【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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e0033570_21123231.jpg喘息を患った杏奈は、療養のためやってきた湿地帯でマーニーという不思議な少女と出会う。
ジョーン・G・ロビンソンの同名小説を、舞台を日本は北海道に置き換えてアニメ化したもので、高畑勲、宮崎駿の両名が関わっていない珍しいジブリ作品。

「あなたのことが大すき。」なんていうド直球なコピーが付けられているので、さてどんな作品なんだろう?まさかの百合萌え?
――なんて思っていたけれど、実際はミステリー仕立ての良質なジュブナイルといったところ。
リアルな街並みといい、美しい自然に囲まれた桃源郷のような空間といい、背景美術の美しさには圧倒された。

初登場シーンの杏奈があまりにも美少女然としていたので初めのうちはちょっと違和感があったけれど、段々といつもの(?)ジブリ顔へと変貌していくので次第に気にならなくなる。
強いて言えばマーニーの顔立ちがあまりジブリらしくないとは思うのだが。

e0033570_21125341.jpgそのマーニーが一体誰なのか、杏奈とはどういった関係なのかは途中で予想がつくが、二人の間の物語は杏奈の空想上のものなのか、それとも幼い頃に聞かされていた話を知らず知らずに再構築していたのか、それともそれとも実際に何らかのスピリチュアルな体験をしていたのかは敢えてぼかしているのだろうが、どのように解釈したとしても、この体験が杏奈を変え、彼女が自らの殻を壊して今までの自分と訣別していくという結末へ繋がっていくのに不都合はない。
少女のひと夏の成長譚としてもよくまとまっていて、劇場公開時は何となくスルーしてしまったのが今更ながら悔やまれる。

キャストは高月沙良、有村架純、松嶋菜々子、寺島進、根岸季衣、森山良子、吉行和子、黒木瞳…とジブリならではの顔ぶれ。
声を聴いただけで本人の顔がすぐ浮かんでくる、というほど特徴ある声の持ち主がいない点は救いだが、「声優」としての演技自体は微妙な人が少なくなく、映画全体の完成度という点ではやや不満が残ってしまったのはいつものことだ。

【ひとりごと】
劇場公開時にスルーしてしまった理由の一つは、予告編に使われている杏奈とマーニーの台詞があまりに陳腐に聞こえたから、というのも大きい。
「永久に秘密よ!」とか「許すと言って!」とか…。
まあ本編で聴く限りはそれほどの破壊力はないのだけれど。


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by odin2099 | 2017-07-07 21:17 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
昨夏は公開日にアニメの過去作を振り替えるという企画(?)をやったんですが、それに味を占めて春映画でもちょこっとやってみようかなと。
先日の「北斗の拳」に続きまして、今日は「風の谷のナウシカ」。

e0033570_22335139.jpg3・11はもちろん東日本大震災の日なんですが、1984年のこの日は「ナウシカ」の公開日だったんですねえ。
そういや忘れてたけど、この作品って日曜日公開だったんだ?!
「少年ケニヤ」は前日の土曜日公開だったのに、なんでずらしたんだろう?
製作が遅れたわけでもないんだけど。

最初に観た時はイマイチに感じられた「ナウシカ」ですが、見直す度に好きになるなー。
「カリオストロの城」や「ラピュタ」以降の作品と比べると、宮崎タッチとはちょっと違う「絵」の連続ですが、それはそれで味があります。
普段あまり一緒に仕事をしたことのない寄せ集めのメンバーを統率しきれなかった、その歪さがかえって枠にはまり切れない作品のパワーになっている感じ。

音楽も使い方があんまり上手くなく、オープニングのタイトルバックは尺が合ってないみたいで気になって仕方ないけれど、それも粗削りの魅力を生み出してるような。
贔屓の引き倒し?

