【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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e0033570_22144067.jpg確か前巻のあとがきでは、ノスフェラスが中心だからグインの出番が減るかも、などというコメントが載ってましたが、蓋を開けるとグインの出番は全くありませんでした。本当にノスフェラス中心。ただし冒頭部分の舞台はケイロニアで、イシュトヴァーンが遂にモリダニアのアリストートス、つまり軍師アリと出会い、王位簒奪へ一歩踏み出す様が描かれています。


本編ではアルゴスの黒太子スカールと草原の民グル族の戦士たちの、ノスフェラスでの決死行がメインとなりますが、ここにシバをはじめとするセム族の懐かしいメンバー、僅かの期間で伝説を残していったグインの足跡などが語られていきます。
そして<北の賢者>ロカンドロスに導かれ、ノスフェラスの奥深くグル=ヌーに辿り着いたスカールが見た物は――?!
ということでネタバラシの一部が行われるのですが、スカールたちこの世界の住人には全くもってチンプンカンプンでも、ずっと付いてきた読者にとってはグル=ヌーがどういうところかは薄々察していたもので、新発見というよりは「ああ、やっぱりね」という確認に近いものでした。


この結果グインはともかくとして、ナリスと違ってイシュトヴァーンやアムネリスらと同様、サーガを引っ張る重要人物ではあっても、この世界の根幹には関わらないであろうと思われていたスカールが、望むと望まぬとに関わらず、大切な<鍵>となってしまいます。


これまで1~5巻、6~10巻、11~15巻…でまとまらずに16巻に踏み出したものの、一応は5巻ごとに小さなエピソードが完結して次の舞台へ、という構成だった<グイン・サーガ>。16乃至17巻からケイロニアを舞台にしたエピソードがスタートしているのですが、ノスフェラス舞台の変則的なこの19巻を挟むことによって、この法則性から大きく外れることとなります。


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by odin2099 | 2015-02-13 06:30 | | Trackback | Comments(0)

久々に読むので前のお話、忘れちゃった…。

e0033570_18474291.jpgえー、グインは千竜将軍ダルシウスの元で傭兵として暮らし、仲間たちからも一目置かれ、将軍からの信頼も得、噂を聞きつけたアキレウス大帝直々の御召に応じケイロニア宮廷デビュー。ここで終生の友ランゴバルド候ハゾスと出会います。また偶然目撃したサイロンの怪異の謎を突き止めんとする途上で、<闇の司祭>グラチウス、<ドールに追われる男>イェライシャとも巡りあいます。


またマリウスが出会ったルビナという少女が実はケイロニアの皇女シルヴィアであり、謎めいた美貌の剣士イリスがどうやら人知れず育てられたアキレウス大帝の”皇子”であるらしいことも判明し、グイン共々王位を巡る陰謀に巻き込まれることに。


一方、自らのプライドをかなぐり捨てて助力を請うたものの、それを断られたことでイシュトヴァーンとグインは決定的な破局を迎え――と、舞台がケイロニアに移って2冊目ということで怒涛の展開。新顔さんはバンバン出てくるし、グインの謎の一端に触れられたり、何気にマリウスの正体バレの伏線も貼られたり……。

この「ケイロニア篇」の最後にグインがマリウスの正体を看破するシーンがあるのですが、この頃から既に勘付いていたいたんですな。

さて、これからちょっとペースを上げて読まないと…! 
「続篇プロジェクト」も着々と進行しているし。


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by odin2099 | 2014-12-27 18:49 | | Trackback | Comments(0)
e0033570_20512646.jpgグイン、マリウス、イシュトヴァーンの3人は、放浪の末に北の大国ケイロニアへ。
そこでグインは十二選帝侯の一人ダルシウスの元で傭兵となり、マリウスもサイロンの街でしばらく落ち着くことに。しかし2人はそれぞれ別にケイロニアの貴族である赤毛のバルドゥールに因縁をつけられ、またマリウスは謎の剣士イリスと運命的な出会いをするのだった。
一方で自らの野望の為グインの助力を求めようとして得られなかったイシュトヴァーンは、遂にグインと決別の時を迎える…?

