『辺境の王者』<グイン・サーガ>5 栗本薫
2009年 04月 09日

一方、さしものアムネリスにも老マルス伯を失った痛手は大きく、モンゴール軍の士気は低下していた。だが、斥候に出たアストリアスの働きによりセム族のオアシスが発見されたとの報が届くと、奇襲を掛け、今度こそセムを殲滅せんと出撃命令を下す。
犠牲者が多く出たことにより内部で分裂を始めていたセムは、この攻撃にひとたまりもなく、もはやそれは”戦い”ではなく”虐殺”の場と化してしまい、リンダとレムスの二人も再びモンゴールの囚われの身となってしまう。
果たしてグインはこの窮地に間に合うのか?!
シリーズ第一部「辺境篇」がこれにて完結。
この頃は5巻で一区切りとして、それぞれ第一部、第二部・・・と分れていく構想だったのだが、第三部が予定通り15巻で完結せず16巻まで引っ張ることになったあたりから崩れだし、第四部は明確な幕引きのないままで物語は展開し、第五部以降については告知されないまま。
最終的には16巻までが第一部、というか、プロローグ篇と規定されるようになってしまった。
兎にも角にも、ルードの森に記憶をなくし裸一貫で現れたグインは、リンダとレムス、イシュトヴァーンらと出会い、ノスフェラスの荒野でセムとラゴンという友を得、”ノスフェラスの王”とまで慕われるようになったのである。
次巻からは舞台が文明圏へと移り、更なる多くの重要なキャラクターが続々と登場するようになる。