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『ゴジラVSスペースゴジラ』(1994)

『ゴジラVSスペースゴジラ』(1994)_e0033570_2304162.jpg
この作品、大抵のファンからもソッポを向かれボロクソ言われとります。
『ゴジラ対メガロ』とか『ゴジラ・ミニラ・ガバラ/オール怪獣大行進』といった作品群を押え、堂々とシリーズ・ワースト1に推す人も少なくない。
でも、「そいつがどうした!」

シリーズの集大成を目論んだ設定の破綻・・・。
権藤一佐に妹? 
スペースゴジラ誕生の遠因はビオランテとモスラ? 
対ゴジラ兵器のモゲラはちっともスーパーXやメカゴジラを踏襲してないし、ストーリーもご都合主義だ。
リトルゴジラ(劇中ではチビゴジとかベビーとしか呼ばれていない)のあざとさは女性層を掴むためのもので、一歩間違えれば第二のミニラになる危険性ギリギリ。
そして音楽が伊福部昭じゃない、
と否定要素は山ほどある。
しかし再び「そいつがどうした!」

軽いんだか暗いんだかわからない新城とその相棒・佐藤のコンビは、それでもかつての高島忠夫・藤木悠コンビを彷彿とさせる部分があるし、5本目にして遂に正ヒロインの座を掴んだ三枝美希は、これまでになかった女性らしい一面を見せる。まぁ柄本明はミスキャストだなとは思うけど。

そしてゴジラとスペースゴジラの激突は久々の怪獣プロレス! 
音楽が伊福部昭じゃないのもかえってプラスだ。服部隆之の音楽は、最初のうちこそ「?」という感じだったが、CDを繰り返して聴くうちに納得。要所での伊福部メロディのポイント使用も効果的である。
モゲラが弱すぎるとか、アステロイドの描写が「あちゃー」だったり、ゴジラが再び正義のヒーロー化しつつあるとか、不満をあげればキリがない。
シリーズ物の宿命で、どう作っても文句の声は出る。どこかで変えて行かなけりゃならないもんである。

ということでこの作品、結構お気に入りである。まぁ、好みは人それぞれということで。


『ゴジラVSスペースゴジラ』(1994)_e0033570_225992.jpg・・・てなことを以前書いたのだけれども、ホント、その通り。
前作『VSメカゴジラ』でシリーズは一旦休止の予定だったので、従来のスタッフは『ヤマトタケル』に流れ、こちらには新顔がチラホラ。
ゴジラにスペースゴジラ、リトルゴジラにモゲラにフェアリーモスラ、と物量作戦に臨むものの、純粋な新キャラクターが皆無というお手軽さ。
気恥ずかしくなるくらい甘々の歌詞で綴られた主題歌が流れるエンディング・・・とマイナス要素は決して少なくないのだが、シリーズで一番陽性な作品、好きなんです。

それに、これまではどちらかというと無機的な、記号的な存在だった”三枝未希”というキャラクターが、等身大の、可愛らしい女の子として描かれているのもプラス。
服部版「ゴジラのテーマ」も「モゲラのテーマ」も異様に格好良く、画面には全然合ってないけどOK!
Tracked from 極私的映画論+α at 2009-07-29 06:35
タイトル : ゴジラVSスペースゴジラ (1994) 108分
 モゲラは必要なかったんじゃ?(笑) いや・・・やっぱそんなことはないか(笑)... more
Tracked from ダイターンクラッシュ!! at 2009-12-13 10:54
タイトル : ゴジラvsスペースゴジラ
11月26日(木) 21:00~ 銀座シネパトス1 料金:1300円 ゴジラVSスペースゴジラ [DVD]出版社/メーカー: 東宝メディア: DVD 名画座宣伝した銀座シネパトスの「平成ゴジラ復活祭」の一本。まずは、映画館発行のチラシから当作品の解説を引用。 <引用開始> 宇宙から飛散したゴジラ細胞から誕生した新怪獣スペースゴジラが地球を襲撃。前作のベビーゴジラが成長を遂げたリトルゴジラの危機にゴジラは立ち向かう。人類は三機分離合体する対ゴジラ新兵器MOGERAで二大怪獣に対抗。ラブロマンス...... more
Tracked from ひびレビ at 2011-02-04 07:53
タイトル : ゴジラVSスペースゴジラ
今回の東宝特撮DVDコレクションは「ゴジラVSスペースゴジラ」。 VSビオランテ、VSモスラと二度に渡って宇宙に放出される機会があったG細胞。それがブラックホールに飲み込まれ、ホワイトホールから排出される過程で結晶生物と融合し、スペースゴジラが誕生した。ゴジラ、そしてGフォースの新戦力MOGERAが挑む! ゴジラに良く似たスペースゴジラ登場作品。このスペースゴジラがカッコよすぎて・・・ソフビを買ってもらって、超全集を読んで、当時から大好きな怪獣の1体です。軌道が自在なコロナ・ビーム、ゴジラの熱線を...... more
Commented by pixytale at 2009-07-27 15:50
 VSシリーズの中ではあんまり全体的には好きな作品ではないんだけど、服部隆之によるゴジラのテーマは好きなんですね。明るい進撃タイプのゴジラのテーマって、復活ゴジラ以降はありませんでしたから。特にゴジラが熊本とかを通過してる時に流れてたのが……
 服部隆之は後に『ゴジラ2000 ミレニアム』でも音楽を担当していますが、この路線の延長を期待していたのにがらりと変わってしまってたのが残念でした。あと、エンディングの歌物もゴジラ映画じゃ似合わないからやめて欲しかったです。

 三枝未希をヒロインにするのもどうかと思うけど、ロマンスをやるにしても次回作で続いてないですからねぇ……
 この映画、神戸でのエキストラ撮影に参加したのですが、映画じゃ神戸は一瞬しか映ってないんですね。試写会が見れたのが役得でしたが。
Commented by odin2099 at 2009-07-28 22:39
服部版「ゴジラのテーマ」に関しては同意見です。
『ゴジラ2000』も期待していたのに、作風がガラっと変わってしまって残念。監督の要望だったのでしょうかね。
真鍋理一郎も大島ミチルも、複数作品担当してますが、基本的な「ゴジラのテーマ」は同一のフレーズ。勿論、伊福部昭もそうですが、これが安心感を与えてくれたりもするのですが、毎回違うメロディを書く佐藤勝と同じパターンということになるんでしょうかね。

三枝未希のヒロイン昇格は、これはシリーズ連投(皆勤賞)の彼女に対するご褒美みたいなものかな、と考えてます。
また添え物的扱いでシリーズに出すくらいなら、いっそいない方がスッキリするんじゃないかと思う彼女、ここでしっかりと存在感を示すことも必要だったのではないでしょうか。
by odin2099 | 2009-07-26 23:01 |  映画感想<カ行> | Trackback(3) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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