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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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劇場版『スケバン刑事』の第2弾ですが、前作の続編ではなくTVシリーズ『スケバン刑事III/少女忍法帖伝奇』のキャストを起用した独立したお話になっています。

e0033570_01280.jpg二代目麻宮サキはTVシリーズのラストで早乙女志織という本名を取り戻し、普通の学生へと戻りましたが、三代目麻宮サキこと風間唯は、スケバン刑事というシステムをより発展させた青少年治安局所属の学生刑事として、変らず任務についているという設定で物語は始まります。
関根蔵人によって組織されたこの組織は、治安維持を名目に学生たちに強引な粛清を加えていましたが、唯はこのやり口に反発、故郷の九州へと帰ってしまいます。しかし関根蔵人の真の目的は国家規模のクーデターであり、秘密を知った二人の姉・結花と由真、そして暗闇司令までもが治安局に狙われることになり、ハミダシ者の集団・番外連合と共に立ち向かうことになる、というのが大筋です。

当時のメモを見ると前作よりも楽しめ、かつ『III』の完結編としても、また『スケバン刑事』というシリーズ全体のラストとしても納得出来たと書いてあるのですが、今見るとどうも納得いくものじゃありませんね。クーデターを企てる悪役というのは前作と同じですし、番外連合の設定はどうも『III』からの流れでは違和感があります。もしかするとこのあたりは、幻に終ったパート4用に用意されていた設定だったのかも知れません。
『II』は手放しで喜んでいた原作者も『III』にはご不満タラタラだったそうで、その結果シリーズは終了してしまったのですが、一部で紹介されたパート4用のプロットには、善悪二人の麻宮サキが登場するというものもあり、それが今回の学生刑事、そしてそのリーダーである阿川瞳子の存在に影を落としているように思えます。
またこの阿川瞳子にしろ、関根蔵人にしろ、かなりの裏設定が存在しているのですが、その辺りが劇中では全く語られていないのも、1時間半という短い映画の枠よりもTVシリーズを想定したものだったのかな、という気がしますし。

『II』では南野陽子を、『III』では浅香唯と大西結花をスターダムに伸し上げ、一部で「スクラップ・アイドル再生番組」などと揶揄されもしたこのシリーズでしたが、デビューの頃を知っているだけにこの時期の浅香唯は美人になりすぎて今ひとつ面白みにかけますね。もっと垢抜けない頃の方が可愛く感じたものです。
さて、今回4代目を襲名したのは松浦亜弥。歴代随一のビッグネームの登板ですが、はたしてどうなりますことやら。単発の映画一本きりということでのビッグネーム起用なんでしょうが、本来ならもっとマイナーどころを抜擢し、それをメジャーに育てるのが本来の伝統だという気もしますね。
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by odin2099 | 2006-09-26 06:22 |  映画感想<サ行> | Trackback(2) | Comments(2)
TVシリーズはパート2からハマリました。パート1も見てはいたんですが全話ではなかったし(再放送で全部見ましたが)、毎週毎週夢中になって見ていたのはやはり『スケバン刑事II/少女鉄仮面伝説』。そんなわけで映画版は公開を指折り数えて待ち、公開初日に駆けつけています。主役のナンノさん始め、田中監督、吉沢秋絵、浅香唯、それに中村由真も来て舞台挨拶が行われるなど、場内は異様な熱気に包まれ、その中で立て続けに2回も観てしまったりして・・・。

e0033570_001519.jpg物語はTVシリーズ最終回の数ヶ月後。信楽老との戦いを終え一人の平凡な女子高生に戻っていた麻宮サキが、生徒たちを洗脳しクーデターを企む人物に組織された”地獄城”と呼ばれる学校からの脱走者と出会ったことから、再び戦いに巻き込まれるというものです。これに御馴染み”ビー玉のお京”こと中村京子や矢島雪乃、それに三代目スケバン刑事・風間唯も加わって、囚われの生徒たちを救い出そうと地獄城へ乗り込んでいくのですが・・・。

