【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『クイーンエメラルダス/VOL.1 無限への旅発ち』

これまでゲスト・キャラクターとしての登場のみだった松本ユニバースの重要キャラクター、エメラルダスの、初の単独主演作品。
e0033570_10342745.jpgかつて1983年夏の大作アニメーション映画としての公開が予定されていたこともあったが、82年夏の『わが青春のアルカディア』の興行的失敗と、それに続くTVシリーズ『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』の低視聴率による打ち切り(でしょうね、あれは)という松本ブームの終焉とともに、幻の企画になってしまったという経緯がある。
それが折からの松本零士再ブームに乗っかって、全2巻のOVAとして復活することになった(後に、好評だったという理由から更に2話分が追加された)。

物語は原作コミック『Queenエメラルダス』とは違う、アニメ・オリジナルの展開。
海野弘は自らの夢をかなえるため地球を脱出したが、密航していた交易船がアルフレス艦隊の攻撃を受け、あわやというところを謎の艦に助けられる。
惑星ダイバランに到着した弘は酒場で働くことになるが、そこへ自分たちを攻撃した艦の持ち主を捜しに来たアルフレス軍のエルドメイン大佐らが現れ、もみ合いとなる。
その時、弘の前にフードに身を包んだ一人の女が姿を見せた・・・。

海野弘とエメラルダスとの出会いを描いたこのエピソード、原作コミックとは違うストーリーではあるのだが、随所に原作のエッセンスを取り入れ、違和感のないものになっている。
増永計介のデザインしたキャラクターも、松本タッチを上手く再現し、かなり理想的な仕上がりに。この作品以後、プレステソフトの『宇宙戦艦ヤマト』をはじめ、『コスモウォーリアー零』、『ガンフロンティア』、『宇宙交響詩メーテル』、『大ヤマト零号』など、松本作品のアニメ化には欠かせない存在になっていく。

e0033570_10334913.jpgそして何よりも「声」。
この時期の作品ではエメラルダスの声が勝生真沙子、ハーロックは山寺宏一にシフトしているが、この作品では田島令子と井上真樹夫と、オリジナルキャストの再起用が実現している。
やはり「私はエメラルダス・・・」という語りかけは、田島令子の声でなければ・・・。
残念なのはトチローが山寺宏一に変更されていることだが、既に富山敬の物故後とあっては致し方ない。山寺宏一も富山敬の特徴をよく掴み、違和感なく再現している。なお山寺宏一はプレステ版『ヤマト』では古代進を担当。そして『ハーロック・サーガ』では何とハーロックとトチローの二役に挑戦! 知らないで聴いていれば、おそらく二役には気づかないくらいの完成度を見せてくれている。

回想シーンで描かれるトチローのドックには、係留中のクイーンエメラルダス号と並んでデスシャドウ号、それに宇宙戦艦ヤマトの姿もあり、他作品とのリンクを強調している。
そして大島ミチルの音楽に乗って現れるエメラルダスは、今観直してみても惚れ惚れするような格好良さ。”後篇”への期待が弥が上にも高まる密度の濃い30分なのだ。
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by odin2099 | 2009-07-12 10:37 | ビデオ | Trackback | Comments(0)
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