの視点で語られる部分が多く、はたしてエリノアは殺人犯なのか、それとも真犯人は他にいるのかという謎解きよりも、ロディーに、ローラに、そしてメアリイに対する時のエリノアの心の動きを追ったミステリーといった感じの作品。
「女心はミステリー」と言ってしまうと俗っぽい表現すぎるかも知れないが。

エリノアの内面描写は多いものの、常に語られているわけではないので、その時その時に本当はどんなことを考えていたのか、時にエキセントリックに見える言動をとるのは何故なのかはぼかされたまま。
そして彼女を取り巻く様々な人物が登場し、それぞれがエリノアやメアリイに対する異なった考えを披露するので、一体彼女たちがどういう人物だったのか、読み手のイメージも揺らいでしまう。ということは、作者の思う壺にまんまと嵌ってしまっているということなのだろうけれども。

ポワロの推理も遅々として進まない印象を受け、何となく宙ぶらりんのまま舞台は法廷へと移り、ここで急転直下の怒涛の展開を見せるのだが、そこでもポワロの推理は披露されず(場面が切り替わり)、物語が結末を迎えたあとで改めてポワロの口からピーターに対して語られるというのは少々物足りなさを覚えるものの、余韻と言う点では良かったのかなと思う。
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by odin2099 | 2011-01-20 20:33 | | Trackback | Comments(0)
弁護士ウイルフリート・ロバーツ卿の元を、レナード・ボウルという青年が訪ねてきた。資産家の老婦人エミリー・フレンチ殺害事件の容疑者となってしまった為、弁護を依頼しに来たのである。
彼の弁護を引き受けたロバーツ卿だったが、フレンチ婦人の巨額の遺産の相続人になっていたことから、金銭的に困っていたレナードには充分に動機があり、住み込みの家政婦ジャネット・マッケンジーは、事件当日にレナードが来ていたことを証言するなど、状況は不利なものばかり。しかも犯行時間のアリバイを証明出来るのは、彼の妻ローマインだけなのだ。
しかし”検察側の証人”として出廷した彼女は何故か夫に不利となる証言を始め、困惑するレナードはますます窮地に追い込まれて行く。
果たしてローマインの狙いは何なのか? そしてレナードは本当に無実なのか?

原作はアガサ・クリスティーの戯曲、原作翻訳は中島アニータ・さくら、上演台本・演出は星田良子。
出演は浅丘ルリ子、風間トオル、鶴田忍、菅野菜保之、伴美奈子、石村みか、高嶋寛、紘貴、松金よね子、渡辺徹。
ル・テアトル銀座にて鑑賞。
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映画の『情婦』、TVドラマの『検察側の証人』は観ましたが、元は戯曲(更に言うなら、その原型は短編小説)。となればやはり舞台版は観ておきたいもの。
折り良く上演されることになったので、早々にチケットを取って臨みました。おかげで(?)2列目という、あまり見易いとも言い難い席に・・・。

e0033570_2256476.jpg戯曲の方はちゃんと読んだことはないのですが、パラパラ捲る限りでは、登場人物がかなり省略され、構成も幾分か変更があるようで全体的にコンパクトになった印象ですが、そのあたりの改変はクリスティー自身も容認していたようですな。

驚いたのはロバーツ卿が病み上がりという設定が一切ないこと。二つ観た映像版では重要なキャラクターで、アクセントにもなっていた看護婦も出てきません。短編小説版にもいないようなんですが、ではあのキャラクターを創造し、ロバーツ卿を気難し屋の老人に設定したのは誰なんでしょうか?

その結果、ラストシーンが随分違うものになっています。
映像版では、新たな事件の弁護士として活動を始めるロバーツ卿の姿で締めくくり、嫌でもクライマックスのテンションを持続させてある種の壮快感を持たせたままで終わりますが、戯曲版ではドロドロとした情念を引き摺ったままで幕を閉じます。
どちらが好きかと言うと・・・これは映像版の方に軍配を上げたいと思います。

さて、今回の舞台版。所々で笑いを誘う箇所もあるのですが、何か変なタイミングで笑いだす観客がいたので、かえって醒めちゃいました。こういうのは難しいですねえ。
それにいわば”変身”シーンなど、浅丘ルリ子は流石の存在感なのですが、やはり風間トオルと夫婦役と言うのはバランスが悪すぎます。元々年上という設定ではありますが、これでは哀れさが強調されすぎですね。フレンチ婦人ならば良かったのですが・・・。

一方で松金よね子はイメージ通り。
渡辺徹も悪くはなかったですが、映像版のチャールズ・ロートンやラルフ・リチャードソンと比べてしまえば、どうしても貫禄不足に思えますね。老獪な弁護士すら騙すキー・パーソン、が作品の肝なのですが、これではちょっとした芝居も見抜けないマヌケな弁護士に見えてしまいます。まあ、これは演出の故なのでしょうが。
そして風間トオル。最後に二面性を見せて欲しいところだったのですが、今一つ意外性に乏しかったようで・・・。

お芝居としては面白かったのですが、キャスティングには総じて不満が。
別キャストで上演される機会があれば、また観に行きたいです。
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by odin2099 | 2010-11-23 22:57 | 演劇 | Trackback(1) | Comments(0)
なんともストレートな邦題だが、これでは原作がアガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』だとは、なかなか気付かないだろう。かくいう自分もすっかりスルーしてしまっていた。

e0033570_23221720.jpg映画化はこれが2作目となるようで、舞台は雪に閉ざされた山荘に変更、招かれたメンバーも、その告発内容も微妙にアレンジが施されている。
ダドリー・ニコルズが書いた前回(1945年版)の脚本を元に、ピーター・イェルダムとピーター・ウェルベック(ハリー・アラン・タワーズ)が執筆。
監督は『ミス・マープル/夜行特急の殺人』などを手掛けたジョージ・ポロック。

DVDのパッケージには「オールスター・キャストで映画化!」と謳われているが、ヒュー・オブライエン、シャーリー・イートン、フェビアン、レオ・ゲン、スタンリー・ホロウェイ、ウィルフレッド・ハイド=ホワイト、ダリア・ラヴィ、デニス・プライス、マリアンヌ・ホッペ、マリオ・アドルフ・・・と、一体何人のスターがいるのやら。
なお、オーウェン氏の声はクリストファー・リーらしい。

主役二人のラブロマンスが強調されていたり、アクション物の要素が加味されていたり、再三「部屋に鍵を掛ける」という科白がある割に、犯人含めて登場人物たちがフリーパスで部屋を行き来しているのが不自然だったり、「テン・リトル・インディアン」の歌詞からは逸れた展開になったり、真犯人が勝手に死んじゃう詰めの甘さが気になったり、音楽がどことなく陽性でそぐわない部分があったり・・・と色々あるものの、白黒映画ならではの緊迫感と相まって、1時間半はそれなりに楽しめる作品になっている。
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by odin2099 | 2010-11-21 23:23 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

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