【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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e0033570_20370689.jpgタイトルに「ジュラシック・パーク」とは付かないものの、これは正当なシリーズ4作目。確か同じ邦題の作品もあったけれど、もちろん無関係だ。そして2作目3作目はイスラ・ソルナ島(サイトB)という別の場所で起こったお話なので、1作目と同じイスラ・ヌブラル島へ帰ってくるのは今回が初めて。
ということは、1作目に直結する続編だとも言える。


あれだけの大惨事を引き起こしながらインジェン社は破産も倒産もせず、またテーマパークのオープンにまで漕ぎつけたのは驚きだが、人間サイドのやることは以前と変わらず。倫理やら人命やらよりも商売を優先させた結果、またもや惨事を引き起こすとのは前と同じパターン。
それに今回はDNAから恐竜たちを復活させるだけに飽き足らず、遺伝子操作で新種まで生み出してしまい、もはや「恐竜映画」ではなく「怪獣映画」。


だがそれが悪いわけではなく、単なる1作目の焼き直しに終始せず、オマージュを捧げてスケールアップを施し、ある意味で理想的な続編を作り上げている。
多分当時のファンが2作目や3作目に期待していたのはこういったストーリーだっただろうし、過去作品を知らない人でもさほど予備知識を必要としない本作は十二分に愉しめるかと思う。


しかし早くも製作が決まった続編の方はちょっと不安。
主役コンビは続投らしいが、ワールドのその後を描くのか、それとも別の場所で新たな恐竜事件に遭遇するのか。
2作目、3作目と同じパターンを繰り返さないことを願うのみだ。


【ひとりごと】
クライマックスは「新怪獣対恐竜戦士連合軍」といった感じだったな。苦戦する新恐竜戦隊に、1~2作目のヒーローが加勢するという王道パターン。
そして美味しいところを持ってくのは第三勢力の新顔・モササウルス。こいつが次回作のキーキャラクターになるかも?!


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by odin2099 | 2015-08-09 20:42 |  映画感想<サ行> | Trackback(30) | Comments(0)

新作公開に合わせての旧作リピートもこれで最後。なんか色々な意味で残念な第三作を。


e0033570_17341582.jpg子供を探すためにセレブを装ってアラン・グラント博士を騙して島へ連れ出す夫婦とか、二か月間たった一人で生き延びてた少年とか、金儲けのためにラプトルの卵を盗み出すグラントの助手とか、ラストにいきなり現れて一気に解決させちゃう海兵隊とか、どうしてこうなるかなあ?という展開が続々。アランと別れて結婚してママになってるエリーというのも、なんだか夢がないし。


それでも、一作目にあったミステリー・サスペンス物の要素は皆無でも、大風呂敷広げただけの怪獣映画になってしまった二作目よりは、サバイバル・アドベンチャー物としてはコンパクトにまとまっているのは確か。
上映時間も短いし新顔の恐竜も色々と出てくるので、途中で飽きちゃって退屈するということはない、カナ?


さて、内容も評判が良く、記録的大ヒットとなっている最新作は如何に?!


【ひとりごと】
ティア・レオーニってこれの前は『ディープ・インパクト』に出てたし、スピルバーグのお気に入りだったのかな。
ちょっとシャロン・ストーンに似ていてセクシーな感じだけど、どちらの作品もその要素が皆無なのが残念だけど。


<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/10907119/


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by odin2099 | 2015-08-02 17:35 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

e0033570_10542636.jpg『ジュラシック・パーク』の続編だが、同じくマイクル・クライトンの書いた同名の続編小説の映画化というより、小説とは異なる映画オリジナルストーリー。小説は小説、映画は映画でそれぞれ別の正続二篇から成っていると考えた方が良さそう。
もっとも映画版の方はその後も続いているのだが。


で、続編なので「あの島」へ再び行く話なのかと思っていると、目的地は別の島。
このあたりが初見じゃ良くわからなかったのだけれども、「もう一度大冒険!」よりは「もう一つあった!」の方がインパクトがあるだろうという判断なのだろうか。


