『モスラ2/海底の大決戦』(1997)
2009年 11月 05日

<平成モスラ>第2作で、前作が北海道を舞台にしていたのに対し、今度は南は沖縄、石垣島が舞台。
琉球の伝説の理想郷ニライカナイを巡るお話なのだが、これがモスラとどう結びつくのかの必然性がまるでなし。どうせならニライカナイ文明とインファント島の文明に関連性を持たせておけば、少なくてもこれほどの居心地の悪さは感じなかったろう。
そしてまた今回もテーマは「エコロジー」。
人間が海を汚したからダカーラが出現した、というわけだが、途中で人間には悪い大人と善良な子供がいるという話に摩り替ってしまっているので、なんだか納まりが悪い。子供向け映画ということで免罪符を用意したのだろうけれど。
それにしても、モスラというキャラクターを使って水中戦をやらせようと思いついたのは誰だろう?そしてそれにゴー・サインを出した人は?
普通なら出て来ない発想だろうし、実際の仕上りを見ても唖然とするばかり。
うーん、我ながら厳しい意見を書いておりますなあ(苦笑)。
実写版の『ドラえもん』かいなとは思わないでもないですが、今はそれほどの悪感情は持っておりません。
まぁ面白いとも思っていませんが・・・。

全編鳴りっぱなしではありますが、画面とのシンクロ度合いも高く、さながらミュージカルのよう。渡辺俊幸バンザイ!であります。
小林恵、山口紗弥加、羽野晶紀の主役トリオは健在で、他にも野波麻帆や紺野美沙子、細川ふみえなんかも出ておりますが、ヒロインは満島ひかり。
この頃Folderのメンバーの一人でしたね。その縁で(どっちが先に決まったのかは知りませんが)主題歌も担当してました。
その後Folder5を経て、今は立派な若手女優になった彼女の、撮影から10年近く経て行われたインタビューやオーディオ・コメンタリーもDVDには収録されていますが(『ウルトラマンマックス』撮影中か終了直後のようです)、すっかり美人になっていてその変貌ぶりには驚くばかり。
この作品観る限りじゃそれほど可愛いとも思えないのだけれども、見る目がなかったのかなぁ・・・。

朝から「天元突破グレンラガン」DVD第9巻を視聴。グレパラに登場したアナザーグレンラガンって、螺旋族に敗北したガンメンの中にいたんだな。第25話のアンチスパイラルの説明のシーンで、1番最初に映っているのが多分それ。 さて夏。夏といえば海。なので「モスラ2 海底の大決戦」です。満島ひかりさんが出演している映画です。 自然環境が破壊されている中、人類を滅ぼすのではなく、子供たちに希望を託してみよう。子供たちだけに任して置くだけでなく、大人もしっかりしなければという映画かな。主題歌もまた良い。 海を...... more


怪獣が出ても石垣島だし、何が大変なのかがわからないから緊迫感まるで無し。社会的な危機じゃなくて、身近の危機にスケールダウンしてるから怪獣映画で描くような題材じゃない気がします。
もっとも、渡辺俊幸の音楽に乗って青い海原を高速で滑空するモスラというのは、他では目にすることの出来ないビジュアルイメージですけど……
前作もそうなんですが、人の殆どいない(ように見える)場所で怪獣が暴れまわるだけでは、地球の危機だと言われてもピンときません。
自衛隊やそれに類する組織は何やってんだ、ってことにもなりますし。
新しい試みをしようというのはわかるんですが、それをモスラという既知のキャラでやってしまったことにこの作品の限界があるんじゃないかと思います。
それにモスラのスーパーヒーロー化も、従来のイメージとは大きく違っちゃってるのでマイナスですね。
どんなピンチも「奇跡が起こって」乗り越えちゃうのも興醒め。
”絵”的にはこの作品、色々と頑張っていて評価したいところなんですが。