【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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今年は伊福部昭生誕百年ということで様々な催しが企画されているとのこと。その先陣を切ったのが今回のコンサートということになるでしょうか。
映画のために作曲された音楽を、オリジナルスコアを用いてコンサートで演奏するというのはかなり珍しい試みだと思われます。


プログラムは前半が
 「銀嶺の果て」より 3つのシーン
  メインタイトルと劇中音楽
 「国鉄」組曲
  国鉄/つばめを動かす人たち/雪にいどむ
 「ゴジラ」組曲
  メインタイトル/大戸島の神楽/大戸島のテーマ/嵐の大戸島
  フリゲートマーチ/ゴジラ東京湾へ/ゴジラの猛威
  決死の放送/ゴジラ迎撃せよ/帝都の惨状/エンディング


後半が
 「海底軍艦」組曲
  メインタイトル/ムウの警告/国連会議臨時招集/海底軍艦試運転1
  海底軍艦試運転2/真琴のテーマ1/挺身隊出動/真琴のテーマ2
  海底軍艦出撃1/海底軍艦出撃2/エンディング
 「地球防衛軍」組曲
  ミステリアン去る/第一次攻防戦/モゲラ出現/調査隊富士へ
  地球防衛会議/アルファ号とベータ号/攻撃準備/ミステリアンの報復
  マーカライト・ファープ/非難120km/電子砲猛攻撃/エンディング


そしてアンコールは「ゴジラVSキングギドラ」組曲という内容でした。


構成:鹿野草平、監修:井上誠、企画:西耕一、スペシャル・アドバイザー:西脇博光、
齊藤一郎:指揮、演奏はオーケストラ・トリプティーク、
すみだトリュフォニーホールでの鑑賞です。

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このコンサートは行こうかどうしようか散々迷い、かなりギリギリになってチケットを取ったのですが、生で聴いたのは正解でした。
オリジナルサウンドトラックだと録音状態や演奏技術等々もあり、あまり表に出てこないフレーズをしっかりと確認出来たという意義も大きいのですが、とにかく今回の演奏家たちのパワフルな熱演、これに尽きます。


弦楽器群の重量感、重厚感も良かったのですが、圧巻だったのはパーカッションの方たち。これでもかこれでもかと鳴り渡る太鼓は、ビリビリと耳に響きます。ここまで迫力ある音を体感したことはこれまでありませんでした。


それに演奏のテンポも良かったですね。サウンドラックの演奏は『海底軍艦』にしろ『地球防衛軍』にしろ、自分の好みからすると遅いのですが(先に『SF交響ファンタジー』に慣れてしまっている所為もあります)、今回は遅すぎず早すぎずの匙加減。


『銀嶺の果て』が組曲の構成としてはあっさりな気がするのと、馴染みのない『国鉄』(といってもフレーズは馴染みのあるものがありますが)で若干睡魔に襲われかけたものの、至福の時でした。


この日の演奏はCD用の録音も行われているとのアナウンスがありましたので、そのうちライヴ盤が発売されるかも知れませんが、さて生で聴いたこの興奮をどこまで再現してくれるものやら…。


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by odin2099 | 2014-02-02 18:28 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
ソニーがコロンビア・ピクチャーズを買収したのは1989年のこと。その後”新生”ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント(SPE)は、長い低迷の時期を送っていました。
著者は1996年にSPE再建のために送り込まれ、2000年に去る時は共同社長に昇格していたという人で、ビジネス書とも映画業界の裏話本とも取れる内容ですが、結構知らない話も多くて面白かったです。

e0033570_17165599.jpgトム・クルーズ主演の『ザ・エージェント』が再建へ向けての最初のヒット作だったことや、『GODZILLA』でキャラクター物の難しさを知ったことが後の『スパイダーマン』のヒットに繋がったこと、そしてその『スパイダーマン』誕生の裏側に『007』があったことetcetc…。
特に『007』の問題は当時かなり気になっていたので、そういう決着のつけ方だったとは今回初めて知りました。