しかしその島へ行くのがあの皮肉屋のイアン・マルコムなのが何とも…。
ただし前作とはまるで別人のヒーロー然としたキャラクターに変貌してしまっているので、それはそれで違和感が。


e0033570_12541774.jpg違和感と言えば、前作の事件の元凶のハモンド氏が「善意の人」扱いなのも納得いかないし、島を訪れるメンバーが揃いも揃って自己主張が激しく、結果的に事態を悪い方へ悪い方へと導いて行くのも頂けない。
物語上の一番の悪役はインジェン社の新社長ピーター・ルドローだが、凄腕のハンターとして頼りになる存在のローランドもかなり独善的だし、ヒーロー側のキャラである筈のカメラマンのニックにしたって、自分の信念の為なら他人を危険にさらすのも厭わないように見受けられる。


これはマルカムの娘ケリーも、そして正ヒロインのサラも大なり小なり持ってる要素で、結果的に前作では「嫌われ役」ポジのマルカムが、今作では一番の常識人に見えるという素晴らしい結果に。
お話の構成も、この手のジャンルの古典「キング・コング」や、更にその原典たるコナン・ドイルの「失われた世界(ロスト・ワールド)」の焼き直しというのも物足りない。
街中でT-REXを暴れさせたのは、その当時製作中だった『GODZILLA』への対抗意識だったかも知れないけれど。


<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/8915775/


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by odin2099 | 2015-05-16 10:58 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

e0033570_12544145.jpg多分それまでで一番リアリティ溢れる恐竜映画。
それが仇になって、従来なら相手にしなかったであろう各種分野の専門家からツッコまれ、また新しい発見があったり学説が唱えられる度に槍玉にあげられてしまう結果に。


しかし実際はどうであれ(誰も見たことないんだし)、スクリーン上の説得力にかけては今なお一級品の輝きを持った作品だろう。

マイクル・クライトンの小説に忠実に作ろうとすると、実はあんまり「恐竜映画」とは言えなくなってしまいそうだが、そこをザックリと割り切った撮ったスピルバーグの勝利。
多分この手法、原作未読だが『JAWSジョーズ』でも使っていたと思われる。


エンドクレジットにもご注目。
e0033570_12541774.jpg”THE PRODUCERS WISH TO THANK THE FOLLOWING”としてGEORGE LUCASの名前が…!
次回作『シンドラーのリスト』で多忙を極めるスピルバーグに代わって、仕上げの部分を統括したのはジョージ・ルーカスだったのだ。
その出来栄えに満足したルーカスは、寝かせておいた『スター・ウォーズ/エピソード1』を遂に作ろうと決心したのだから、色々な意味で「映画史に残る」一本だ。


<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/3066266/


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by odin2099 | 2015-05-09 13:00 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
『ジュラシック・パーク』の映画化は、原作者マイクル・クライトンの指名でスティーブン・スピルバーグが手掛け、その後は共同でTVシリーズ『ER/救急救命室』を立ち上げるなど蜜月が続いていたが、2作目の『ロストワールド/ジュラシック・パーク』製作の際に、スピルバーグが映画用にストーリーを改変したことで両者は仲違いしたと伝えられている。

e0033570_22542969.jpg結局スピルバーグはクライトン抜きで3作目を企画し、自らストーリーを考案。ただ監督はジョー・ジョンストンに任せ、自らはエグゼクティブ・プロデューサーに退いた。
表向きは、同時期の他作品(監督作の『A.I.』と『マイノリティ・リポート』)とのスケジュールの兼ね合い、とのことだったようだが、どこまで本腰を入れていたのかには疑問符がつく。

出来上がった作品は、拍子抜けするほどあっさりした作品になっていた。
撮入直前にシナリオが全面的に書き換えられ、撮影中にも大幅に書き換えられた、というドタバタが聞こえてきた段階で期待値はかなり下がっていたが、それでもジョンストン監督だからと一縷の望みを賭け先行公開の劇場へ足を運んだものの、大いに失望した。
技術的には前2作よりも進歩し、ビジュアル面では唸らせるシーンもないではないのだが、全体的には忙しなく、まだまだ序盤だろうと思っていると、あっという間にエンドマーク。長距離走を見に来たつもりが、いざ始まってみると短距離走だった、そんな感じなのである。

