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『晴れた日は巨大仏を見に』 宮田珠己

一読して「あ、やられた」と思った一冊。
なるほど、こういうものに拘るというのもアリだなぁ、と。

『晴れた日は巨大仏を見に』 宮田珠己_e0033570_7591459.jpg大仏というと鎌倉や奈良の大仏様をすぐに思いだすが(こっちには東京大仏ってーのもあるけど)、奈良の大仏でさえ高さは14.7メートルだそうだが、日本にはもっともっと高い大仏や観音様らの像がいくつもある。
その中で40メートル以上のものに絞り、それを観光してしまおう、という発想から生まれたのがこの本なのだ。
ちなみになんで40メートル以上かというと、ウルトラマンよりデカイから。
この割り切り方も単純で良い。
実際本書の中でもウルトラマンやセブン、マグマ大使、スペクトルマン、グレートマジンガーなどなどが引き合いに出されているのも実に分かりやすい。

しかし日本には沢山あるんですなぁ。
高崎白衣観音41.8メートル、東京湾観音56.0メートル、仙台観音100.0メートル、牛久大仏120.0メートル・・・。
その後撤去されちゃったりしたのもあるようだが、本書では一応16もの巨大仏が紹介されている。

といってもこの本の中では、天辺まで昇って眺めを楽しんだとか、そういうことは二の次。
街中に突如「ぬっ」と現れる巨大仏のインパクト、そして周囲の景色との不釣り合いさ、作者言うところの「マヌ景」を楽しもうというのが趣旨である。
そうだよなぁ、確かに日常世界からずれた、言ってみれば”アンバランス・ゾーン”の魅力があるもんなぁ。
この本を読んでいるうちに、日常の中の非日常を感じに、フラっと出掛けてみたくなった。
幸い、ここで取り上げられている巨大仏、まだ一つも間近に見たことないんだし。
by odin2099 | 2009-10-28 08:00 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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