これ、シリーズの1本『サンダーボール作戦』のみの映画化権を有し、かつてリメイク作『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の製作を実現させたケビン・マックローリーが再度の映画化を目論んでSPEに持ち込んだことから始まります。このニュースは映画雑誌などでも大きく取り上げられ、リーアム・ニーソン主演、ローランド・エメリッヒ監督、と具体的な名前も取り沙汰されていました。

当然本家『007』シリーズを製作しているMGM/UAは面白い訳はなく、両社の間の訴訟問題に発展しますが、実際に裁判になればSPE側が有利だろうと言われてました。
しかし異なる二社で『007』シリーズを作り続けるのは得策ではなく、最終的にはSPEが映画化権を譲るということで落ち着いたのですが、その際に交換条件としてMGM/UAからSPEに譲られたのが『スパイダーマン』の映画化権だったというのは初耳でした。
『スパイダーマン』は三作作られ、今また新たな四部作(?)が進行するほどの大ヒットとなりましたが、皮肉なものでその後MGM/UAは経営が悪化し、現在では『007』シリーズはSPEから配給されているんですけどね…。

他にも『セブン・イヤーズ・イン・チベット』を配給したことでソニー・グループ全体と中国の関係が悪化し、その解消に向けた動きから『グリーン・デスティニー』のヒットに繋がったことなど、これまであまり知られていない興味深いネタが色々と出てきますので、業界ゴシップ好きにも受ける一冊なのでは…?
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by odin2099 | 2013-11-17 17:16 | | Trackback | Comments(0)
何度目か忘れちゃったけど…『ゴジラVSビオランテ』を再見!
最後の「ゴジラ」作品が公開されてからもう9年。中断期間としては最長タイ記録で、このまま行けば記録更新は間違いナシ!な現状。来年にはようやっとレジェンダリー・ピクチャーズ版『GODZILLA』公開が予定されているとはいえ、やはり純国産の「ゴジラ」が見たいという気持ちに変わりはない。
なんせ『VSキングギドラ』以降『ファイナル・ウォーズ』まで14年連続して「ゴジラ」乃至その関連作品が連続公開され、なんだかんだで毎回楽しみにしていたことを覚えているだけに、この不在は大きい。

e0033570_21375053.jpgで、「ゴジラ」成分補給のために選んだのが『VSビオランテ』
<チャンピオンまつり>は2回ほど行ったけど、前作の『84ゴジラ』は見に行ってないので、実はこの作品が本格的な「ゴジラ」劇場デビュー作だったりするし、やっぱり端的に言って面白いんだな、これが。劇場でも3回くらい見てる筈だし、トータルでは10回以上かなあ。
あまりの面白さ(?)に、一度見終わった後に脚本・監督の大森一樹と特技監督の川北紘一のオーディオ・コメンタリー付きでリピートしちゃったくらい。

ただメインキャストの内、田中好子、峰岸徹、金田龍之介と近年鬼籍に入られた方が多いのと、小高恵美が引退、高橋幸治も事実上引退状態なのが寂しい限りで、もう公開から24年も経ってしまったのだなあと痛感させられるし、しかも若くして亡くなられた方が多いのが、余計寂しさを募らせる。
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by odin2099 | 2013-11-09 21:40 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
二度目のリバイバル公開となったヴァージョンは、『モスラ対ゴジラ』のDVDに特典映像扱いで収録されとります。懐かしくなったので、ちょっと引っ張り出してきました。
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公開は1980年3月で、同時上映は『ドラえもん/のび太の恐竜』。こちらを見たくて映画館へ足を運びましたが、「ゴジラ」と「ドラえもん」の組み合わせはちょっと不思議。ただこの番組が実質的に最後の<東宝チャンピオンまつり>であること、それに当時はリバイバル・ブームで「ウルトラマン」や「仮面ライダー」が復活し、同時期に新作(?)『宇宙怪獣ガメラ』も公開されていたことを考えれば、不思議でもなんでもないのかも知れません。もっとも「ゴジラ」目当ての子どもたちは少なかったろうなあ。

e0033570_20321794.jpg不思議といえば新しく作られたポスターで、何故か松本零士が描き下ろしをしています。松本センセと「ゴジラ」の接点ってちょっと思いつかないのですが、こちらはアニメブーム、松本零士ブームに迎合した結果でしょうか。なんでも松本零士の構成だか監修だかで、ゴジラを始めとする東宝怪獣の総集編的な映画製作の企画があり、それの名残だとかいう話を聞いた覚えもありますが。

