【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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e0033570_20444974.jpg1954年の『ゴジラ』から1969年の『コント55号宇宙大冒険』までの東宝特撮映画から、作品に登場した都市風景――画面の片隅に映し出されていたり、撮影に使われたり破壊された建物等々をピックアップして検証し、当時の姿と今とを比較した研究本、ということになりますか。

ミニチュアで再現されたものに関しても、それが実在するものなのか、それとも架空のものなのかといった考察も加えられていますので、これから作品を観る上での興味が増すというものです。
ロケ地を散策するお供としても使えるかな。

コラムとして他の特撮映画やTV番組(「ガメラ」シリーズや『宇宙大怪獣ギララ』、『大巨獣ガッパ』、『宇宙人東京に現わる』、『月光仮面』、『ナショナルキッド』、『黄金バット』、『ウルトラQ』、『マグマ大使』等々)にも触れられていますが、その辺りはいずれ稿を改めて発表して欲しいものです。
そして1970年代の空前の第二次怪獣ブーム、変身ブームの作品群をも。
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by odin2099 | 2014-12-05 20:52 | | Trackback | Comments(0)

伊福部昭の映画音楽をフルオーケストラで!というコンサートも今回で3回目、最終回です。
今回もオーケストラ・トリプティークの熱の入った演奏を堪能しましたが、それに加えて伊福部昭百年紀合唱団も参加。混声合唱付きのまことに贅沢なものとなりました。


e0033570_20253816.jpg演奏曲目は、まずは「北海道二題」と題された曲目で、これは「HBCテレビ、放送開始と終了のテーマ」、それに「北海道讃歌」を組み合わせたものから始まります。
続いて「≪大怪獣バラン≫組曲」、「≪ゴジラ≫組曲 改訂版」と続き、休憩を挟んで「≪モスラ対ゴジラ≫組曲」、「≪キングコング対ゴジラ≫組曲」、そして最後が「≪海底軍艦≫より」という選曲でした。


『大怪獣バラン』ではあの「バ~ラダギ、バラダギ」という曲、『ゴジラ』改訂版は「平和への祈り」(安らぎよ~というやつ)、『モスラ対ゴジラ』は「聖なる泉」と「マハラ・モスラ」、『キングコング対ゴジラ』ではおなじみ「ア シ アナロイ アセケ サモアイ…」のメロディーは混声合唱で歌われます。
他の楽器とのバランスからか今一つ聴きづらい(埋没してしまっている)部分もありましたが、それも生ゆえ、でしょう。


一部ではスペシャルゲストとして宝田明さん登壇。とても80歳には見えない若々しさ。再編集版である『怪獣王ゴジラ』に対する不満点などなど、短時間でしたが熱いトークでした。
最初は自分の席の2列ほど前、すぐ近くに座っていたのですが、途中で姿が見えなくなったので帰られたのかなあと思ったのですが、終演後には即席のサイン会も行った由。移動されただけだったのか、それとも楽屋で休まれていたんでしょうかね。


アンコールはなんと『キングコング対ゴジラ』のアノ曲。
最初に歌唱指導があり、その後でみんなで歌いましょう、という企画。
立ち上がって歌いましたよ
 A si anaroi Aseke Samoai
 A si anaroi Aseke Samoai
 Ke Kelekena Ke Kelekena
 Ina mang fanadoro Sagutia……
わざわざ配られたプログラムの後ろに歌詞まで載っていました。
指揮者の齊藤さん曰く「この中にはソラで歌える人もいるでしょうが」に場内爆笑。
流石にCDには収録されないでしょうが(今回もライヴ盤が発売予定とのこと。2枚組ならば可能性もあり?)、それでも愉しい思い出です。
14時過ぎからスタートしたコンサート、終わったホールを出たのは16時半近くになっていました。

