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『ガメラ2/レギオン襲来』(1996)

『ガメラ2/レギオン襲来』(1996)_e0033570_1942384.jpg世界各地で流星雨が観測され、その一つが北海道に落下。だが巨大なクレーターを残し、隕石は姿を消してしまう。
その後札幌市内で怪現象が次々と起こり、遂に地下鉄構内に怪生物が出現。程なくしてビル街に巨大な植物が現れた。
怪生物と巨大な植物には何らかの繋がりがあると判断した自衛隊は植物の爆破を決定するが、そこにガメラが飛来。一方、それを阻止せんと怪生物は群れをなしてガメラに襲いかかった・・・!

地球外からの侵略に対して、徹底抗戦の構えを見せる人類。これは紛れもない戦争映画だ。
BGMの使い方に若干の疑問点があり、そのせいで多少弛れる場面はあるものの、冒頭から一気に畳みかける展開には前作からのスケールダウンは全く感じさせない。
惜しむらくは、人類が徹頭徹尾頑張るが故にガメラの存在が霞んでしまい、怪獣映画らしくない感じを与える点だが、そのことでかえって”怪獣映画”に抵抗ある層にも受け入れられる要因になっているように思う。

従来の怪獣映画とは大きく異なるのは自衛隊の描き方だろう。
前作でもより現実に即した形での自衛隊の行動に重点が置かれていたが、今回は特異な職業に従事している者ということよりも、与えられた仕事を黙々とこなすプロフェッショナルの集団としての描写が顕著である。
当然のように映画ならではのフィクションの部分もあるのだろうが、彼らの姿が画面を引き締めているのは確かだ。

『ガメラ2/レギオン襲来』(1996)_e0033570_1942413.jpgその作戦指揮も、実戦とはかくや、と思わせるもの。
最前線で怪獣と対峙し、大声で命令を下す指揮官というものはこの作品に存在しない。
これまでの怪獣映画を見慣れてきた目には非常に地味、かつ迫力不足に映るものだが、これがリアリティというものなのだろう。
もっとも、いざという時にこういう体制で不測の事態に対処出来るのか、という点では些か不安を覚えるのも確かだが。