映画そのものは例によって短縮版です。
タイトル前に、モスラとゴジラが激突するハイライトシーンが「ゴジラ・タイトル」をBGMにしてかなり長めに挿入されますが、これは子どもの興味を一気に惹きつけようという狙いなんでしょうね。
そしてエンディングには映像なし・黒バックに「♪ゴジ~ラ、ゴ~ジラ、戦うゴジラ」という歌が流れてるんですが、この歌は記憶にありませんねえ。

もちろん、歌そのものは知ってます。というよりEPレコード持ってました。
歌と演奏はTALIZMAN、ゴダイゴの弟分とされてましたっけ。この一カ月後、『ウルトラマン80』の主題歌を歌っているのでご存知の方もいるかと思います。その後は『超人ロック』のイメージアルバムなんかも手掛けてましたし、リーダー兼ボーカルだった木村昇は「ハーリー木村」や「HARRY」の名前で『宇宙刑事ギャバン』の挿入歌や『科学救助隊テクノボイジャー』の主題歌を作曲したり歌ったりしてましたけど・・・今はどうしているんでしょうか。

e0033570_20342642.jpgで、ズバリ『ゴジラ』というこの歌なんですが、もしかすると自分が見た劇場では流さなかったのかも? エンドロールが終わるまで席を立たない主義なもんで、聞かずに劇場を後にすることは考えられないもので。

肝心の映画の方ですが、うん、面白かったですよ。
短くなってる分すごく密度が濃くなった印象。序盤の30分くらいで既に怒涛の急展開。ただ当時はやっぱり「ドラえもん」目当てだったので、ガマンして見ていたという記憶しかありませんが・・・。

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by odin2099 | 2013-01-08 20:38 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
NAXOSからリリースされている「交響戦艦シリーズ」に番外編が登場!
・・・って知りませんでしたよ、TSUTAYA限定発売だなんて。

e0033570_7105150.jpg現代ニッポンに現れた謎のヒーロー「名曲戦士フォルテマン」。彼の使命は、クラシック音楽のパワーで、疲れた大人たち のストレスをやっつけ、モチベーションを取り戻すこと。
「仕事のやる気が出ないよ~」「そんな君には…威風堂々ビーム!!!」 映画の戦闘シーン風の「火星」から、CMでもお なじみの懐かしの名曲「天国と地獄」まで、フォルテマンの繰りだすクラシックの数々が、俺たち大人のハートに元気をもたらす!


『交響戦艦ショスタコーヴィチ』『幻想魔神ハチャトゥリアン』『魔法革命プロコフィエフ』と並べるとネーミング・ルールが違うようで違和感あるけど、まあ戦隊シリーズの追加戦士みたいなもんかいな。
それに2枚組で¥1,980、これは安いぞ!
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【DISC1】は「Mission1 ~ 邪悪なストレスをやっつけろ!」
『SF交響ファンタジー第1番(抜粋)』<伊福部昭>、『バレエ音楽「ロミオとジュリエット」 Op.64 – モンタギュー家とキャピュレット家(抜粋)』<プロコフィエフ>、『仮面舞踏会 – ワルツ』<ハチャトゥリアン>、『組曲「展覧会の絵」 – バーバ・ヤガの小屋(ラヴェル編)』<ムソルグスキー>、『歌劇「サルタン皇帝の物語」 Op.57 – くまんばちの飛行』<リムスキー=コルサコフ>、『スキタイ組曲「アラとロリー」 Op.20 – 邪神チュジボーグと魔界の悪鬼の踊り』<プロコフィエフ>、『バレエ音楽「春の祭典」 – 第1部 春のきざし~誘拐』<ストラヴィンスキー>、『交響曲第11番 ト短調 Op.103 「1905年」 – 第2楽章(抜粋)』<ショスタコーヴィチ> 、『組曲「惑星」 – 火星:戦争の神』<ホルスト> 、『組曲「ペール・ギュント」第1番 Op.46 – 山の魔王の宮殿にて』<グリーグ>、『交響詩「禿山の一夜」(リムスキー-コルサコフ編)』<ムソルグスキー>、『戴冠式行進曲 Op.65』<エルガー>、以上12曲。