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振り返ってみるとあっという間の3回のコンサート。今回は比較的早めにチケットを取りましたが、全部参加足を運ぶことが出来たのは望外の喜びです。
これで終わってしまうのは勿体ないですし、主催側もVOL.4、VOL.5…の構想はあるようですが、資金面では相当苦労されている様子。支援企業や個人を募るようです。
そういや今日のすみだトリュフォニーホールも、特に後ろの方ですがかなり空席目立ちましたからねぇ…。
何とか続けて欲しいですし、他の作曲家や作品でもやって貰いたいものです。


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by odin2099 | 2014-11-24 20:30 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

e0033570_19405061.jpg日米合作で「ゴジラ」の3D映画の企画が持ち上がってると聞いたのはいつ頃だっただろうか。『ゴジラ対ヘドラ』をベースにした一種のリメイク・ストーリーということもあって期待度は低く、そもそも実現性も高くないだろうと静観を決め込んでいたが、その企画が廻りまわって製作されたのが今回のハリウッド版である。

アメリカ製の「ゴジラ」といえば既に1998年に公開されたトライスター版があり、興行的にも悪くはなく一本の娯楽映画としても決して駄作だとは思わないが、如何せん多くの人が考える「ゴジラ」像とは隔たりが大きく、日本のみならずアメリカでも評判は芳しくなかった。
今回は権利がレジェンダリー・ピクチャーズに移り、さてどうなりますことやら。

小さなディティールを積み重ね、それが次第に形を露わにしていく。その見せ方は定石通りで、いきなり大きな謎をバン!と見せ、その興味で引っ張って行った前回作に比べると東宝特撮モノの雰囲気に近い。また人知を超えた怪物の恐怖感、巨大感の表現も悪くなく、何よりもゴジラのフォルムが本家に敬意を表したものだったことも嬉しい。


e0033570_19410481.jpg「モンスター映画」ではなく立派に「怪獣映画」になっている本作、煩型のファンも納得、というのは何となくわかるのだが、ただ個人的には今回も「ゴジラ」映画を観た!という興奮と感動は味わえなかった。前回と違い、今回は速やかに続編の製作が決定したようだが、高揚感はあまりない。


【ひとりごと】
鳴き声をオリジナルの物と差し替え、登場シーンに伊福部メロディを流せば、「ああ、ゴジラ映画だ」と感じられたのだろうか?
いや、答えはノーだろう。
ゴジラ自体に主体性が感じられず、その出自もムートーとの因縁も得心行くものではなく、ただいるだけ。しかも人類は何故「救世主」などと崇め奉ろうなどと考えたのだろうか。


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by odin2099 | 2014-07-26 19:44 |  映画感想<カ行> | Trackback(47) | Comments(4)
伊福部昭の映画音楽を、オリジナルスコアに基づいてオーケストラが奏でるというコンサート、2回目の今回も結構ギリギリになってチケットを取りました。
構成:鹿野草平、監修:井上誠、企画:西耕一、スペシャル・アドバイザー:西脇博光、
指揮:齊藤一郎、演奏:オーケストラ・トリプティークは前回同様、会場は今回なかのZERO大ホールへと変更になりました。

e0033570_20191515.jpg曲目は前半が「ジャコ萬と鉄」組曲、「佐久間ダム」組曲、「ドゴラ」組曲、後半は「ラドン」組曲、「宇宙大戦争」組曲、「ゴジラVSメカゴジラ」組曲という構成。観たことのない『ジャコ萬と鉄』や『佐久間ダム』はどこかで聴いたことのあるフレーズが多用されているとはいえ若干厳しいものがありましたが、『宇宙大怪獣ドゴラ』では「ミュージカル・ソウ」なる珍しい楽器を生で拝聴する貴重な機会を得、後半のプログラムでは『空の大怪獣ラドン』を筆頭にマーチ祭りを堪能!

