『晴れた日は巨大仏を見に』 宮田珠己
2009年 10月 28日
なるほど、こういうものに拘るというのもアリだなぁ、と。

その中で40メートル以上のものに絞り、それを観光してしまおう、という発想から生まれたのがこの本なのだ。
ちなみになんで40メートル以上かというと、ウルトラマンよりデカイから。
この割り切り方も単純で良い。
実際本書の中でもウルトラマンやセブン、マグマ大使、スペクトルマン、グレートマジンガーなどなどが引き合いに出されているのも実に分かりやすい。
しかし日本には沢山あるんですなぁ。
高崎白衣観音41.8メートル、東京湾観音56.0メートル、仙台観音100.0メートル、牛久大仏120.0メートル・・・。
その後撤去されちゃったりしたのもあるようだが、本書では一応16もの巨大仏が紹介されている。
といってもこの本の中では、天辺まで昇って眺めを楽しんだとか、そういうことは二の次。
街中に突如「ぬっ」と現れる巨大仏のインパクト、そして周囲の景色との不釣り合いさ、作者言うところの「マヌ景」を楽しもうというのが趣旨である。
そうだよなぁ、確かに日常世界からずれた、言ってみれば”アンバランス・ゾーン”の魅力があるもんなぁ。
この本を読んでいるうちに、日常の中の非日常を感じに、フラっと出掛けてみたくなった。
幸い、ここで取り上げられている巨大仏、まだ一つも間近に見たことないんだし。