『ゴジラVSモスラ』(1992)
2009年 07月 11日
モスラの復活はかなり早い段階で検討されていたようで、当初は『VSビオランテ』の後に『モスラVSバガン』という作品を製作し、そのまま『ゴジラ3』へ繋げるというアイディアもあったようだ。
小美人役にはWinkを起用し、三枝未希もスライド登板するという企画、実現していればゴジラの登場しない「ゴジラ」映画という画期的な作品になっていたのだが(もっとも顔見世程度にはゴジラも出てくるようだが)、結局は怪獣人気アンケートのトップだったというキングギドラの復活が優先され、見送られてしまった(次点がモスラだそうで)。
となると『VSキングギドラ』の次回作にモスラの登場は必然。
前作のエンドクレジット後に付けられた特報で、堂々と復活宣言。オリジナルとはかなりイメージが異なり失望させられたキングギドラとは違い、幼虫から成虫へ、基本イメージはそのままに銀幕に羽ばたいた。
また”黒いモスラ”――バトラという新怪獣も登場。「悪のモスラ」「偽モスラ」に近いポジションでありながら、最後には「モスラ2号」になるというのはヒーロー物によくあるパターンである。

だが千両役者だけあって、画面を引き締める効果も。
モスラとバトラが互いに光線技のオンパレードになる対決シーンは違和感(特にモスラ)ありまくりだが、「極彩色の大決戦」のコピーに恥じない華やかな画面は、お正月映画としては合格点。
不満点も多々あるし、前作よりはスケールダウンした感もあるものの、大風呂敷を広げっぱなしなよりは、このぐらいが無難であろう。
ところでこの作品、キャストの顔ぶれを見るとちょっと不思議な感じがする。
初代「ゴジラ」のヒーローらしい貫禄がある宝田明の復帰、『ウルトラマンタロウ』の猪突猛進の熱血漢の面影はどこへやら、知的で冷静な科学者を好演した篠田三郎、前作よりもコミカルさを増した小林昭二や黒部進の再登場は怪獣映画らしさを強調しているし(もっとも「ゴジラ」というよりも「ウルトラマン」だが)、三枝未希=小高恵美は既にシリーズの顔だ(その割に出番が少なく、便利屋的に使われている点に不満が残る)。
しかし主役の別所哲也(前作では『ターミネーター』モドキが出てきたが、今度は『インディ・ジョーンズ』もどきの冒険野郎である)は兎も角として、小林聡美、村田雄浩、大竹まことといった面々は、これまでのシリーズの流れからするとかなり意外な抜擢のように思う。
後に村田雄浩はシリーズの常連になるのだが、美人じゃない(失礼!)小林聡美のヒロイン像は、美男美女が定番のシリーズの中では異彩を放っている。

「ゴジラVSモスラ」の紹介、もしくは感想。 モスラは成虫になると、ゴジラから主役の座を奪う能力があるようだw パンフレットの表紙にはモスラが2匹生まれているが、それは「モスラ対ゴジラ」の話では?この映画には出てこなかったような。 「極彩色の大決戦」のキャッチコピーからも分かるように、この映画の主役はモスラ。準主役がバトラで、ゴジラは敵役。敵役というものの、人類にとってはいつでも敵だから、微妙なところだ。 元々「モスラVSバガン」となる予定が、「ゴジラVSモスラ」になったとのこと。バガンてどんな怪獣...... more


11月19日(木) 21:00~ 銀座シネパトス1 料金:1300円 ゴジラvsモスラ [DVD]出版社/メーカー: 東宝メディア: DVD 名画座宣伝した銀座シネパトスの「平成ゴジラ復活祭」の一本。まずは、映画館発行のチラシから当作品の解説を引用。 <引用開始> ゴジラとモスラが24年ぶりに競演。地球生命を守護する新怪獣バトラも出現。モスラは国会議事堂で成虫に変化し、横浜で決戦を迎える。シリーズ最高の420万人を動員。 <引用終り> 渋谷の某飲み屋で川北のオッサン呼ばわりされている川北紘...... more