ただこの作品、後にTVの映画放送枠で流れていた際には、なかなか面白く観ることが出来た。
劇場の大きなスクリーンでじっくりと堪能する超大作映画ではなく、TVの2時間枠(正味1時間半)で、TVサイズの画面でボケーっと観るB級C級の映画としてならば、かなり出来の良い作品なのかも知れない。

なおクライトンは、この作品とは別に三度恐竜を取り上げた新作を準備中(シリーズ作品なのか、それとも全くの別作品なのかは不明)と伝えられていたが、結局その作品が発表されることはなかった。
また映画版の4作目も再三製作が報じられ、具体的なストーリーやキャスティングの噂が流れたこともあったのだが、クライトンの死去に伴い、製作サイドは企画を封印する旨を発表している。
この3作目の出来からすると4作目にはかなり不安を覚えるものの、逆にそれを反省材料として素晴らしい作品を作って欲しかったという気持ちもあり、複雑である。
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by odin2099 | 2009-08-19 22:54 |  映画感想<サ行> | Trackback(6) | Comments(0)
クライトンの作品で一番最初に読んだのは『ジュラシック・パーク』。映画を観る前に、と文庫本を手に取りました。
○○理論とか、数式が並んでいたり、専門用語が散りばめられていたり・・・ということで最初のうちは「こりゃお手上げかな」と思っていたのですが、途中からはグイグイと引きずり込まれ、上下二冊本ですが一気に読み終えた記憶があります。
映画公開に合せて旧作が書店店頭に並ぶようになり、またハードカバーで出ていたものが文庫化されたりというタイミングもあって、この時期にクライトン作品を一気に読みましたが、その中で「クライトン作品の原点」と再三強調されていたのがこの作品。
しかし「古い作品だからどうなのかなぁ」なんて思いながら読み始めたのですが、いやこれはなかなか。映画版の方はハッキリ言って古さを感じますが、小説の方は色褪せていませんでした。

以下、「栞をはさんで・・・」より引用、転載――e0033570_1974647.jpg
アリゾナ州ピートモンド。人工48人のこの小さな町は突如死の町と化した。墜落した人工衛星に付着していた未知の物体が、住人たちを瞬く間に死に追いやったのだ。衛星を回収に向かった軍の回収班も連絡を断ち、遂に極秘に組織されていた特別プロジェクトのメンバーに召集がかかる。調査の結果死体の血は全て凝固していることが判明したが、奇跡的にアル中の老人と赤ん坊という、対極的な生存者も発見された。彼らは何故に助かったのか、2人の共通点は一体何なのか?

原書は1969年に出版された。まだアポロ宇宙船が月に到達する前である。今更ながら著者クライトンの先見の明に驚かされる。しかも既に起こってしまった事件の報告書に基づいてまとめられた、というドキュメンタリー・タッチで、図表やデータ(本物と、そして巧妙に作られた創作物)を折り込んでディティール・アップを図るテクニックもクライトンならでは。反面、登場人物たちに魅力が乏しいが(誰が誰やら、あまり差別化されていない印象がある)、それもまたクライトンの手かなとも思えてくるくらいだ。
物語は、はたして宇宙からやってきた未知の生命体とは如何なるものなのか、何故赤ん坊と老人だけが助かったのかという謎解きの興味でグイグイと引っ張って行くのだが、そのクライマックスは些か唐突。
”予め用意されていた”核爆弾の爆発阻止へのタイム・サスペンスは結末が読めるだけに興醒めだし、せっかく生命体の正体が判明し対策が取られるのかと思いきや、突然変異によって人類にとって無害な存在となり、メデタシメデタシという解決は狐につままれたよう。
とはいえ未知の細菌が人類にとって大いなる脅威となる、というのは今日でも全く色褪せない内容。細かい部分に欠点があるにせよ、なお一級のエンターティンメントであることには間違いない。

1971年にロバート・ワイズ監督によって映画化(邦題『アンドロメダ・・・』)されている。
しかし、何故この生命体が「アンドロメダ菌株(ストレイン)」と名付けられたのかが、最後までわからなかった・・・。