最初の上映はのめり込んでいたために、違和感の方が先にたちました。TVシリーズも変身ヒーロー物もかくやというくらい、かなり突拍子もないお話でしたが、それに輪をかけてSF色が強くなっています(服部校長のキャラクター設定だとか)。画面は暗いし、物語も暗いし、メイン格のキャラクターはドンドンと死んでいくし、という具合に「これは『スケバン刑事』じゃない!」という思いが強かったのです。
しかしその後でビデオやTV放送などで何回もこの作品を見ているうちに次第に冷静になってきて、「まぁシリーズの1エピソードとしてならOKかな」くらいには思えるようになりました。今回などはひたすら懐かしく見ていましたね。それにあれから20年近く経つのに、南野陽子が未だにあの頃のイメージを保っているのも驚きです。こんなことを言うと本人にはいい加減迷惑かも知れませんが。

お話の方は納得いかないまでも、まぁ許せる、という気持ちにはなったんですが、設定上というんですかね、細かい部分では当時からずーっと気になっていることがあります。
一つは主人公の名前
「麻宮サキ」というのはコードネームと化しています。劇中でも「二代目」と呼ばれるシーンがありましたが、彼女の本名は「早乙女志織」。訳あって「五代陽子」として育てられた彼女は、特命刑事となる際に二代目「麻宮サキ」を襲名するのですが、戦いが終ったあとで晴れて「早乙女志織」に戻ります。
ところがこの映画版では徹頭徹尾「麻宮サキ」としか呼ばれません。確かに「スケバン刑事=麻宮サキ」として世間にも認知されていますから、今更「麻宮サキ」こと「早乙女志織」では観客が混乱するだろうという配慮なのだとは思いますが、TVシリーズをずっと見ていたファンへの目配せがあっても良かったかなぁとは思います。反対に三代目「麻宮サキ」であるところの風間唯は、劇中では一度も「麻宮サキ」とは呼ばれませんし、自分から名乗るシーンもありませんでした。

もう一つはTV版から映画版への時間経過。
冒頭シーンによれば信楽老との戦いを終えてスケバン刑事の任を解かれたのは、実際のTV放映日とリンクした10月のこと。映画公開は翌年の2月でしたから、劇中時間も現実とほぼ同じだと思われるのですが、サキとお京、雪乃の再会がいずれも久しぶりというニュアンスで描かれている点。3人は同じクラス所属ですので非常に不自然な感じです。
まぁ善意に解釈するなら、サキはそのまま学校に通っていたけれども、留学の準備中だった雪乃は休学ないしは転校、お京は退学してアルバイトに精を出していた・・・という風に取れなくもないのですけれどもねぇ。

リンクといえば主役級の活躍を見せる三代目の風間唯ですが、同じ頃に放映された『スケバン刑事III/少女忍法帖伝奇』のエピソードでは出番が極端に減っています。おそらく浅香唯が映画優先のスケジュールを組んでいたためだと思われますが、TV版でも極秘任務についていることを匂わせる台詞などもありますので、両方を見ているとニヤっとさせられます。
映画のラストでは任務を終えた唯を結花、由真の二人の姉が迎えに来るシーンもあり、それが同時に二代目から三代目への橋渡しともなっているのもグっときます。ただ欲を言えば、劇中では唯はお京と行動を共にすることが多いので、二人のスケバン刑事が共演していることがあまり強調されていないのは残念でもありますね。

二人のスケバン刑事の共演といえば、この映画は当初、斉藤由貴と南野陽子のW主演として考えられていた時期がありました。TV版最終回で生死不明とされた初代麻宮サキが復活するという、ファンにとって最大のイベントムービーになるはずだったのですが、「もうセーラー服は似合わない」という斉藤由貴の一言でボツ。いや、本当に勿体無いことです。
その斉藤由貴は最新作『スケバン刑事/コードネーム=麻宮サキ』に、四代目麻宮サキの母親役として特別出演しますが、結局これが映画版への初参加ということになります。
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by odin2099 | 2006-09-18 21:34 |  映画感想<サ行> | Trackback(5) | Comments(2)
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富士山に作られたショッカー大要塞を粉砕せんとする仮面ライダーの活躍を描く、劇場用『仮面ライダー』の3作目で、完全新作としては2本目となる1972年夏の<東映まんがまつり>の目玉作品。