外伝の『イリスの石』や『氷雪の女王』などの冒険を経て、遂に本篇に帰ってきた”主役”のグイン。辿り着いたケイロニアで温かく迎えられる一方で、新たな因縁も持ち上がるという”新章開幕”の一冊。
ナリス主体で物語がどんどん進んで行くのも良いけれど、やはり主人公はグインなのだなと改めて認識させてくれた。これよりしばらく、舞台はパロ、ゴーラ(クム、ユラニア、モンゴール)と共に三大国を構成するケイロニアへと移って行く。
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by odin2099 | 2013-05-13 20:51 | | Trackback | Comments(0)
<グイン・サーガ>の外伝というか枝サーガの一つ<トワイライト・サーガ>の後編で、「リリス」「カナンの試練」「ルカの灰色狼」「迷路島」「死者の珠」の5編を収録している。

e0033570_21124852.jpg基本的には作者がプロデビューする前に書かれたものだが、この下巻に収録されている「死者の珠」だけは単行本が出版されるにあたって書き下ろされたもの。それぞれは時系列を離れた独立した短編作品なのだが、この一篇だけは「カナンの試練」のストレートな続編となっているのが異彩を放つ。

いずれにせよ、習作時代とは思えない完成度の高さに驚くが、同じ世界を舞台にしているとはいえ<グイン>との違いは明確で、もしかすると作者の本音というか本来の趣向はこちらにあったのかと思わせる。

イラストを提供した天野喜孝からは第3弾執筆の要望が出ていたようで、作者自身は困惑していたようだが、それも作者の逝去によって永遠に叶わぬ夢となった。<グイン>本編と何らかの繋がりが明らかになるような物語も読んでみたかったものである。
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by odin2099 | 2012-12-11 21:14 | | Trackback | Comments(0)
全5話からなる<グイン・サーガ>初の短編集。

「湖畔にて」は幼い頃、マルガの離宮でひと夏を過ごすマリウスことアル・ディーンを中心に、アルド・ナリスとの関わりを描いている。何も知らず幸せな生活を送っていたディーンが、ある切っ掛けで兄とのポジションを意識して行くようになっていく。この兄弟の屈折した感情のもつれは、この夏から芽生える。

「風の白馬/レムスの恋唄」は、友邦アルゴスにあってパロ奪還の軍を起こす前、様々な想いに囚われているレムスが主人公。ヒロインの名前がリン・メイなので「マクロスかよ?」と当時思ったことを思い出した。かなり残酷でありながら、同時に爽やかな印象も残す一篇である。

e0033570_210912.jpg「時の封土」は『小説新潮』誌上で行われた、12カ月に亘って12の異なるジャンルの短編を連載する、という企画の一環で執筆されたもので、それらをまとめた『十二ヶ月』という短編集にも収録されている。グインとマリウスが旅の途中で時間と切り離された世界へとさ迷いこむという内容で、時系列的には外伝2の『イリスの石』より後ということになるのだろう。ただもう一人の相棒イシュトヴァーンが不在なので、外伝4『氷雪の女王』との関係性は不明。それともあくまで”番外編”として捉えるべきなのだろうか。

「白魔の谷/氷雪の女王再び」は、その『氷雪の女王』のストレートな続編。あのお話は唐突に終わってしまい、その結末はこちらに持ち越しになっているのだが、もしかすると書いているうちに予定の枚数をオーバーし、泣く泣くカットした部分を短編として独立させたのだろうか、などと勘ぐってしまうのだけれども、真相は如何に?

「樹怪/黄昏の国の戦士」、こちらはグインのシルヴィア皇女探索行の中での冒険で、本編では44巻から67巻、外伝では10巻から16巻までのどこかに入るであろう一挿話。作者が本来やりたかったのは、こういう物語なのかな。「時の封土」もそうだが、キャラクターを入れ替えるとそのまんま<トワイライト・サーガ>としても使えそう。
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by odin2099 | 2012-11-16 21:02 | | Trackback | Comments(0)
≪北の賢者≫ロカンドロスを探し求めるグイン、自らの野望のため軍資金を欲しているイシュトヴァーン、そしてグインの伝記作家を標榜するマリウス。この3人による外伝2『イリスの石』に続く珍道中。思えばマリウスもイシュトヴァーンも、この頃が一番好感が持てたなあ。

e0033570_18353188.jpgヴァルハラやミズガルド、ヨツンヘイムなどの地名が出てくるけれど、全体的に北欧神話っぽいエピソード。というより、グインで北欧神話をやりました、という方が正しいのかも知れない。
そのせいかどことなく借り物の世界という感じがしてならないが、それでつまらないというワケではないのは<グイン・サーガ>の幅の広さ、あるいはグインというキャラクターの持つパワー故かな。

ちなみに表紙にも登場している”全裸の美少女”「氷雪の女王」ことクリームヒルドさんですが、出番は最後の第四話のみ。一話、二話は直接関係ない長い前振りであります。
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by odin2099 | 2012-11-13 18:35 | | Trackback | Comments(0)
e0033570_1011178.jpg嵐の海に投げ出され、消息不明となったグイン。残されたイシュトヴァーン、リンダ、レムスは漂流する船の中にいた。そしてイシュトの想いは、幽霊船と遭遇した16歳の頃に――。