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by odin2099 | 2008-11-14 19:09 | | Trackback(1) | Comments(2)
e0033570_8273817.jpg学生時代と違い、社会人となると時間が経つのが早く感じられます。
一世を風靡した『ジュラシック・パーク』もまだまだ「最近の作品」という感覚があるのですが、既に15年も前の作品。今の高校生あたりまではリアルタイムで知らないわけで、改めて自分も歳食ったなぁと感じたりして。
このパート2も12年前、続くパート2ですら7年前の作品。完全に「過去の作品」ですねぇ。
そして今また、作者であるマイクル・クライトンの訃報が届きました。
「十年一昔」と言いますが、何か本当に「区切り」が付いてしまった感じがあります。

以下、「しねま宝島」より引用、転載――
マイクル・クライトンが書いた小説『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク2』もつまらなかったが、それを映画化した本作は、それに輪をかけてつまらなかった。
映画化にあたってはストーリーを大幅に変更するなど工夫を凝らしているが、それもかえって裏目。その改変を巡ってクライトンとスピルバーグは絶縁状態に陥ったとも伝えられたが、どっちもどっちである。
恐竜に遭遇し逃げ惑う人々を描いた一作目に対し、今度は恐竜ハンターたちが島へ乗り込んでいくという切り替えは、『エイリアン』と『エイリアン2』の関係と類似していて新鮮味はない。

前作の『ジュラシック・パーク』も決して原作に忠実というわけではなく、また「傑作なのか」と正面切って問われると答えに窮してしまうのだが、それでも映画としての見せ場はふんだんに用意され、娯楽作としては充分お釣りのくるものであった。何よりも今までスクリーンを彩ってきた数多の恐竜たちを遥かに凌駕する斬新な描写は、その一事だけをとっても映画史に名を残すに値する作品となり得ていた。

e0033570_8271216.jpgしかし今回は条件が違う。技術的に多少進歩しようとも、目の肥えた観客相手には同じ手は通じない。
それを支えるだけのアイディア、ストーリーなどのプラス・アルファがなければ作品としての評価は出来ない。この作品にそれがあるかといえば、残念ながら答えは「NO」と言わざるをえない。
超満員の先々行オールナイトの劇場を後にしながら虚しい思いにとらわれた私だったが(なんせ上映前に3時間も並んでいたもので・・・)、幸いにも映画は大ヒット。柳の下にドジョウは2~3匹はいることを実感させてくれた。
その後、マイクル・クライトンは三度恐竜を取り上げた新作を準備中と伝えられていたのですが、結局実現しなかったのでしょうかね。
またスピルバーグはクライトン抜きで『ジュラシック・パークIII』を製作、更に第4作も構想中ということで度々キャスティング情報などが取り沙汰されてきましたが、正式なゴー・サインは出ないままの様子。このまま立ち消えになってしまうのかも知れません。
ただ、作品としては実現しなかったとしても、クライトンの構想メモのようなものが残っていて、それを元にしてスピルバーグが追悼でメガホンを取る、というようなことでもあれば、それはそれで歓迎したい気分です。
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by odin2099 | 2008-11-07 08:28 |  映画感想<ラ行> | Trackback(4) | Comments(4)
帰宅して夕刊を開いてビックリです。
全く寝耳に水というか、想像だにしていませんでした。
癌とはいえ、66歳は作家としてはまだまだこれから。
あと10年20年は新作を楽しめるものと疑っていませんでした。
しばらくご無沙汰だったので、また読み始めようかなと思っていた矢先だったこともあり、全く持って残念です。

『緊急の場合は』、『アンドロメダ病原体』、『五人のカルテ』、『サンディエゴの十二時間』、『ターミナル・マン』、『大列車強盗』、『北人伝説』、『失われた黄金都市』、『スフィア/球体』、『インナー・トラヴェルズ』、『ジュラシック・パーク』、『ライジング・サン』、『ディスクロージャー』、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク2』、『エアフレーム/機体』、『タイムライン』・・・
ここ最近の何作かを除けば、今翻訳が出ている本は一通り読んでいます。

『アンドロメダ・・・』、『ウエストワールド』、『電子頭脳人間』、『大列車強盗』、『ジュラシック・パーク』『ライジング・サン』『ディスクロージャー』『コンゴ』『ツイスター』『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』、『スフィア』、『13ウォーリアーズ』、『ジュラシック・パークIII』『タイムライン』・・・・・・
原作や脚本、それに監督として携わった映画の大半も観ています。

