村を焼かれ、両親と兄を殺され、自らは凌辱されたソニアは、女王ゲドレンへの復讐の為に剣士となった。
今またゲドレンは祭司や祭司に仕えていたソニアの姉を殺し、強大な力を秘めた秘宝タリズマンを奪い去る。
タリズマンの魔力が強まれば、世界は後13日で滅亡してしまう。
ソニアは旅の途中で知り合ったゲドレンに滅ぼされた王国の王子ターンとその従者ファルコン、そして謎の剣士カリドーと共にゲドレンを追うのだが…。

『コナン』シリーズの番外編、姉妹編といった趣で、主演はアーノルド・シュワルツェネッガー。
コナンの恋人役だったサンダール・バーグマンが悪の女王を演じてシュワルツェネッガーと再共演を果たし、ブリジット・ニールセンはビリング2番目の”新人”という扱いだが、主人公は勿論彼女。
この後『ロッキー4』でブレイクしてシルベスター・スタローンと結婚、『コブラ』でも共演したものの程なく離婚し、以後はB級映画人生まっしぐらで最早「あの人は今?」状態だが、この頃は初々しい。
へっぴり腰ではあるものの、程よく筋肉の付いたニールセンのソニアには凛とした美しさがあって、なかなかのはまり役だと思う。

一方「謎の剣士」実は「王様」のシュワルツェネッガーはあくまでゲスト扱い。
美味しい所に出てくるとはいえ出番はさほど多くなく、彼の主演作だと思って観るとガッカリするかも知れない。
『コナン』と同じロバート・E・ハワード世界に材を採った別作品に模様替えし、契約がもう一本分残っていたシュワルツェネッガーが引き続き出演したとの噂もある。
更に暴露本によれば、この時期シュワルツェネェッガーは今の奥さんと交際中にも関わらずニールセンと付き合っており、それが疎ましくなってライバルだったスタローンに(人を介して画策して)押し付けた、なんてことも書いてある。
まぁどこまでホントのことかわからないが、二人の間には色々あったらしいことは伝えられているものの、その後は共同でレストランを経営したり、今またスタローンの新作にカメオ出演したりと良好な関係を築いているのは喜ばしい話だ。
『コナン』シリーズと比べると予算も縮小されているようで、商売にはならないと思ったのか我が国では『キング・オブ・アマゾネス』のタイトルでビデオスルー。
しかしその後で、現在の邦題に改めて劇場公開されたという変わった経緯がある。
今観直すと意外にマットアート合成が綺麗だったりという発見があったりもするが、素晴らしいのはエンニオ・モリコーネの担当した音楽。
輸入盤のサントラCDを買ってしまったほどのお気に入りだ。