【DISC2】は「Mission2 ~正義のモチベーションをとりもどせ!」
『行進曲「威風堂々」第1番』<エルガー>、『喜歌劇「天国と地獄」 – 序曲(カンカン)』<オッフェンバック>、『歌劇「カルメン」 – 前奏曲(抜粋)』<ビゼー>、『歌劇「ウィリアム・テル」 – 序曲(スイス独立軍の行進)』<ロッシーニ>、『「キャンディード」 – 序曲』<バーンスタイン>、『行進曲「ダム・バスターズ」』<コーツ>、『歌劇「トゥーランドット」 – 誰も寝てはならぬ』<プッチーニ>、『歌劇「ローエングリン」 – 第3幕への前奏曲』<ワーグナー>、『組曲「惑星」 木星(ジュピター):快楽の神』<ホルスト>、『交響曲第3番 ハ短調 Op.78 「オルガン付」 – 第4楽章』<サン=サーンス>、『交響曲第6番 ロ短調 Op.74 「悲愴」 – 第3楽章』<チャイコフスキー>、『イギリスの海の歌による幻想曲 – 見よ、勇者は帰る~ルール・ブリタニア』<ウッド>の12曲、計24曲を収録。

のっけから「ゴジラのテーマ」は反則だと思うけど、こういう切り口のクラシック・アルバムは好き。結構色々持ってたりするので、これからもシリーズ続けて欲しい。
今回も何気に知らない曲がチラホラあったけど、こういう企画モノじゃなきゃ一生耳にしなかったかも。そういう点でも貴重だ。








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by odin2099 | 2012-07-09 07:15 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
55歳――ショックです。
この人がいなかったら、ゴジラやウルトラマン等を取り巻く環境は、今とは大きく違っていたかも知れません。

この人を中心に、聖咲奇、中島紳介、富沢雅彦、池田憲章、安井ひさし、原口智生、徳木吉春、西脇博光、金田益美、開田裕治、氷川竜介の諸氏が70年代末から80年代にかけて活躍しなければ、特撮物やアニメーション作品を研究、評価し、データ化して資料を残すという、今日では当たり前のことも定着しなかったのではないかと思っています。

個人的には「酒井敏夫」名義で手掛けた、朝日ソノラマから出版されていた<ファンタスティック・コレクション>シリーズの「ウルトラマン」や「ゴジラ」、「ガメラ」等のムック本、キングレコードから発売されたウルトラシリーズのBGM集、東宝レコードから発売された「ゴジラ」のサントラ盤などの構成、そしてライナーノーツの文章に強い影響を受けました。
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by odin2099 | 2011-06-28 23:37 | ニュース | Trackback(1) | Comments(2)
ようやっと、今のところのシリーズ最新作まで到達。
ブログを始めた頃に観に行った作品で、その後シリーズを順番に追いかけてきましたけど、この作品をもう一度取り上げることで一先ず終了。
まだコンプリートじゃないですし、めでたくシリーズ再開の暁には付いて行く予定ですが、うーん、なんだかホッとしたかな。

実はこの作品をもう一度観たい!
・・・というところからシリーズ再見を始めたのですが、全作を順番にお浚いしてから、なんて制約を自ら設けてしまったもので、結局5年以上経ってしまいました。
これで「まい・ふぇいばりっと・む~び~ず」が(一応)完結して以来の、2つ目の大きな柱が終了。
他にも自分に変な枷を幾つか設けており、何か観たい時に観たい作品が観られなかったりとか色々あったりするもんで、これからはもう少し自由に作品観ようかな。

e0033570_21453632.jpgさてこの作品、今のところシリーズ最長の上映時間で、ざっと2時間越え。しかも冒頭部分を除くとゴジラが出てくるのは1時間ぐらい経ってからなんですが、他にも怪獣てんこ盛りな関係であまりそういう感じはしません。
まあ平成版の『怪獣総進撃』ですね。
あちらも「ゴジラ」最終作を意図して企画され、結果的に好成績だったので続行が決まったそうですが、こちらは残念ながらシリーズのワースト3に入る成績だったとかで、予定通りに眠りに就いてます。