ヘリコプターを使った空撮や、御殿場でロケーションを敢行した騎馬戦、再生怪人軍団や劇場用の新怪人の登場と見せ場も充実。前作同様、尺数としてはTVシリーズと大差はないが、そのスケール感は劇場用作品ならではのものだろう。本郷猛役の藤岡弘、滝和也役の千葉治郎、子ども向けだからといって手を抜かないこの二人の真剣な演技とアクションは、それだけでも一見の価値がある。

ただ、ダブルライダーの共演という強烈なセールス・ポイントのあった前作『仮面ライダー対ショッカー』と比べると、明らかにインパクトに欠ける面があるのは否めない。スケジュールがタイトだったとか、スクリーン外で色々ゴタゴタがあったという声も聞くが、そのせいか今ひとつ締まりのない仕上がりなのも残念。
・・・と「しねま宝島」にコメントしたのですが、観る度に感想が変ります。その時その時の気分に大きく左右されるのでしょうか。今回はかなり面白く観られました(苦笑)。
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by odin2099 | 2006-09-14 22:44 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_23272418.jpg前作『人造人間キカイダー』劇場用の新作3D映画が作られましたが、続編の『キカイダー01』は残念ながらそこまでの勢いがなかったのか劇場版は未製作に終わり、TVシリーズの第1話が<東映まんがまつり>で上映されたに留まります。
で、今回もズルですが、第1話を久々に観直しましたので劇場映画扱いにさせていただきます。ちなみにこの時の<まんがまつり>は『マジンガーZ対デビルマン』『仮面ライダーV3対デストロン怪人』の2本がメイン。当時の子供たちには正にキラー・コンテンツというところですが、返す返すも映画館で観ていないのが悔やまれます・・・。

いくらか屈折したジロー=キカイダーに比べると、今度の兄イチロー=ゼロワンは明るく頼れるヒーローらしいキャラクターになっていますが、その分前作ほど深みがなくなってしまったような気もします。

e0033570_2324121.jpg当時はあまり気にならなかったのですが、この後第3話でジロー=キカイダーが再登場してくると、その対比で余計イチロー=ゼロワンが面白みのないキャラに感じられるんですね。これがシリーズ後半になると、今度はハカイダー、ビジンダー、ワルダーとレギュラー・キャラが充実してくるなかでゼロワンが完全に霞んでしまうのですが、それも致し方ないかなぁというところでしょうか。その萌芽は既にこの1話でも感じ取れます。

前作『キカイダー』も第1話はそれほど面白くは感じなかったのですが、それでも試行錯誤の中に光るものが微かに見えました。しかし『01』の1話には、スタッフの慣れは感じられますが、それ以上のものは残念ながら感じられませんでした。
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by odin2099 | 2006-09-11 23:27 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_1682451.jpg方や2本立てのもう一本は<仮面ライダー生誕35周年記念>だそうで、Wアニバーサリーという宣伝の仕方をされておりました。こちらもとりたててアニバーサリー作品という部分は前面に押し出してはいないと思うのですが、舞台が宇宙空間だったりといったスケールの大きさは、やはりアニバーサリーならではなのでしょうか。

で、こちらの作品も予備知識なしです。TVとは全く別の話だということなので、まぁ大丈夫だろうと軽く考えていたのですが、相変わらず仮面ライダーが沢山出てきて敵味方に分かれ、更に組織と組織の抗争に裏切り者がいたり・・・という具合にキャラクターや物語の舞台設定を把握するのにかなり手間取りました。やはり一見さんには辛い内容なのかなぁ。もっともTVとは同じ人物でもかなり変っているようなので、TVを熱心に見ている人は逆に混乱するのかもしれませんね。

e0033570_1683992.jpgというわけでちょっとわかりづらい部分はありましたが、映画そのものはかなり見応えのある仕上がりです。『ボウケンジャー』が約30分、『カブト』が約1時間、合せて1時間半強の2本立てですが、感覚としては3時間クラスの大作を観たかのような充実感がありました。テイストが重たくて暗いため、小さなお子さんにはあまり向かないかも知れませんが。
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by odin2099 | 2006-09-03 16:08 |  映画感想<カ行> | Trackback(6) | Comments(8)
e0033570_1653365.jpg<スーパー戦隊シリーズ30作品記念>なんだそうです、この作品。そのためかゲストに倉田保昭という大物を迎えていますが、格別アニバーサリー作品だという気負いみたいなものは感じられず、普段通りのテイストという雰囲気でしたね。といってもTVシリーズ、観たことないんですけれど・・・。