まあ、なんだかんだで最後、ナウシカが復活する場面は毎度のことながら泣けます。
ただ大ババ様の「その者蒼き衣をまといて…」と暗唱する件の台詞回しが、昔っから不自然に思えて気になってるんですよね。
もっと感情に流されながらの方が良いなあと思いつつ…

【ひとりごと】
風の谷の人たちが立て籠もるのは、嘘かホントか「星まで行ってた艦」ってことですが、潜水艦のようにも、それこそ宇宙戦艦ヤマトのようにも見えますな。

<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/7885588/


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by odin2099 | 2016-03-11 05:56 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

8月5日は『さらば宇宙戦艦ヤマト』の公開日なので、『さらば』観るんじゃないのとか、『さらば』について書くんじゃないのとさんざん(?)言われましたが、謹んでご辞退させていただき期待を裏切って『ラピュタ』を鑑賞です。


e0033570_22563401.jpgま、『さらば』観出すと重たすぎるし、ぶっちゃけ好きな話でもないし…(^^;
じゃあなんで『ラピュタ』なんだ?と問われても困るのですが、アニメブームの勃興期に思春期&青春を過ごした自分にとっては、この作品が最後の「大作アニメ」って感じなので、夏公開の過去作をズラズラと眺めているうちにコレが何とな~く観たくなったのです。
「まい・ふぇいばりっと・む~び~ず」のラインナップは『ラピュタ』が最後じゃなく、もうちょい先まで続いてますけど。


ちなみに『ラピュタ』の公開は1986年の8月2日だったんですね、ふむふむ。
公開を心待ちにしていたワケではなかったので、そこら辺記憶が曖昧です。
しかし自分が観たのは公開から2週間近く経ってからですね、確か。
そんな作品が今ではマイベストの一本になるんですからわからないものです。


音楽、キャラクター造形、いずれも文句なし。
未だに『風立ちぬ』を観ていないので宮崎駿監督作品コンプリートではありませんが、それ以外の監督作品の中では文句なしの第一位!
スタジオジブリにはこの路線で行って欲しかったのですが、興行的に厳しかったのか期待していたのとは違う方向へ行っちゃいましたね。
そして自分もアニメからもジブリからも距離を置くようになってしまいました。

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<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/8933226/


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by odin2099 | 2015-08-06 00:00 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)

e0033570_21582265.jpg先月から公開が始まってますが、上映劇場が少なくて遠い上に、一日の上映回数も少ないので半ば諦めていたのですが、ようやっと自分の行動範囲内での公開が決まったのでいそいそと出かけてきました。もっとも一日一回の上映はかなりキツく、時間調整にはちょいと手間取りましたが…。


本公開時には映画館へ行っておらず、その後に名画座の三本立てで見て以来のスクリーンでの鑑賞です。
ちなみに三本立ての残る二本は1作目の『ルパンVSクローン』と『セーラー服と機関銃』!
この組み合わせ、当時は結構ポピュラーなものだったと記憶してます。なにせ当時の”美少女萌え”といえば、二次元はクラリスで三次元は薬師丸ひろ子、と相場が決まってたもので。
今の薬師丸ひろ子しか知らない人には、「薬師丸ひろ子ファン=ロリコン」扱いされていたことなんて、想像つかないかもしれませんけどね。


さて、今回自分が観てきた劇場はあまりスクリーンが大きくなく、前に座高の高い奴が座っていたので部分的に隠れ、また自分の視力が落ちたせいか映像が鮮明に見えたりはしなかったのですが、音響面はかなりクリアに聞こえました。


それに作品そのものは文句なしに面白い。
以前にも書きましたけど、無駄というものが本当にない映画です。
オリジナルキャラじゃなく借り物で勝負している分、「宮崎駿の最高傑作」と呼ぶには些か抵抗があるのですが、単純に見て一番楽しめるのはこの作品でしょう。というより、この作品を超える作品は結局作れなかったんじゃないのかなあ。
またアニメ版「ルパン三世」は、未だにこの作品の呪縛から解き放たれていない印象がありますね。


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by odin2099 | 2014-06-14 21:58 |  映画感想<ラ行> | Comments(2)

久石譲のソロアルバムから、宮崎駿とコラボした映画音楽に関連した曲を集めたベスト盤が発売されてました。


e0033570_22114759.jpg全部で13ある収録曲の内訳は、『風の谷のナウシカ』から2曲、『天空の城ラピュタ』から1曲、『となりのトトロ』から2曲、『魔女の宅急便』から1曲、『紅の豚』から1曲、『もののけ姫』から2曲、『千と千尋の神隠し』から1曲、『ハウルの動く城』から1曲、『崖の上のポニョ』から2曲。流石に最新作『風立ちぬ』からは選ばれてませんが、これはまだ元になるアルバムが発売されていないからでしょうかね。