今観ても、なかなか面白いと思うんですがねえ。
怪獣以外の人間側のアクションシーンに時間を割いていたり、松岡昌宏に菊川怜という主演コンビも意外性があったりで、これまで「ゴジラ」に興味がなかった人でも楽しめると思います。
というか、「ゴジラ」ファンじゃない方がより楽しめそう。
ゴジラがムチャクチャ強いし(前作がちょっと弱すぎたかな)、色々な面で贅沢な感じを味わえます。洋画ファン向きというか。

e0033570_239650.jpgそれにしてももう公開から6年以上かあ。
生誕55周年もスルーしたので、次のチャンスは2014年の生誕60周年。
何か既にゴジラが忘れ去られた存在になっている感がありますが、そろそろ復活して欲しいもんですね。
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by odin2099 | 2011-04-29 21:46 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_22551928.jpg特生自衛隊は海底から引き上げた初代ゴジラの骨をベースに、対ゴジラ兵器<3式機龍>(メカゴジラ)を完成させ、見事ゴジラを撃退することに成功した。そんな時インファント島の小美人から、ゴジラの骨を海に返すようにとのメッセージが届く。機龍の代りにはモスラがゴジラと戦う、だがもし骨を返さなければ、モスラが人類の敵に廻る、と。

昨年公開された『ゴジラ×メカゴジラ』の続編で、今までも<平成シリーズ><VSシリーズ>と呼ばれた『ゴジラ』(1984)から『ゴジラVSデストロイア』までの7作品のようにストーリーに連続性をもたせた展開はあったが、完全直結した「続編」はシリーズ初。
また『モスラ』(1961)の続編でもあり、『モスラ対ゴジラ』のリメイク的要素もあり、なおかつ『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』のカメーバまでもがチョイ役で登場し、さらに各所に旧作に対するオマージュが散りばめられているため、初心者には些か世界観がわかりづらいかもという懸念はある。

物語の構成からすると、セールスポイントである筈のモスラの存在が邪魔。
興行面からの要請で出てくることになったのかもしれないが作劇上では大きなマイナスで、もっとドラマをゴジラと機龍(の中の初代ゴジラ)に絞り込むべきだったろうと思う。

ただ久々の男性主役、しかも熱血系ヒーローのドラマとあって感情移入はしやすく、最後までだれずに見せてはくれる。やはり「カイジュウ映画」は男の子のものということだろうか。
金子昇の起用は女性客(お母さん層)への目配せだという声もあるが、その分かりやすい演技はむしろ男の子への配慮だと思う。

一方で吉岡美穂の抜擢は完全にお父さん層へのアピールだろうが、全く存在感がなくこちらは完全な空振りに終わった。
むしろ特別出演の釈由美子の方が、短い出番ながらキラリと光る結果となった。本来なら彼女主役でもう一本作るべきだったのだろうが、スケジュール等でそれも叶わず前作との橋渡しに終始したが、前作よりも一回り大きく成長した感じである(チョイ役といえば、友井雄亮も良い感じだ)。

これで『ゴジラ2000/ミレニアム』(以降の通称<ミレニアムシリーズ>にも一応の幕が引かれ、次回作は<ゴジラ誕生50周年記念>のオールスター大作となるようだが、興行的にはともかく作品の質的には安定期に入ったようなので、ここで安住することなく今後も斬新な作品作りを期待したい。

『ゴジラ・モスラ・キングギドラ/大怪獣総攻撃』では『仮面ライダークウガ』の一条薫役だった葛山信吾、『ゴジラ×メカゴジラ』では『仮面ライダーアギト』で仮面ライダーギルスこと葦原涼を演じた友井雄亮を抜擢したのに続き、本作では『百獣戦隊ガオレンジャー』のガオレッド・獅子走の金子昇を起用。
イケメンヒーロー・ブームに迎合した形だが、その結果従来の東宝カラーというか、「ゴジラ」シリーズとはちょっと違った色合いが出ていたように思えるのは結果オーライか。

