『大いなる陰謀』(2007)
2009年 09月 17日
野心家の政治家がトム・クルーズ。彼は今テロ撲滅を掲げ、極秘作戦をアフガニスタンで展開中。そこで宣伝の為に、かつて自分を若手のホープとして好意的に取り上げてくれていたジャーナリストのメリル・ストリープを呼び、独占取材を持ちかける。その戦場には理想に燃える二人の若者が兵士として派遣されていた。教え子の選択を尊重しつつも、戸惑い、自責の念に駆られる大学教授ロバート・レッドフォード。映画は議員とジャーナリストの対話と、生徒にかつての教え子の話をする教授、そして今進行中の軍事作戦の経過の三つを代わる代わる映し出してゆく。
ということで豪華な顔触れによる娯楽大作、三者の演技合戦が楽しめる――のかと思いきや、トム・クルーズ&メリル・ストリープ組とロバート・レッドフォードは一切絡まない。
また娯楽作より社会派ドラマの線を狙っているようなので、戦争アクション映画というよりポリティカル・サスペンスというか、ディスカッション物という感じ。しかも各人は好き勝手に自論を述べるだけで、対話があっても相互理解や、逆に丁々発止の激論に発展するでもなし。
一向にまとまりを見せないままドラマは終局を迎え、結局は何を言いたいのかさっぱり分からず困ってしまった。
監督はロバート・レッドフォード自身。
はたしてその真意は奈辺にありや?
この映画が訴えたいことは現場を見ずして戦争は語れないということだと思います。
トム・クルーズ演じる政治家も、ロバート・レッドフォードが説教をしていた学生も共に安全な場所で口頭でのみ意見を述べるだけ。
彼らよりも最前線で戦っているロバート・レッドフォード教授の教え子たちの存在をアメリカは忘れるな!というのがこの映画のメッセージだと私は思いました。
理想論を戦わせている「後方」と、実際に戦っている「現場」を対比させているのは、一種のブラックジョークなのでしょうかね。
ただロバート・レッドフォードが、自分に酔っているようにしか見えなかったのは自分の読解力のなさでしょうか(苦笑)。
これでトム・クルーズの上院議員も、かつてのレッドフォード教授の教え子だった、とかいう設定でもあれば面白かったかも知れませんが。