お話は「一番強い方へ、素晴らしい古代の宝を受け継いで欲しい」という謎の美少女ミューズからのメッセージに色めきたったネガティブシンジケートの面々と、そうはさせじと駆けつけたボウケンジャーとの戦いの最中、父親と再会したボウケンレッドの葛藤や成長を描くというものになっています。予備知識なしで臨みましたが、とりあえずキャラクターは把握出来たつもりですし、レギュラー悪の皆さんは出番少な目ということもあってさほど混乱せずに済みました。

e0033570_165493.jpgそれにしても今回初めてちゃんと見ましたが、ボウケンジャーのメンバーはなかなか美形ぞろいですね。ピンクの末永遥、イエローの中村知世、敵役ではありますが風のシズカ役の山崎真実らはグラビアでも人気のようですが、さもありなん。勿論男性メンバーも将来楽しみな人材が揃っているようです。加えてゲストの星井七瀬も可愛いですし、アクション控えめながら飄々たる演技を披露してくれた倉田保昭と、出演者には恵まれた作品だと思います。欲を言えば、脚本がもう少し整理されていれば、というところなんですが、まぁそれは置いておくとしましょう。
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by odin2099 | 2006-09-03 16:05 |  映画感想<カ行> | Trackback(5) | Comments(0)
先に紹介した『仮面ライダーワールド』『東映ヒーロー大集合』と同時に製作された、イベント用の3D映画です(現在はDVDでも観ることが出来ますが、残念ながら3Dではありません)。
『仮面ライダーワールド』はZOとJ、”平成のダブルライダー”競演がポイントでしたが、こちらは現役ヒーローだったカクレンジャーに加え、ダイレンジャー、ジュウレンジャー、ジェットマン、ファイブマンの5戦隊が終結。総勢25人のヒーローたちが、本作オリジナルの怪人と戦います。
最後には5大ロボまで登場して大ボスと戦うのですが、流石に15分程度の尺の中で描くのは無謀な話。単にキャラクターたちが画面上を右往左往するだけの作品になってしまっています。もう少し時間的に余裕を持たせないと、肝心の子供たちにも辛かったんじゃないかなぁと推測しているのですが。
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by odin2099 | 2006-08-31 22:34 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
『仮面ライダー世界に駆ける』に続いて製作されたイベント用の3D映画で、同時期にファイブマン、ジェットマン、ジュウレンジャー、ダイレンジャー、カクレンジャーの5つの戦隊が勢ぞろいした『スーパー戦隊ワールド』、更にはジャンパーソンやブルースワットの活躍も盛り込んだ『東映ヒーロー大集合』と、計3本の3D映画が作られ、イベントで順次、あるいは同時に上映されていた。

e0033570_20465541.jpgこの作品では、<平成のダブルライダー>(今となっては隔世の感がある表現だ)と呼ばれていた仮面ライダーZOと仮面ライダーJが、スクリーンで初競演を果たしている。
その相手はシャドームーン率いる怪人軍団で、その顔触れは『仮面ライダーBLACK』、『真・仮面ライダー/序章』、『仮面ライダーZO』、そして『仮面ライダーJ』からの選抜という具合に、<まんがまつり>の伝統に則った復活怪人部隊。クライマックスは何故か巨大化したシャドームーンと、同じく巨大化したJの一騎打ち(巨大化シーンは『J』からの流用)なので、全体的にZOの出番が少ないのが玉に瑕だが、それでも燃えるシチュエーションであることに変りはない。ZO、J、ベリー、シャドームーンの声はそれぞれのオリジナル・キャストが担当し、BGMは『ZO』と『J』からの流用なのできちんとムードも出ているので、繰り返して観てもなかなか飽きない。
なお、『~世界に駆ける』からの映像も流用されているので、BLACK、RX、ロボライダー、バイオライダーの勇姿も拝めるのはお得な感じ。
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by odin2099 | 2006-08-18 06:24 |  映画感想<カ行> | Trackback(1) | Comments(2)
e0033570_23432164.jpg有尾人帝国ジャシンカと戦う<スーパー戦隊>シリーズ第4弾『科学戦隊ダイナマン』の劇場公開版。
おなじみ<東映まんがまつり>で上映された後、TVシリーズの1エピソードとしても放送されたという変り種。これまでTVの1エピソードをそのまま、或いは手を加えて上映することの多かった<まんがまつり>だが、その逆となると唯一無二。
おまけに放送枠の関係から、短縮版となってしまっているようだ。