反対にヒロインの人選にはかなーり疑問が・・・。
釈ちゃんの格好良さに比べると、ねえ? 
棒読み台詞を含めて、演技力というか表現力に光るものは感じられないし、そもそもこのキャラクターに”癒し系”と持て囃された彼女の持ち味は適さないんじゃないかと思うけど。

ヒロインとはちょい違うかも知れないけれど、モスラと切っても切れない関係である”小美人”を演じるのは、長澤まさみと大塚ちひろ(現・大塚千弘)の東宝シンデレラ・コンビ。
こちらはアップになるショットも少なく、遠目で見るとどっちがどっちなのかわからない。まあオリジナルのザ・ピーナッツの如く双子という設定はないけれど、これまた結果オーライなのかな。
ただ並んで立つと、ちょっと背の高さが違うんだなあ、これが。背が高い方が長澤まさみ、だよね?

てなワケで、シリーズ初の前後編として作られた二部作の後編ですが、それなりに愉しみました。
ただ出来は前作の方が上ですし、中途半端に前作のヒロイン・家城茜の物語を挟みこんだ結果、一本の作品としてはまとまりが悪くなっちゃってますね。
金子昇の整備士が主人公で良いけれど、何とかスケジュール調整して釈ちゃんをヒロインに据えるべきだったよなあ。
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by odin2099 | 2011-04-23 22:56 |  映画感想<カ行> | Trackback(1) | Comments(0)
公開2日目と最終日の前日、計2回劇場へ。
興行的には前作『GMK』には及ばないながらとりあえず及第点ということらしいが、公開当初は活気がありながらも、併映の『とっとこハム太郎』が終わるとこちらを見ずに帰る親子連れが続出。そして公開終盤ではガラガラの場内という実情を、関係者はどう受けとめているものやら。

さて、シリーズ26作目となった今回の対戦相手はメカゴジラ。前作で人気のモスラやキングギドラを使ってしまったため、残る大物は限られている。
にしても前回の登場から9年ぶり4度目の登場、ちょっと消費のサイクルが早すぎやしないか。悉く新怪獣で失敗しているだけに知名度で勝負なんだろうが、過去の遺産で食いつないで行くジリ貧のシリーズ、というイメージは持ちたくない。

監督は前々作(『ゴジラ×メガギラス/G消滅作戦』)でデビューした手塚昌明。
過去の対ゴジラ戦において挫折を味わったヒロインが、新たな戦いの中で成長し再起を遂げる、というプロットも共通しており新鮮味には欠ける上に、この家城茜という新ヒロインが魅力薄。『×メガギラス』のヒロイン辻森桐子に比べても独自性を打ち出すに至っていない。

更に脇を固めるキャラクター群も今一つ描き切れず。特にメカゴジラ開発担当者の一人湯原博士の娘・沙羅との関り合いは中途半端。製作サイドではWヒロインを標榜していたのだが、無理矢理接点を持たせているかのように見える。二人の対立から和解に至る流れが不自然で、これならいっそオミットしてしまった方が茜のキャラが立ったのではないか。

これらの要因としては一時間半を切るという上映時間の短さもあるだろう。その反面弛れることなく一気に見せてくれるというのも利点で、単純に見ていて面白い映画には成り得ている。
ヒロイン茜は魅力に乏しいとは言っても、演じる釈由美子は充分に魅力的。珍しく3枚目を演じた宅麻伸や、渋い上官役の高杉亘、憎まれ役を嬉々として演じた友井雄亮、ビシっと締めて美味しい所を持っていく中尾彬・・・と役者は揃っていてそれなりに見せ場も用意されている。それだけに人物描写の浅さが余計気になる、というか惜しいのだ。

e0033570_2244352.jpgその映画をテンポ良く盛り上げた音楽は、同じく『×メガギラス』から復帰した大島ミチル。
何といっても今回は、『ゴジラVSビオランテ』以降初めて伊福部昭のメロディが流れないが全く問題なし。伊福部昭の呪縛を完全に断ち切った!とまでは言わないものの、実に堂々たる風格を見せ今後のシリーズへの新たな展望を感じさせた。はたして<21世紀版ゴジラのテーマ>として定着なるのか、続投を希望したい。