この中では『ナウシカ』が収められている『Piano Stories』というアルバムだけ持っていますが(このアルバムには『ラピュタ』や『トトロ』のアレンジ曲も収録されていますが、このベスト盤に収録されているのは別のアルバムのものです)、後は初めて聴くアレンジのものばかり。しかし久石メロディーって総じて聴きやすいですね。だから広く浸透しているのでしょうが。


【ひとりごと】
今回は「ジブリ」縛りのベスト盤ですが、ボーナストラックなどで『アリオン』の音楽も入っていれば良かったのになあ。
ジブリじゃなくサンライズ製作ですが、徳間書店サイドから見れば『ナウシカ』と『ラピュタ』の間の作品ですし、音楽的にも両作品を繋いでいると言えるでしょう。かつ、『もののけ姫』の原型にもなっているなあと個人的には思ってます。


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by odin2099 | 2014-04-19 07:44 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

e0033570_20292670.jpgジブリのアニメ版で有名な角野栄子の小説の実写化作品で、本編へのカメオ出演のみならず、自らナレーションも担当するという力の入れ具合。アニメは見ているけれど小説は読んだことなかったので、この映画版がどの程度原作小説に沿っているのかはわからないけれど、これ、意外とイケるやん。


映画化決定の報を聞いた時から全く期待していませんでした。
どうせよくある漫画・アニメ実写化の誰得な映画だろうと高を括ってました。
正規料金を払うまでもない、サービスデーでの鑑賞が相応しい作品、そう思ってました。


……いや、実際には今でもそう思わないでもないですが、でも思ってたよりも遥かに面白かったです。


まず、主人公のキキを演じた小芝風花が良かった~。

e0033570_20290975.jpgスチール写真や予告編を見た段階では「なんだかなー」と思ってたんですが、彼女は動いてナンボ、ですね。表情も豊かだし、感情が見ている方にもストレートに伝わってきます。ドンドン可愛く感じるようになります。
アニメ版のキキのイメージとは違うけど、これはこれでアリだな、と思いました。


日本が舞台ではないものの、登場人物はみんな日本人が演じているし、お話の組み立てとしては納得いかない部分も多いんですが、不思議な空間としては成立してますね。スタッフのチャレンジ精神は大したもの。日本人ばっか出てくる欧風ファンタジーの違和感は、まあ舞台劇を見てるようなもんだと割り切りました。


【ひとりごと】
尾野真千子のおソノさん、キャラに説得力があったなあ。


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by odin2099 | 2014-03-01 20:32 |  映画感想<マ行> | Trackback(16) | Comments(2)
という岩波新書があります。
宮崎駿が岩波少年文庫から50冊を選んで紹介したもので、丁度2年ぐらい前に出て、その時に読んだ感想も書きました。→こちら

最近ちょっと気になって、その50冊ってなんだっけな?と改めてチエックしてみました。

星の王子さま/バラとゆびわ/チポリーノの冒険/ムギと王さま/三銃士/ 秘密の花園/ニーベルンゲンの宝/シャーロック・ホウムズの冒険/ふしぎの国のアリス/小さい牛追い/せむしの小馬/ファーブルの昆虫記/日本霊異記/イワンのばか/第九軍団のワシ/クマのプーさん/長い冬/風の王子たち/思い出のマーニー/たのしい川べ/とぶ船/フランバーズ屋敷の人びと/真夜中のパーティー/トム・ソーヤーの冒険/注文の多い料理店/海底二万里/床下の小人たち/ハイジ/長い長いお医者さんの話/ツバメ号とアマゾン号/飛ぶ教室/ロビンソン・クルーソー/宝島/みどりのゆび/ネギをうえた人/聊斎志異/ドリトル先生航海記/森は生きている/小公子/西遊記/クローディアの秘密/やかまし村の子どもたち/ホビットの冒険/影との戦い ゲド戦記1/まぼろしの白馬/ぼくらはわんぱく5人組/ジェーン・アダムスの生涯/キュリー夫人/オタバリの少年探偵たち/ハンス・ブリンカー

うーん、ありますねー、『思い出のマーニー』、来夏公開予定のジブリの新作。

『床下の小人たち』『ゲド戦記』といった既にアニメ化された作品も当然のように選ばれてますが、そうなるとこの中に今後の原作破壊の犠牲者がいる可能性も…?