特に圧巻だったのは『宇宙大戦争』のクライマックスで、前回の演奏でも大迫力だったパーカッション勢が今回も大活躍。その前の「ラドン追撃せよ」あたりでもイケイケドンドンぶりに圧倒されましたが、『宇宙大戦争』はその比じゃないくらい怒涛の大進撃!!といった感じ。オーケストラの皆さま、真にお疲れさまでした、という次第です。その後の『ゴジラVSメカゴジラ』が大人しく聞こえるくらいでした。

なお今回の演奏も録音されCDが発売されるとのこと。
そのせいなのか今回のコンサートではアンコールがありませんでしたね。
前半が45分くらい、15分の休憩を挟んで後半は60分強という演奏時間だったので、MCを除いたり曲間を詰めてもCDのキャパを超えるかギリギリになってしまいそう…。

さて、次回のコンサートは11月。
今度は『キングコング対ゴジラ』や『モスラ対ゴジラ』、『大怪獣バラン』などがラインナップに上がっています。
行きたいなあ。

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by odin2099 | 2014-07-23 20:23 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

先日<デジタルリマスター版>で1954年の第1作『ゴジラ』を観直しましたが、それで観てみたくなったのがこのシリーズ22作目『VSデストロイア』
2作目から15作目までの作品を「なかったこと」にし、1作目に直結するストーリーとして作られた1984年版『ゴジラ』を受け『VSビオランテ』から始まったシリーズは、<平成シリーズ>や<VSシリーズ>と呼ばれて一定の人気を得ましたが、トライスター版『GODZILLA』へバトンタッチするべく幕引きをすることになり、それで作られたのがこの作品。
併せて第1作からの「ゴジラ」シリーズ全体の完結編としても構想されています。


e0033570_17255617.jpg改めて感じたのは、ドラマ部分は結構しっかり出来てるんだなあ、ということ。三枝未希だけでなく、Gフォースの麻生司令官や特殊戦略作戦室の黒木ら、過去作品にも出ているキャラクターは、シリーズの重みを感じさせる描かれ方がなされているし、何といっても第1作のヒロイン山根恵美子の再登場が大きいですね。
「幸福に暮らせよ」が芹沢博士の遺言でしたが、結局恋人だった尾形とは結ばれなかったという設定は、1作目を見直した後だとすんなりと来ます。


その分残念だったのがデストロイアの設定、デザイン、造形、描写。
ビジュアル的には『ガメラ2』のレギオンの二番煎じに思えてしまうし、肝心のオキシジェン・デストロイヤーとの関係も劇中ではわかりづらいもの。
悪魔的風貌の最強怪獣というインパクトはありますが、ゴジラジュニアをいたぶってゴジラに怒りをぶつけられるなど、ゴジラのパワーを描くためだけの存在になっている気がしますね。
物語の構造上、最後は「ゴジラ死す」で終わらざるを得ないので、作中の色々なモヤモヤを全てぶっつけて、それを受け止めて消えていく存在として必要だったのでしょうけれど。


さて、新作『GODZILLA』公開が段々と近づいてきましたね。
これまでの処、あまりに評判が良いので逆に不安なのですが、なるべく早めに観てきたいと思います。先行上映とかないかなあ。

【ひとりごと】
公開からかれこれ20年近くが経つんですねぇ、つい最近の映画のような気がしますけど。
臨海副都心、まだ広々としてるし、携帯電話がでっかいでっかい…。


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by odin2099 | 2014-06-28 17:29 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

こちらは行かれなかったコンサート、3月30日に和光市民文化センター サンアゼリア 大ホールでのライヴ録音盤です。
行くつもりだったんですけどねえ……。

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収録曲は
 伊福部昭
 1.「ゴジラ」ファンタジー
 今井重幸
 2.交響組曲「神々の履歴書」より
 伊福部昭生誕100年によせる讃
 3.永瀬博彦 リズミックプレリュード
 4.藤田崇文 伊福部昭のモティーフによる北の舞
 5.和田薫 伊福部昭BOLERO
 伊福部昭
 6.EXPO'70「三菱未来館」より嵐、火山
 7.マリンバとウインド・アンサンブルのための「ラウダ・コンチェルタータ」
 8.交響ファンタジー「ゴジラVSキングギドラ」より
 9.SF交響ファンタジー第1番より
以上。


個人的にはいまいちピンとこないプログラム構成だったりもしますけど、やはり生で聴いておきたかった…!


