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『13デイズ』(2000)

1962年の「キューバ危機」を、当事者のインタビューや最近公開された資料に基づいて描いたノン・フィクションのポリティカル・サスペンス。
コッポラやスピルバーグも触手を動かしたという題材を、ケビン・コスナーが主演を兼ねてプロデュース。コスナーとは『追いつめられて』でもコンビを組んだロジャー・ドナルドソンがメガホンをとった。
1962年といえばまだ自分が生まれる前であり、また所謂「学校で教えない近代史」なだけに今一つ馴染みが薄いのだが、まだ半世紀にもならない近過去に米ソが一触即発の緊張状態にあり、一歩間違えば第三次世界大戦の引き金にもなりかねなかったという事実を突き付けられるのは恐ろしいことだ。

『13デイズ』(2000)_e0033570_2272034.jpgコスナーにとっては『JFK』に次ぐケネディ物への挑戦だが、ジョン・F・ケネディ大統領本人でも、その弟ロバート・ケネディ司法長官でもなく、押さえ役のケネス・オドネル役を選択したあたりが渋い。
大統領特別補佐官であったオドネルは、ケネディ兄弟とは個人的に親しい側近中の側近と言われた人物。ケネディ自身を主役にするよりも第三者の目を通して描くほうが、より広い視野で事態の推移を捉えやすいという意味で、これはいいアイディアだったろう。ただ映画ならではの脚色部分もふんだんにあり、実際のオドネルは大統領のマネージャー的役割を持っており、ここまで積極的にこの危機に関ってはいなかったようであるが。

大スケールの見応えのあるドラマに仕上っている本作だが、息抜きシーンの殆どないままの2時間半というのは、流石に見ていて疲労感が残る。トレバー・ジョーンズの音楽も自己主張することなくひたすら緊迫感を煽っているが、もう少しゆとりというかメリハリがあっても良かったか、と思う。
予告篇ではハンス・ジマーの音楽が使われていたが、これぐらいハッタリの効いた音楽のほうが、映画としてはより盛り上がったように思う。
                                                  ――「しねま宝島」より


何年ぶりかで観直しましたが、付け加えることは殆どないですね。
今回は吹替版なので、やはり以前より集中の度合いが違うため、より細かいシーンに目が行くようになり、更に楽しめました。

ブルース・グリーンウッドはJFKにはまるで似ていませんが、何となく様になっています。映画はモノマネ合戦ではありませんからこれはこれで良いように思いますが、アメリカ国民、特に当時を知る年配の方にはどう受け止められたのでしょうか。
一方のスティーブン・カルプは、この作品以前にも『ノーマジーンとマリリン』という作品でボビーを演じています。写真を見る限りでは似た雰囲気があるようで、これはこれで興味深いですね。
Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2009-09-16 23:02
タイトル : 13デイズ
 コチラの「13デイズ」は、米ソ冷戦時代における最大級の軍事的緊張の高まりを見せた”キューバ危機”の13日間を、「ゲッタウェイ」のロジャー・ドナルドソン監督が、描いた社会派サスペンスです。  主演は、ケヴィン・コスナー。大統領特別補佐官ケニー・オドネルを演....... more
Tracked from Kaz.Log Cinema at 2009-09-16 23:39
タイトル : 13 デイズ
1962年10月16日、今から43年前、米ソ両国のみならず、世界を第3次世界大戦の瀬戸際まで追い詰めた、いわゆる{{{ "キューバ危機 "}}} の真相に迫ったポリティカル・サスペンス映画。 監督は'''ロジャー・ドナルドソン'''。 主演、製作にリベラル派で知られる'''ケヴィン・コスナー'''。 大統領特別補佐官、''&#0...... more
Tracked from ヒューマン=ブラック・ボ.. at 2009-09-17 06:55
タイトル : 13デイズ (2000年)
ヒューマン=ブラック・ボックス -映画のご紹介(36) 13デイズ 時々無性に観たくなる映画がある。 13デイズ! ケネディ大統領がキューバ危機の時に核戦争を回避したという話を映画にしたもの。 この映画のどんな点がそんなにjamsession123goの心を惹き....... more
Tracked from 勝手に映画評 at 2009-09-17 21:50
タイトル : 13デイズ(2000年)
タイトル 13デイズ ---感想--- 世界が実際に滅亡の危機に瀕したキューバ危機。それが、20世紀最後の年に描かれると言うのは非常に意味の有る事ではないだろうか。時のアメリカ大統領は、いまだにアメリカで一番の人気を誇る第35代大統領ジョン・F・ケネディ。しかしこの物語は、JFKではなく、またJFKの弟でケネディ政権の司法長官であったロバート・F・ケネディでもなく、大統領特別補佐官ケネス・オドネル(ケビン・コスナー)の視点で語られていく。世界が滅亡せずに、私たちが今現在存在できるのも彼らの活躍の賜物...... more
Tracked from La.La.La at 2009-09-18 18:47
タイトル : 『13デイズ』
 制作年:2000年  制作国:アメリカ  上映メディア:劇場公開  上映時間:145分  原題:THIRTEEN DAYS  配給:ポニーキャニオン  監督:ロジャー・ドナルドソン  主演:ケビン・コスナー      ブルース・グリーンウッド      ディラン・ベイカー ケネディ大統領の元に、ソ連が核弾道ミサイルをキューバに持ち込ん だとの知らせが。第三次世界対戦に発展しかねない事態に、大統領は 重大な決断を迫られる。 ... more
Tracked from mama at 2009-09-18 20:08
タイトル : 13デイズ
Thirteen Days 2000年:アメリカ 原作:アーネスト・R. メイ 監督:ロジャー・ドナルドソン 出演:ケビン・コスナー、ブルース・グリーンウッド、ケイトリン・ワックス、スティーヴン・カルプ、ディラン・ベイカー、ピーター・ホワイト、ビル・スミトロヴィッチ、ルシ....... more
Tracked from こんな映画見ました〜 at 2011-03-31 22:30
タイトル : 13ディズ
『13ディズ』---Thirteen Days---2000年(アメリカ)監督:ロジャー・ドナルドソン 出演:ケヴィン・コスナー、ブルース・グリーンウッド、スティーブン・カルプ  1962年10月16日ケネディ大統領の寝室に衝撃の知らせが届く。 カストロ将軍による社会主義政...... more
Commented by はぎお at 2009-09-17 19:00
たびたびどうも。
これは映画館で見ました。
史実に基づいた映画って結構好きですが、これも面白かったですね~
一応ケビンコスナーが主演でしたが、特別目立つ役割でもなく、それが逆にリアリティを持ってみることが出来ました。
これは逆に改めて吹替えで見てみたいです。
Commented by odin2099 at 2009-09-17 23:37
上映中はあんまり興味なかったのかなー?なんとなくスルーしてました。
あとでビデオで観て、「なんだ、自分の好きなタイプの映画じゃないか」と気付いた次第。
吹替は、実はキャスティングがちょっと微妙なのが玉に瑕。
ケビン・コスナーに原康義ねぇ・・・。
by odin2099 | 2009-09-16 22:08 |  映画感想<サ行> | Trackback(7) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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