主役は無論のこと、脇役端役にも適材適所が目立ち、無駄というものが感じられない構成。
怪獣映画としてのみならず、日本のエンターテインメント作品として最高峰に位置する作品だと言っても過言ではあるまい。
Tracked from ガメラ医師のBlog at 2009-09-10 17:31
タイトル : ガメラ:平成(金子)版視聴記など 2009/09/10 
 本日二本目の更新です。一本目「湯浅版視聴記 /09/10」はこちら。  視聴ソースが特定されない、平成(金子)ガメラ三部作の視聴記まとめです。 前回の「金子版BS11視聴記 2009/09/08」はこちら。 「金子版Blu-ray視聴記 2009/09/07」にはこちらより。  平成(金子)版論議: 前回のご紹介は、07年2月17日更新分の「小さき勇者たち DVD鑑賞記 」での、「日韓の怪獣2題。グエムルとガメラ」でした。 『 満園社長の『最長不倒30年!』 』 http://blogs.ya...... more
Tracked from 時空の流離人(さすらいび.. at 2009-09-12 08:46
タイトル : ガメラ2 レギオン襲来
 ずっと前に、地元のテレビ局で深夜に放映していたものをビデオに録画していたのだが、やっと観ることができた。「ガメラ2 レギオン襲来」である。1996年の放映であり、平成ガメラシリーズの第2作目にあたる。 出だしは、いきなり宇宙から隕石が降ってくる。これが実...... more
Tracked from かっぱのお部屋。 at 2009-09-15 19:20
タイトル : ガメラ2レギオン襲来
平成ガメラシリーズ2作目、レギオン襲来を見ました。2は宇宙から来た地球外生命体レギオンに北海道がボッコボコにされる話です。北海道沈没って感じです。今回の話は全体的に自衛隊色が強い雰囲気なので、見てると燃えます。頑張る中年最高。隊長ぉぉぉぉぉ!!!って叫...... more
Tracked from 超おすすめ+カルト☆特撮.. at 2009-10-14 01:14
タイトル : 映画BD『ガメラ2レギオン襲来』1996年主の問いに答え..
これもまたブルーレイディスクBOXで観直してます。LD購入後、DVD-BOXは見送っていました。 ガメラ2レギオン襲来Blu-ray(BD)◆20%OFF!平成ガメラBOX【Blu-rayDiscVideo】:平成ガメラシリーズ第2弾!にして最高傑作!(と個人的には思う)血湧き肉踊る、怪獣映画の醍醐味...... more
Tracked from Subterranean.. at 2010-09-25 16:20
タイトル : ガメラ2 レギオン襲来
監督 金子修介 主演 永島敏行 1996年 日本映画 99分 特撮 採点★★★★★ なんだかここ数年ずいぶんと増えてはきましたが、かつては滅多なことではロケ地になることがなかった仙台。松島なんかはワイド劇場とかでちょくちょくロケされてたけど、有名ホテルの食事風…... more
Tracked from ひびレビ at 2011-01-10 17:34
タイトル : ガメラ2 レギオン襲来
ブルーレイの時代に今更とは思いますが、「ガメラ2 レギオン襲来」「ガメラ3 邪神覚醒」のDVDを購入しました。まずはレギオンから。 初めて見たのが高校生くらいでした。怪獣映画と言えばゴジラしか知りませんでした。金曜ロードショーか何かでイリスが放送されていた記憶がありますが、10時以降は眠かった私の記憶には眠気しか(苦笑。「前田愛さんって、デジモンの歌歌ってる人かな」と勘違いしてましたから、多分中学生ぐらい。 で、この作品は高校生の時に初見。平成ガメラの敵って、地球規模でやばい連中という印象が強いで...... more
Tracked from はらやんの映画徒然草 at 2011-08-07 21:23
タイトル : 「ガメラ2 レギオン襲来」 主人公は怪獣ではなく、人間
平成ガメラ三部作の中でどれが一番好きかと言われたら、迷わずこちらの作品「ガメラ2... more
Tracked from ぼやき部屋 at 2012-05-03 16:51
タイトル : 裏レビュー@ガメラ2/レギオン襲来
なんだろう。「ガメラ」は、見始めるとどんどん引き込まれて行ってわくわく感が増幅する面白さがある。見始めると面白い。こういう作品て凄い。改めて相方さんさりがとう! 作品の ...... more
Commented by よろづ屋TOM at 2009-09-10 09:37 x
私、これが平成ガメラの劇場での初体験となりまして、理屈積み重ね系が大好きな私はいっぺんに惚れ込んでしまいました…レギオンも美しかったなあ。

仰るように日本ならではの“いてまえ系”な怪獣映画としては物足りない人もおられたのかもしれませんが、これこそ、私がずっと平成ゴジラに求めていた『大人の鑑賞に堪える、SFとしての怪獣映画』だと私は思います。
でもちゃんと古き良き時代の円谷式ミステリー仕立てのシナリオも踏襲していたし、けして怪獣の神秘性も不気味さも描かれていたのも良かった。
登場人物たちの普段の仕事や生活感、人間関係がしっかり描いてあるからこそ、ぶっ壊れる街もリアリティを増すわけですしね。

それにしても永島氏ほど自衛官が似合う俳優はいないですし、この作品で主役を張った時はまだ知名度それほどでもなかった水野美紀ちゃんも吹越満氏も、こののち大活躍しますもんね。配役も大正解だったって事ですね。
Commented by odin2099 at 2009-09-10 22:24
永島敏行は「日本一の軍服役者」でしょうね。
本人も「行かなかった戦争はない」と語ったとか。
水野美紀は、今ではどちらかというと「強い女」的な役柄が多いように思いますが、この時は可憐な少女役。それが様になっているのも彼女の魅力でしょうか。
吹越満の存在はこの作品で初めて知りましたが、抑えめな演技なのにテンションの高さを感じる不思議な役者さんでした。
チョイ役ではベンガル(穂波の父親役)が特に印象的です。