そういえば製作にも噛んでいるTVドラマ『ER/救急救命室』は長寿シリーズとなりましたが、とうとうファイナルを迎えるというニュースもありましたね。これも象徴的な出来事だったのかも知れません。

まぁこれを機に、絶版本や未翻訳本が出版されたり、ソフト化されていない映画やTVドラマがDVD等でリリースされたり、映画化がペンディング中の作品にゴー・サインが出れば嬉しいのですが・・・。

ご冥福をお祈り致します。
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by odin2099 | 2008-11-06 22:12 | ニュース | Trackback(3) | Comments(4)
墜落した人工衛星に付着していた未知の生命体により、アリゾナ州の小さな田舎町の住人たちは謎の死を遂げ、軍の衛星回収班も同じ運命を辿った。ただ、胃潰瘍の老人と泣き続ける赤ん坊の二人だけを除いて・・・。
この未曾有の事態に対処すべく、今日あるを予期して各分野のスペシャリストを集めて組織されたプロジェクト・チームが招集される。

主な登場人物は4人の科学者と医師、その助手たち、それに事件の鍵を握る2人の生存者のみ。そして舞台は、地下に建設された秘密の研究施設にほぼ限定された異色のSF映画。
原作はマイクル・クライトン『アンドロメダ病原体』で、主役4人の名前や性別(1人だけ女性に)、役廻りを微妙に変えながらも、概ね忠実にスクリーンに移し変えた。良し悪しは兎も角、各キャラクターが原作よりも人間くさくなってはいる。

e0033570_23273715.jpgアーサー・ヒル、デビッド・ウェイン、ジェームズ・オルソン、ケイト・リード、ポーラ・ケリーと、殆ど名前の知られていない地味なキャスト陣だが、研究施設へ入るための「消毒」手続きや、回収した衛星の付着物を研究するプロセスを省略せずにタップリと見せるなど、ディティールとリアリズムにこだわったドキュメンタリー・タッチが効果的。音楽も殆どが効果音的な使われ方で、かなり無機的な印象も与えている。

重要な小道具であるコンピューターの描写には時代の流れを感じさせられるが、当時としてはかなり斬新なはず。というよりもクライトンの発想に、ようやく時代が追いついたということなのだろう。
未知の生命体の核心に迫るクライマックスと、作動してしまった研究施設の自爆装置を解除するタイム・サスペンスは映画ならではのもので、小説を読む分には今一つ伝わりきらない緊迫感が正攻法で描写されている。

ただし相対的に知的好奇心(特に理数系の)に訴えかける内容なので、ディティールの積み重ねに対して集中力が持続しない人には辛い映画かも知れない。
オリジナルは130分。これを長いと感じるか、適当と受け取るかで評価は分かれるだろう。
クライトン作品の情報量を消化するにはこれでもまだ足りないくらいなのだが、個人的にはTVの映画枠(正味90分程度)で見たヴァージョンの方が面白く感じられた。これには家弓家正、真木恭介、中西妙子、中田浩二、島宇志夫、勝田久、八奈見乗児、塩見竜介、鈴木弘子ら吹替えメンバーの好演もあってのことだが(DVDに収録されているのは堀勝之祐、中庸助、片岡富枝、小室正幸、品川徹、目黒未奈、藤本譲らが担当した新録版)、文系の自分にとっては字幕を追い続けているのは苦痛だったからという理由もある。