ファンからの評判の割りに、自分にはちっとも良さのわからない(苦笑)『ダイナマン』だけに、この作品も「面白くないなぁ」ぐらいしか感想がないのだが、見所といえばアクション演出にかなり力が入っていることだろうか。
特に変身前変身後の両方を演じているJAC所属(当時)の春田純一(ダイナブラック)、卯木浩二(ダイナブルー)の二人は、短い尺ながらかなり派手なことをやらされている。

e0033570_233471.jpgもっともドラマ部分そっちのけでアクション重視という構成こそ、自分にとって面白みを感じない要素なのだが。
変身後のアクション場面や巨大ロボット戦など、思わず早送りボタンを押したくなってきてしまう(爆)。
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by odin2099 | 2006-07-26 22:41 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
『仮面ライダーZO』に続いて<東映スーパーヒーローフェア>で上映された14人目の仮面ライダー。同時上映は『忍者戦隊カクレンジャー』と『ブルースワット』の劇場版。そのデザインはZOを踏襲したもので、新鮮味はない。キャラクター紹介の手間も省けるし、これならば当初の予定通り『ZO』の続編で良かったのではないかと思うが、営業上必要な戦略だったのだろう。e0033570_1047692.jpg
物語は『ZO』と違って一直線で、宇宙からの侵略者フォッグマザーに生贄として浚われてしまった少女を救い出すためだけに、仮面ライダーがひたすら突っ走るというもの(物語内時間は凡そ一日)。おそらく主人公には「地球の平和を守る」などという意識はないだろう。自分の周囲の秩序破壊者に対する怒りのみだ。このストレートさは、ある意味で上原正三脚本の真骨頂か。

その浚われた少女を演じているのは野村佑香。チャイドルとして人気が高まっていた頃で、やはり可愛い。監督の雨宮慶太はこの作品以降、『人造人間ハカイダー』で宝生舞を、『タオの月』で吉野紗香をそれぞれヒロインに起用していくが、何となく趣味がうかがえる。
肝心の主人公・瀬川耕司を演じているのはJAC所属だった望月祐多で、戦隊モノなどでは珍しくないが変身前のライダーをJAC出身者が演じるのは初めてのこと。ただ既に『恐竜戦隊ジュウレンジャー』での主演経験(ティラノレンジャーことゲキの役)があるので、劇場では子供たちから「あ、ゲキだ!」の声が挙がってしまっていたが・・・。

e0033570_014643.jpgこの作品の最大の特徴は、等身大ヒーローの雄・仮面ライダーが初めて巨大化することだろう。仮面ライダーJの「J」はジャンボの「J」なのだ。
これは前年に発売された『ウルトラマンVS仮面ライダー』というビデオ作品内で、両雄が共闘するというミニドラマが作られたのだが、その劇中で1号ライダーが巨大化して初代ウルトラマンとのコンビネーション・プレイを見せるというシチュエーションが大きな反響を呼んだためだ。結局ファンには受け容れられなかったのか、以後のライダーが巨大化するシチュエーションは(今のところ)継続しなかったが、「ウルトラマン」とは違った巨大感の表現にスタッフの腐心の後がうかがえて見応えのある場面にはなっている。ただ巨大化そのものには説得力がなく、全体的にもアクション面は充実しながらドラマ面では一歩後退の印象だ。翌年も<スーパーヒーローフェア>は実施されたが、そこに新作ライダー映画の姿はなかった。『仮面ライダークウガ』でシリーズが復活するのは6年もの後のことである。
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by odin2099 | 2006-07-22 14:20 |  映画感想<カ行> | Trackback(2) | Comments(2)

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