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by odin2099 | 2014-06-18 20:07 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
e0033570_20221946.jpg今年の2月1日、すみだトリフォニーホールで行われたコンサートのライヴCDが発売中です。

「銀嶺の果て」「国鉄」組曲「ゴジラ」組曲「海底軍艦」組曲「地球防衛軍」組曲、そしてアンコールで演奏された交響ファンタジー「ゴジラVSキングギドラ」まで、そのまんま収録されています。

当日、生で聴いた身としては、どんなに音質がクリアであろうとも、あの迫力、興奮までは到底再現しえないところではありますが、それでも一世一代の名演奏とでもいうべき空間を、曲がりなりにも追体験出来ること、そして残念ながらその場に居合わせなかった人に、多少なりともあの空気を感じ取って貰えることは喜びであります。

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by odin2099 | 2014-06-17 20:24 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
e0033570_17032305.jpg1954年に製作・公開されてから60年、そしてハリウッド製の新作公開に合わせる形で、原点にして原典たる『ゴジラ』が再公開されました。
以前にも劇場のスクリーンで観たことはあるのですが、修復されたことで画面は鮮明に、音声もより明瞭になっています。
あたかも新作映画のように、という表現は嘘くさいので使いませんが、単に古いだけの映画ではなく見やすくなっているのは確かです。

今まで何度も観た作品ですが、いつもは古臭さが先に立ってゲンナリしてしまう部分が多かったのですが、今回は初めて最後まで集中して観ることが出来ました。
今まで観たことなかった人は、これを機に是非とも劇場の大きなスクリーンで観ることをお勧めします。スタンダードの画面サイズが不思議とワイドスクリーンのように見えてきます。

【ひとりごと】
でもね。
個人的な好みから言うと、やっぱりこの作品ってあんまり好きじゃないんだなあ。
この作品だけが「神聖にして侵すべからざる世紀の大傑作」というのは穿ち過ぎだと思うし。
……とかいうと「ゴジラ原理主義者」の方々からは非難されちゃうんだろうんだろうけど。

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by odin2099 | 2014-06-08 17:05 |  映画感想<カ行> | Trackback(11) | Comments(9)

今年は伊福部昭生誕百年ということで様々な催しが企画されているとのこと。その先陣を切ったのが今回のコンサートということになるでしょうか。
映画のために作曲された音楽を、オリジナルスコアを用いてコンサートで演奏するというのはかなり珍しい試みだと思われます。


プログラムは前半が
 「銀嶺の果て」より 3つのシーン
  メインタイトルと劇中音楽
 「国鉄」組曲
  国鉄/つばめを動かす人たち/雪にいどむ
 「ゴジラ」組曲
  メインタイトル/大戸島の神楽/大戸島のテーマ/嵐の大戸島
  フリゲートマーチ/ゴジラ東京湾へ/ゴジラの猛威
  決死の放送/ゴジラ迎撃せよ/帝都の惨状/エンディング


後半が
 「海底軍艦」組曲
  メインタイトル/ムウの警告/国連会議臨時招集/海底軍艦試運転1
  海底軍艦試運転2/真琴のテーマ1/挺身隊出動/真琴のテーマ2
  海底軍艦出撃1/海底軍艦出撃2/エンディング
 「地球防衛軍」組曲
  ミステリアン去る/第一次攻防戦/モゲラ出現/調査隊富士へ
  地球防衛会議/アルファ号とベータ号/攻撃準備/ミステリアンの報復
  マーカライト・ファープ/非難120km/電子砲猛攻撃/エンディング


そしてアンコールは「ゴジラVSキングギドラ」組曲という内容でした。


構成:鹿野草平、監修:井上誠、企画:西耕一、スペシャル・アドバイザー:西脇博光、
齊藤一郎:指揮、演奏はオーケストラ・トリプティーク、
すみだトリュフォニーホールでの鑑賞です。