新たな展望としてはもう一つ、メカゴジラ(正式名称を”機龍”という)のキャラクター及び作品の世界観が挙げられる。第一作目の『ゴジラ』の存在を除いて毎回設定をリセットしている<ミレニアム・シリーズ>(『ゴジラ2000/ミレニアム』以降は便宜上こう呼ばれている)だが、今作品では『モスラ』『フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ』などゴジラ以外の作品ともリンクさせている。
ということはこの機龍をメインにした、対ゴジラに拘らない物語が構築出来得るわけで、続編もしくはスピンオフ作品の可能性が見えてくる。一つの岐路に立っているゴジラ、そのシリーズ活性化の一案として検討に値するのではないだろうか。

久しぶりに観直してみたら、すっげえ面白いでないの。
当時は毎年「ゴジラ」の新作が見られることを当たり前のように思っていたし、続けて見ていることから来る”飽き”もあったのだろうけれど、今は新作が絶えてトンと久しいだけに”餓え”があるからかも知れないが。

一定の興行成績を収めた<VSシリーズ>に比べるとあまりパッとせず、併映作『とっとこハム太郎』におんぶにだっこの状態だったこともあってあまり評価されていない<ミレニアムシリーズ>だけれども、連続ストーリーじゃないこともあって一本一本の完成度は結構高いと思う。

<VSシリーズ>はラストが投げやりというかお座なりというか、物語の途中でどういうわけかゴジラが去って行ってオシマイ、でも実は何も解決してないよん、というパターンが目立つのだけれども、<ミレニアムシリーズ>はゴジラを退治(?)するか、少なくても撃退して終わっている。まあ最初の『ゴジラ2000』だけは<VSシリーズ>の悪癖を引き摺ってる部分が無きにしも非ずだけれども。
シリーズとしての連続性は連続性として、やはり一本一本はきっちりと終わらせて欲しいので、その点だけでも<ミレニアムシリーズ>は買っているのだがなあ。

それにしても釈ちゃん、格好良い。
エネルギー切れの機龍に、東京中の電力を供給するシーンは、次々と停電になって行く描写も含めて今はドキッとさせられる場面になっちゃっているけれど。
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by odin2099 | 2011-04-22 22:46 |  映画感想<カ行> | Trackback(3) | Comments(0)
遂にというかやっとというか、金子修介監督の「ゴジラ」が実現した。
かつて『ウルトラQ』劇場版を立ち上げたが頓挫し(後に実相寺昭雄監督で実現)、『ゴジラVSモスラ』監督に立候補するも叶わず、『ガメラ/大怪獣空中決戦』を始めとする<ガメラ三部作>で煩型の怪獣ファンを唸らせての満を持しての登場。その意気込みはタイトルバック見ただけで感じられる。
怪獣の表皮をバックに必要最小限のスタッフ・キャスト名だけを(しかも縦書き!)表示するシンプルさは、’60年代の東宝特撮を彷彿とさせる(具体的には『三大怪獣 地球最大の決戦』あたり)。これだけで思わずニヤリだが、若いファンにはわからん感覚だろうな。

またハリウッド版への対抗意識もありありで、「前世紀末にアメリカにゴジラに酷似した巨大生物が出現した」「アメリカではゴジラと名付けられたが、日本の学者は認めていない」という科白なんぞは、そこまで言うか?!という爆笑モンである。

ストーリーは、もう何度目のリセットか定かではないが第1作『ゴジラ』に直結する物語。つまり例によってそれ以外の作品はなかったことになっている(あ、ハリウッド版はあったことになるのか?)。
自衛隊の代りに日本国防軍が存在しているという世界で、一部じゃ早くも右だ左だと論争になってるようだけど、GフォースやGグラスパーといった架空の特殊部隊を登場させるのとどっちがいいのか、というのは好みの問題だろう。中途半端に思想を読み取るよりは、怪獣映画なんだから単純に楽しんでもいいんじゃないかなと思うけど。

e0033570_21345375.jpgで、このゴジラが50年振りに復活。そしてそのゴジラを迎え撃つべく伝説の護国聖獣が蘇る、ということで、今回の対戦相手はバラゴンにモスラ、キングギドラ(タイトルにいないバラゴンが憐れ・・・)。まぁ正月映画らしく華やかでいいんじゃない? ちょっと手垢つきすぎだけどさ。
意外にもゴジラのハンディキャップ・マッチは珍しかったりする。しかも完全な悪役。立場上や物語上で悪役のポジションにいることは珍しくないけど、極悪非道な大怪獣として描かれるのは初めてじゃないかな。良くも悪くも新鮮であります。