『ふしぎの国のアリス』や『クマのプーさん』はディズニー印だし、『第九軍団のワシ』や『ホビットの冒険』『まぼろしの白馬』は最近実写で映画化されてますから可能性は低いかもしれませんし、他にも既に映像化されたり企画中だったりする作品はありますけど、ジブリのことだから何があるかわかりません。

岩波書店ももう少し考えて欲しいんですけどね。
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by odin2099 | 2013-12-24 23:31 | 映画雑記 | Trackback | Comments(0)
e0033570_2018402.jpgディズニーソングを演奏したものだけじゃなく、ジブリ音楽のものも見つけたのでGET!
3年ぐらい前に出たアルバムですが、そうか、この時は5人じゃなく4人組だったんだ。

いきなり「やさしさに包まれたなら」で始まると面食らうし、「カントリー・ロード」もなあ…などと思ってしまうけれど、『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『紅の豚』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』『借りぐらしのアリエッティ』と代表的な曲は網羅。まあいつものことですが「ジブリ」と言いつつ「宮崎駿」中心だし、実質的には久石譲作品集だったりしますがね。
これもなかなか愉しませてくれる1枚です。
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by odin2099 | 2013-10-22 20:18 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
あの「ハウルの動く城」に3作目があることは、つい最近まで知りませんでした。ずーっと2冊しか出てませんでしたからね。で、2008年に出版されたもののずーっと未翻訳だった第3巻がようやく刊行。前2作が文庫化されたタイミングなので、こちらは最初から文庫で出るのかなと期待したのですが、うーん残念、単行本でした。

e0033570_21502890.jpgお話は前作同様、直接繋がっていません。それにハウルにソフィー、カルシファーも出てきますが重要な脇役といった塩梅で、主人公はチャーメインという女の子。それにピーターという男の子も準主人公格として出てきますが、まあこの二人が凡そ”良い子”というタイプではなく(”悪い子”でもないのですが)、読んでいて結構イラつくイラつく……。
それにかなり入り組んだ構造になっているので、なかなかどうしてスンナリ作品世界に入って行けませんでした。

というより、ぶっちゃけ「ハウルの動く城」という作品世界、自分の好みとは随分と違っているのだろうなあ。決して「詰まらない」とは思いませんが、素直に「面白い」「大好き」とは到底言えませんねえ。こればっかりは愛称だから致し方ないところで。

ところでこの作品、「シリーズ完結編」という宣伝のされ方をしていますが、ハウルたちにとっては単なる冒険の一篇といったところです。
実際、「訳者あとがき」によれば著者は更なるストーリーの構想も持っていた由。これが最終作になってしまったのは、ひとえに著者が2011年に亡くなってしまったからなのでしょう。そう考えるとちょっと勿体ない気もしますね。
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by odin2099 | 2013-06-10 21:51 | | Trackback | Comments(0)
これ、「ハウル」の続編じゃなくても良かったんじゃないかなあ、と改めて読んでみて思いました。主人公はアブダラという絨毯職人の青年だし、ヒロインは<夜咲花>というお姫様で、この二人のラブストーリーが、空飛ぶ絨毯が出てきたり瓶の精霊が出てきたりという「千夜一夜物語」の世界を舞台にした冒険物語の中で語られるという流れです。

e0033570_21164380.jpg終盤になると前作の登場人物である魔法使いのサリマンやレティーが出てきますし、もちろんハウルもソフィーもカルシファーも出てくるのですが……ネタバレしますけど、ぶっちゃけ彼らは最初のうちから姿形や名前まで変えて出てきてはいるんですよね。そして最後の方でその正体がわかるのですが、だからどうしたの?という部分も無きにしも非ず。おそらくハウルやソフィーたちの「その後」が知りたい!という人も期待にも、あまり応えてくれるものにはなっていないのではないかと思います。

だからといってこのお話が詰まらないというわけではなく、むしろわかりやすさ、素朴な愉しさという点では前作より上だと思っています。なのでなおさらハウル抜きでも、あるいはハウル抜きの方がより完成度が高くなったんじゃないのかなあと思ったりもするのですがねえ。

さて、このあとにはシリーズ完結編と謳われている待望の第3巻が待っているのですが、はたして完結編に相応しい内容になっているのか、それとも単なる3冊目でしかないのか、どちらなんでしょうね。

前回の感想はこちら
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by odin2099 | 2013-05-23 21:18 | | Trackback | Comments(0)

by Excalibur
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