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このコンサートは行こうかどうしようか散々迷い、かなりギリギリになってチケットを取ったのですが、生で聴いたのは正解でした。
オリジナルサウンドトラックだと録音状態や演奏技術等々もあり、あまり表に出てこないフレーズをしっかりと確認出来たという意義も大きいのですが、とにかく今回の演奏家たちのパワフルな熱演、これに尽きます。


弦楽器群の重量感、重厚感も良かったのですが、圧巻だったのはパーカッションの方たち。これでもかこれでもかと鳴り渡る太鼓は、ビリビリと耳に響きます。ここまで迫力ある音を体感したことはこれまでありませんでした。


それに演奏のテンポも良かったですね。サウンドラックの演奏は『海底軍艦』にしろ『地球防衛軍』にしろ、自分の好みからすると遅いのですが(先に『SF交響ファンタジー』に慣れてしまっている所為もあります)、今回は遅すぎず早すぎずの匙加減。


『銀嶺の果て』が組曲の構成としてはあっさりな気がするのと、馴染みのない『国鉄』(といってもフレーズは馴染みのあるものがありますが)で若干睡魔に襲われかけたものの、至福の時でした。


この日の演奏はCD用の録音も行われているとのアナウンスがありましたので、そのうちライヴ盤が発売されるかも知れませんが、さて生で聴いたこの興奮をどこまで再現してくれるものやら…。


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by odin2099 | 2014-02-02 18:28 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
ソニーがコロンビア・ピクチャーズを買収したのは1989年のこと。その後”新生”ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント(SPE)は、長い低迷の時期を送っていました。
著者は1996年にSPE再建のために送り込まれ、2000年に去る時は共同社長に昇格していたという人で、ビジネス書とも映画業界の裏話本とも取れる内容ですが、結構知らない話も多くて面白かったです。

e0033570_17165599.jpgトム・クルーズ主演の『ザ・エージェント』が再建へ向けての最初のヒット作だったことや、『GODZILLA』でキャラクター物の難しさを知ったことが後の『スパイダーマン』のヒットに繋がったこと、そしてその『スパイダーマン』誕生の裏側に『007』があったことetcetc…。
特に『007』の問題は当時かなり気になっていたので、そういう決着のつけ方だったとは今回初めて知りました。

これ、シリーズの1本『サンダーボール作戦』のみの映画化権を有し、かつてリメイク作『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の製作を実現させたケビン・マックローリーが再度の映画化を目論んでSPEに持ち込んだことから始まります。このニュースは映画雑誌などでも大きく取り上げられ、リーアム・ニーソン主演、ローランド・エメリッヒ監督、と具体的な名前も取り沙汰されていました。

当然本家『007』シリーズを製作しているMGM/UAは面白い訳はなく、両社の間の訴訟問題に発展しますが、実際に裁判になればSPE側が有利だろうと言われてました。
しかし異なる二社で『007』シリーズを作り続けるのは得策ではなく、最終的にはSPEが映画化権を譲るということで落ち着いたのですが、その際に交換条件としてMGM/UAからSPEに譲られたのが『スパイダーマン』の映画化権だったというのは初耳でした。
『スパイダーマン』は三作作られ、今また新たな四部作(?)が進行するほどの大ヒットとなりましたが、皮肉なものでその後MGM/UAは経営が悪化し、現在では『007』シリーズはSPEから配給されているんですけどね…。

他にも『セブン・イヤーズ・イン・チベット』を配給したことでソニー・グループ全体と中国の関係が悪化し、その解消に向けた動きから『グリーン・デスティニー』のヒットに繋がったことなど、これまであまり知られていない興味深いネタが色々と出てきますので、業界ゴシップ好きにも受ける一冊なのでは…?
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by odin2099 | 2013-11-17 17:16 | | Trackback | Comments(0)

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