だけど、ちょっと、違うんじゃ、ないかな・・・。
これがホントに金子監督がやりたかった「ゴジラ映画」なの? 
いやいや、面白いと思うよ、この映画。ある意味怪獣映画の王道行ってるし。
だけど「ガメラ」シリーズであれだけ人間側のドラマを描いた監督にしては、今回はツボをハズしまくってないかな。キャラクターが活かしきれていないというか不要なドタバタが多いというか。見ていて感情移入できるキャラがいないもん。むしろワンポイントだけ出演しているゲストのほうが、キャラが立ってるぞ。

そして怪獣たち。健気な前座怪獣バラゴンはいいとしても、モスラが海の怪獣? 
まぁ水中モードに変身して潜る映画もあったけどさ(『モスラ2/海底の大決戦』)。
それでもゴジラよりちっちゃいキングギドラってのはツライぞ。「千年竜王」と名前だけは勇ましいのに。

それにやっぱり最近出過ぎ。
モスラは’92年の『ゴジラVSモスラ』で復活して以降、’96年からは3年連続して単独主演してるし、キングギドラも’91年の『ゴジラVSキングギドラ』の後、’98年の『モスラ3/キングギドラ来襲』ではモスラと共演。これじゃあ新鮮味薄れるよなァ。出てくるたんびにイメージ変えられてるんだし。

興業面からネームバリューで対戦相手が決められたみたいだけど、これなら当初の構想通りバラン、バラゴン、アンギラスのほうが良かったよー(語呂も良いし)。
しかもこの段階では防衛軍の兵器として轟天号が登場していたのだ。「ゴジラ対海底軍艦」――うーん、見たかった! こっちのほうが、よっぽど金子監督らしいと思うんだけどね。

というわけで完成作品への評価はかなり低いです。
「絶対評価」なら(シリーズ全体の総体評価としても)充分に合格点つけてもいいけど、なんせ監督が監督なだけに合格ラインのハードルはかなり高めに設定させてもらいました(期待しすぎだったかな)。
来年のゴジラ映画がどうなるのかはまだ不明だけど(仮にお休みしたとしても、どうせ’04年には50周年で作るだろうけどネ)、金子監督にはもう1回チャレンジして欲しい。


シリーズお浚いもいよいよ大詰めが近付いてきました。
来年、アメリカ製ですが新作映画を見ることが出来るでありましょうか。
水面下(?)では国内版復活も動いているようですが、2014年がアニバーサリー・イヤーだから照準はこのあたりかな?

それはさておきこの『GMK』、タイトルバックなどは往年の東宝特撮映画っぽいのですが、スタッフ・キャストが<平成ガメラ>シリーズから流れてきているせいか、見ていると結構違和感があります。<ミレニアム・シリーズ>のみならず、<VSシリーズ>と比べてもトーンが違うというか、温度差があるというか。
まあ金子監督を選んだ時点でそのあたりは狙っていたんでしょうけれど、その路線は継承せず、次回作はまた元に戻してしまったのが勿体ないですね。
おかげでこの作品、シリーズの中でも浮いたまんまだし。

それにモスラとキングギドラは「またか」という気分が強いですねえ。
”正義の味方”キングギドラにも慣れないし、バラゴンと違ってタイトルに名前を乗っけてもらったものの、あっけなく退場するモスラも何だかなあ。
宇崎竜堂の台詞回しはどうしても好きになれないし、新山千春のハッキリしない発声も気になって仕方なかったり・・・。

その一方、天本英世の何物にも代えがたい存在感、意表を突きながらも案外好演している南果歩、カメオ出演でありながら強烈なインパクトを残す篠原ともえ等々、評価すべき点も多々あります。
客観的に見れば、シリーズ上位に入る出来栄え、ということになるんでしょうかね。
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by odin2099 | 2011-04-15 21:36 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

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