ヴァラキア公弟オリー・トレヴァンと悶着を起こしたイシュトは、以前から何かと気にかけてくれていたカメロンが船長を務めるオルニウス号へと逃げ込んだ。だがオルニウス号はヴァラキア大公ロータス・トレヴァンの密命を受け、”幽霊船”の謎を追い出航するところだった・・・。

イシュトが故郷ヴァラキアを出奔することになるエピソードで、本編では8巻の途中に挟み込まれる形の回想でスタート。”幽霊船”は謎の怪物クラーケンが操っていたのだが、その肝心のクラーケンの正体には触れられずじまいだったのが、ある意味で<グイン>らしいのかも。

オルニウス号の乗組員たちと仲良くやったり、タルーアンの女ヴァイキング、ニギディアに可愛がられたりと、この頃のイシュト「は」大好き、という声も聞かれるけど、やっぱり自分はこういうヤツは大っ嫌い。というか許せない気分になってしまうなあ。
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by odin2099 | 2012-09-30 10:01 | | Trackback | Comments(0)
『グイン・サーガ・ワールド』の5巻が刊行されました。<グイン・サーガ続篇プロジェクト>の第2期がスタートした訳です。
そして遂に五代ゆう『パロの暗黒』、宵野ゆめ『サイロンの挽歌』の2作品、<グイン・サーガ>正篇続篇の連載が始まりました。
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絶筆となった130巻の直接の続きではないものの、やはり正篇の続きともなると複雑な心境になりますねえ。今のところ、二人の作家がそれぞれ「パロ」編と「ケイロニア」編の続きを別々に書き継いでいくとのこと。いずれどこかで合流することもあるのでしょう。

また合わせて『グイン・サーガ・ワールド』第1期の1~4巻に連載されていた久美沙織の『星降る草原』が、<グイン・サーガ外伝>23巻として出版されましたが、こちらもウーン・・・。
未完と思われた作品が語り継がれていくのは嬉しい反面、そのまま<グイン・サーガ>の新刊としてカウントされていくのはどうかなあという気がしますし、一方でこれが<新グイン・サーガ>などと冠されていたら、それはそれで不満を抱いたことでしょうし・・・。

ともあれ、現在<グイン>再読中ですので、この新刊を読むのは当分先のこと。その頃には個人的なわだかまりがすっかり解消されているやも知れません。
シェアワールドと化した<グイン>の世界を、楽しみたいと思います。
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by odin2099 | 2012-09-08 17:46 | | Trackback | Comments(0)
ジェイナスの禁忌に触れ贖罪の流離をしなければならなくなった<パロスの闇王国>の王子ゼフィールと、王子に付き従う草原の国トルースの貴族だった戦士ヴァン・カルスの冒険を描いたヒロイック・ファンタジーの前編。表題作「カローンの蜘蛛」をはじめ、「蛇神の都」「滅びの島」「暗い版図」「双子宮の陰謀」の5編を収録している。

e0033570_024393.jpg<グイン・サーガ>の外伝というか”枝サーガ”の一つで、グインらが活躍した時代より何千年か未来の話とのこと。ジェイナス(ヤヌス)、ドール、モスなどの神々や、パロス、トルース、カウロス、アグラーヤといった国の名に共通するものが見受けられるが、<グイン>と比べると魔道や魔術、魑魅魍魎が人々にとって近しい存在となっている。

文化や文明の点では両世界にさほどの差は感じられず、どちらかというと神々が直接介入してくる<トワイライト・サーガ>が過去世界、<グイン・サーガ>の方が開かれた神々が立ち去ろうとしている世界のように感じられる。同じ世界の過去と未来というよりは、やはり別世界の物語と捉えた方が良いのだろうか。
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by odin2099 | 2012-07-03 21:29 | | Trackback | Comments(2)
作家・栗本薫が亡くなって昨日で3年になります。
まだ3年なのか、もう3年なのか・・・。

作家・栗本薫だけでなく評論家・中島梓としても活躍していたことから、忌日を「梓薫忌(しくんき)」と呼ぶことを初めて知りました。
<グイン・サーガ>と<魔界水滸伝>ぐらいしかきちんと読んでおらず、他にも読みたい作品は色々とあるのですが、段々と入手が難しくなっているようで。最近『絃の聖域』の新装版が出ましたが、これを機に他の作品も続々と復刊されると良いのですが。

そういえば<グイン・サーガ>に何やら動きがあるようで。
「グイン・サーガ・ワールド」のように他の作家によって作品世界を語り続けていくというプロジェクトが始まるのか、あるいはアニメ版の第二部の製作が決まったのか、それともそれとも・・・?
いずれにせよ、まだまだ<グイン・サーガ>が終わらないのは嬉しいです。
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by odin2099 | 2012-05-27 18:49 | 雑感 | Trackback | Comments(0)

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