『教養のツボが線でつながる クラシック音楽と西洋美術』 中川右介
2009年 10月 15日

ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエルロ、フェルメール、ベラスケス、ルーベンス、ヴィヴァルディ、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、アングル、ドラクロワ、ゴヤ、シューベルト、ロッシーニ、ベルリオーズ、メンデルスゾーン、シューマン、ショパン、ミレー、モロー、ブルックナー、ブラームス、ヴァーグナー、マネ、モネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ドヴォルジャーク、チャイコフスキー、マーラー、クリムト、ドビュッシー・・・といったビッグネームが、西洋史の流れで次々と出てくるのは、ある種の快感を導き出す。
絵画と音楽にはあまり関連性があるように思わなかったのだが、「時代」という括りで見ると、やはり有形無形の影響をお互いに与えあっていたようだ。音楽だけ、絵画だけ、という取り上げ方では、本質には充分迫ることが出来ないということか。
となると、あとは文学も加えてみたくなる。
例えばショパンと同棲生活を送っていた作家のジョルジュ・サンド、この二人の肖像画を描いたのはドラクロワだったが、サンドが開いていたサロンの常連には作家のアレクサンドル・デュマ(大デュマ)やバルザックがいた。作曲家のリストもショパンやサンドと親交のあった一人。
また詩人のハイネも、作曲家のベルリオーズ、ロッシーニ、メンデルスゾーン、ワーグナー、作家のユゴー、思想家のマルクスらと共にショパンやサンドと交流があったりと、こうしてみると、芸術というのはジャンルで切り分けて捉えるものではないな、と思えてならない。総合的、総括的に語られた本も読んでみたいものだが、適当な本はないものだろうか。