『大人の鑑賞に堪える、SFとしての怪獣映画』という点では、今のところ他の追随は許しませんね。
この路線を受け継ぐ新しい作品の登場も期待したいところです。
Commented by pixytale at 2009-09-10 23:03 x
 ガメラ映画の中では一番好きな映画ですね。(ゴジラの『ビオランテ』に匹敵するぐらい)
 冒頭の札幌でのレギオン植物体の種子の発散までも怪獣映画としては細かいのに、これが単なる発端に過ぎないんですね。で、仙台消滅で度肝を抜かれた後は、関東平野での自衛隊のリアルな防衛戦……怪獣映画の醍醐味を堪能させてくれる作品ですね。
Commented by よろづ屋TOM at 2009-09-11 11:02 x
「行かなかった戦争はない」( ̄ロ ̄lll) め、名言ですね…
吹越満氏、これよりウンと前は舞台の一発芸としてロボコップのモノマネとかしてましてね。この映画のあとでそれが彼と同一人物だと知った時は、デーモン閣下のゴジトラマンと同じ位びっくりしました。

美紀ちゃん、それがデビューかどうかは知りませんが、カプコンの『ストリートファイター2』スーファミ版が出た時に実写CMの春麗役で出たのが彼女に注目した最初でした。
で、そんとき共演でリュウを演じたモデルさんと紳士服の広告で何年か仕事してまして「彼女、すんごく可愛かったですよ」って話とか聴かして貰いました。
「サインは貰わへんかったん?」「まさかここまで売れるとは…しもたなあ」みたいな。

うむ、カメ2、また観よう。( ̄▽ ̄*)
Commented by odin2099 at 2009-09-11 22:08
>pixytaleさん

僕も『VSビオランテ』共々好きですよ。
なんか両作品には共通するものがあるような気がします。
無駄なセリフや場面が少なく、カット割りや編集のテンポも良く、理詰めではあっても理屈っぽくもならず、メイン格のキャラクターが多いけれどきちんと活かされてるというあたりが。

ただ最終決戦の時は位置関係が分かりづらかったですね。
司令部がどこに設置されているのか、帯津さんはどこにいるのか、穂波や浅黄がいるところから防衛線まではどのくらい離れているのか、今レギオンはどこにいるのか。
要所要所で地図を挟んでくれるともっと臨場感というか緊迫感が高まったかも。
Commented by odin2099 at 2009-09-11 22:17
コーセー「ルシェリ」のCMが話題になってましたね、例の「チューして」というやつ。
ただその頃は「そんな娘もいるんだ」程度の認識でした。
『地球戦隊ファイブマン』のゲストも知らなかったし、カプコンのCMも直接観たことはありません。
その後『踊る大捜査線』で知名度もグーンと上がるわけですが、そっちも観てなかったなぁ・・・。
いいな、と思ったのは『千里眼』の時です。

吹越満は他作品のことは全く知りません。
というか、出演作を観たことはあるんですが、意識して観たことはないんです。

『ガメラ3』、脚本段階では穂波の出番があったんですよね。
中山忍と水野美紀の共演、観たかったなぁ。
Commented by samurai-kyousuke at 2009-09-24 16:58
平成ガメラ3部作はいずれも傑作だと思いますが、この作品が一番の出来映えだと思います。録画したやつをたまに見返したりしています。
Commented by odin2099 at 2009-09-24 22:42
「1」は手探りの感あり、「3」はかなり暴走気味ですから、この「2」が一番バランス良いかも知れませんね。
怪獣映画・特撮映画という枠を超え、自分の生涯の映画ベスト10・・・は兎も角、ベスト50ぐらいには間違いなくランクインしそうです(笑)。
by odin2099 | 2009-09-09 19:43 |  映画感想<タ行> | Trackback(8) | Comments(8)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur