【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ウルトラセブンの音楽を創った男 冬木透 CONDUCTS ウルトラセブン』

今年は「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」や「交響曲 宇宙戦艦ヤマト」を取り上げた、往時を知る者にとっては感泣もののコンサートが企画され、どちらにも足を運びましたが、もう一つ夢のような企画が実現しました。
それが3月13日に東京オペラシティコンサートホールで開催されたコンサートで、当日は「交響曲 ウルトラコスモ」「交響詩 ウルトラセブン」が、作曲家・冬木透自身のタクトの下、東京交響楽団の演奏で披露されるというもの。残念ながらその日は平日ということもあって生で聴くことが出来ず、非常に悔しい思いをしたものです。

e0033570_20512513.jpg先にライヴ録音のCDは発売されていますが、DVDにはCDではカットされたトーク部分や、終演後のインタビューも収録されているとあって結局両方買うはめに。
まぁ商売が上手いと言えば言えますが。

「交響曲 ウルトラコスモ」は、1993年に創立30周年を迎えた円谷プロダクションから委嘱されて書かれたもの。記念コンサートで初演したのも東京交響楽団で、それ以来の演奏になるのではないかと思います。
4楽章からなっていて、M78星雲ウルトラの国やウルトラ戦士たちの描写に始まり、怪獣や宇宙人たち侵略者との対決、勝利といった”物語”が、各作品の主題歌のモティーフや、冬木透が手掛けた劇伴(BGM)をアレンジしたメロディーによって綴られていきます。

主題歌のモティーフが引用されているのは、自身が手掛けた「ウルトラセブン」は勿論のこと、「ウルトラマン」、「帰ってきたウルトラマン」、「ウルトラマンA」、「ウルトラマンタロウ」、「ウルトラマンレオ」、「ウルトラマン80」で、アニメーション故か「ザ・ウルトラマン」はオミットされています。
一方でBGMの方では「セブン」「帰マン」「A」「レオ」それに「ザ・ウルトラマン」と自らが手掛けた作品の殆どから構成しているのですが、こちらには何故か「80」のものがありません(挿入歌のメロディーは出て来ますが、他に明確な形での流用はなし)。不思議と言えば不思議ですね。

「交響詩 ウルトラセブン」は1979年、「交響詩 ウルトラマン」(こちらも何らかの形で再演して欲しいものです)とカップリングでLPレコードとしてリリースされました。こちらは前述の「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」に代表される、アニメーション音楽のシンフォニー化ブームに対抗したものでしょう。これまた初演の担当は東京交響楽団でした。

全5楽章からなっていて、主題歌や挿入歌、それにBGMをアレンジし、「ウルトラセブン」の各エピソードのみならず、1年間というシリーズの流れをも彷彿とさせる構成になっています。
こちらは何度か再演の機会があったようですが、おそらく全楽章を取り上げたことは殆どなかったのではないでしょうか。

どちらの曲も以前出ていたLPやCDを何度も繰り返し聴いていたのですが、今回の演奏ではスコアも一部変更が入っているようですし、何といっても演奏のテンポが違う、というか全体に遅いのが特徴でしょうか。
やっぱりクラシック曲(?)は、指揮者や演奏家によって色々な解釈が可能なところに面白さがあるように感じます。

他に演奏されていたのは「ウルトラ警備隊の歌」に「ワンダバメドレー」、それに「ウルトラセブンの歌」。
「ワンダバメドレー」は「MATのテーマ」と「タックの歌」、「MACのテーマ」と「ワンダバUGM」のメドレー。
スローテンポ、それに児童も含めた混声合唱だと豪華な感じはあるものの、やはり違和感が・・・。

冬木透を始めとして、満田かずほ、飯島敏弘、森次晃嗣、ひし美ゆり子らが登場した注目のトークコーサーですが、こちらはあくまでも<特典映像>としての扱いなのがやや不満ですね。
出来ればコンサートの流れの中にきちんと入るようにして、コンサートを再現出来るようにして欲しかったですね。

なおこのDVD、「ウルトラセブン」のDVDではなく、クラシック音楽のDVDという作りになっています。
<特典映像>のドキュメンタリー部分を除けば、『ウルトラセブン』からの映像流用はなし。オーケストラの演奏に、ウルトラセブンの雄姿がオーバーラップするというような、ありがちな演出にはなっておらず、カメラはあくまでも演奏者を捉え続けているいることには好感を覚えました。

しかし、やはりライヴ映像では満足出来ません。
是非とも再演を望みたいものです、休日の開催で。
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by odin2099 | 2009-08-14 20:53 | 音楽 | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from ブツクサ徒然ぐさ at 2009-08-15 22:44
タイトル : やっぱり好きやねん、ウルトラメカ。
前々回でしたか、武器のプラモのこと書いてたのは。舌の根も乾かぬウチにとはこのことですねえ。ヤフオクで買ってしまいましたよ。『ウルトラメカニカルコレクション:ウルトラ警備隊』7種類まとめて。... more
Commented by よろづ屋TOM at 2009-08-15 22:48 x
LPですが、ウルトラセブンのB.G.M.集が出るたびにレコード屋へかけつけたものです。うーん、生演奏か…想像もできませんがやはりB.G.M.はアレンジされると別物なんでしょうね。
Commented by odin2099 at 2009-08-16 21:53
『セブン』のBGM集は最初キングから出て、次にコロムビアから出て、キングから再販され、その後はCDになってからもキングやコロムビアから出直したりしましたね。
結局何枚ぐらい出たのでしょう?

『交響詩セブン』は、結局『交響組曲ヤマト』と同じことです。
BGMを元に、大編成で新たな編曲を施されています。
ただ『交響詩セブン』が他のシンフォニー版と違う点は、再アレンジの際に新しくメロディーやモティーフを(少なくてもあからさまに)追加してはいないことでしょうか。
例えば『交響組曲ヤマト』ならば、完全新曲の「スターシャ」は兎も角、「明日への希望」などで新しいメロディーが出てきてますけど、『交響詩セブン』にはなし(カップリングの『交響詩ウルトラマン』にはあります)。
これはある意味、凄いことです。

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