監督はロバート・ワイズ、特撮を担当しているのは『2001年宇宙の旅』や『未知との遭遇』、『スター・トレック』で知られるダグラス・トランブル
『アウトブレイク』などの作品を例に挙げるまでもなく、未知の病原体を扱った細菌パニック物とでも言うべきジャンルは、充分今日的な題材。現在のテクノロジーでリメイクしてみても面白いかも知れないと思っていたが、先ごろTVのミニ・シリーズとして実現。確か昨日か一昨日あたりに放送されているはず。
プロデューサーがリドリー&トニーのスコット兄弟で、監督はミカエル・ソロモン。おそらく日本でもそのうちBSかCSで放送されるか、DVDがリリースされるだろうが、予告編を観る限り、ストーリーもキャラクターもかなり変更されているようなので不安の方が大きいのだが・・・。
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by odin2099 | 2008-05-28 23:29 |  映画感想<ア行> | Trackback(2) | Comments(4)
e0033570_22344859.jpg米国の通信会社トラビコム社は、ダイヤモンドを利用したレーザー光線によってレーザー産業の独占を狙い、アフリカの奥地にダイヤ鉱山を求めて調査隊を送り込んだ。しかしダイヤ発見の一報の後に調査隊は消息を絶ち、企画のスーパーバイザーであるカレンが極秘に現地に派遣されることになった。
同じ頃霊長類学者のピーターはゴリラのエイミーに手話を教え、コミュニケーションを取ることに成功していたが、日毎悪夢に悩まされるエイミーのことを思い、故郷へ帰そうとしていた。そんな彼の元に自称”慈善家”のホモルカという男が接近し、資金の提供と旅への同行を申し出る。ところが間際になって資金不足が発覚し、あわや出発は中止かという事態に陥るが、そこにカレンが現れて費用を払い、その見返りとして便乗させてもらうことになる。
政情不安定な現地に着いた一行は更なるトラブルに見舞われるが、ガイドのモンローの助けもあり、奥地へ奥地へと進んでいく。その途中、ホモルカが、実は伝説の都市”ズィンジ”を探す探険家だという正体が発覚する。”ズィンジ”にはソロモン王の為のダイヤ鉱山があり、その鍵をエイミーが握っていると確信していたのだ。
故郷を目の前にして興奮を隠せないエイミーに導かれるように、各人の思惑を秘めた旅は続いていくが、その前途には恐るべき苦難が待ち構えていた・・・。

マイクル・クライトンの『失われた黄金都市』を映像化した秘境冒険モノで、ハイテクを装備し手話の出来るゴリラをパーティーに参加させるあたりがクライトン流だ。
原作が発表されたのは1980年で、最初はクライトン自身が映画化を画策。その後は製作スティーブン・スピルバーグ、監督ブライアン・デ・パルマというコンビで練り直され、更にはストーリー作りで難航していた<インディ・ジョーンズ>3作目用にクライトン自身がストーリーの改定を申し出たこともあったようだが、オリジナル・ストーリーに拘った御大ジョージ・ルーカスが拒否したという経緯もあったらしい。
結局はスピルバーグ一家のフランク・マーシャルが、パートナーのキャスリーン・ケネディをプロデューサーにして監督することになった。

小説は大変面白く読んでいたので映画化は楽しみだったのだが、どういう訳か観ている途中で物語に付いて行けなくなってしまった
原作はフィクションとノンフィクションの境界を曖昧にするというお得意の手法で書かれているので、そのままではなかなか映画にし辛い。そこで色々と映画ならではの改変は施されているのは承知の上だし、大筋は原作に沿っているにも関わらず、である。

e0033570_22352217.jpgそれは改変のポイントがズレてるとしか思えないからで、原作にはないアフリカの政情問題なんぞに時間を割くくらいならば、もっともっとゴリラのエイミーに時間を割くべきである。それにせっかく古代の都市の遺跡が出てくるのに、どんな文明だったのかは見せず仕舞い。これでは欲求不満になってしまう。ノースター映画なので次は誰が襲われるのかというサスペンスは盛り上がるのだけれど、全体に緊迫感が持続しないのも頂けない。マーシャル監督には悪いが、もしこれがデ・パルマの監督作品であったなら、とついつい夢想してしまう。
ローラ・リニー、ディラン・ウォルシュ、アーニー・ハドソン、グラント・ヘスロフ、ティム・カリー、ジョー・ドン・ベイカー、ブルース・キャンベルといった通好みのキャスティングや、せっかくのジェリー・ゴールドスミスのスコアも勿体無い限り。
尤もあれから十年以上経ち、原作の細々したところも忘れているし、劇場の大スクリーンではなく家でのんびりとDVD鑑賞している分には決してつまらないという訳ではない。当時は期待が大きすぎたということもあったのだろう。
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by odin2099 | 2008-02-02 22:43 |  映画感想<カ行> | Trackback(1) | Comments(2)

by Excalibur
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