『スター・ウォーズ/オビ=ワン・ケノービの伝説』 ライダー・ウィンダム
2009年 07月 04日

師である亡きベン・ケノービの家を訪れたルークは、そこでベンの残した日記を見つける。驚くべきことに、その日記はルークの指紋で解錠するようにロックが掛けられており、そこにはライトセーバーの作り方も詳細に記されていた。
ベスピンでのダース・ヴェイダーとの戦いで、自身の右腕とライトセーバーを失ったルークは、そこでジェダイの修行の一つでもあるライトセーバー作りに挑戦することに。
しかしその日記には、クローン大戦での出来事も記されており・・・。
『スター・ウォーズ』6部作の影の(真の?)主役ともいうべき、ベンことオビ=ワン・ケノービの知られざる生涯について語られた一冊。
『帝国の逆襲』と『ジェダイの帰還』の間のエピソードとして、ルークが残されたベンの日記を紐解くという構成にはなっているが、実際はスピンオフ作品を含め、幼少期からクワイ=ガン・ジンのパダワン時代、アナキン・スカイウォーカーの師匠の時代、虐殺を逃れタトウィーンで隠遁生活を送っている時代、そして霊体となってルークを見守り続けるまで、色々な作品を横断しながらまとめられている。
先に、ダース・ヴェイダーことアナキンの生涯を追いかけた『ダース・ヴェイダー 光と影』という小説が出ているが、これはそのオビ=ワン篇。これまで断片的に語られてきた様々なエピソード、言動などを、首尾一貫したものとしてまとめあげた作者の手腕はなかなかのものである。
本来はヤングアダルト小説として出版されたものだそうで、表現が平易だったり、描写が簡略化されすぎていて物足りないと感じる部分もあるが、オビ=ワン・ファンは勿論のこと、『スター・ウォーズ』ファンを自認する人ならば一読の価値はあるだろう。