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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『空海/七つの奇蹟』 鯨統一郎

e0033570_6304387.jpg旅の途中に、奇病が蔓延する村に立ち寄った橘逸勢。都から持参してきた薬も、苦しむ村人たちの助けにはならない。そこへ現れたのが、真魚という名の修行僧。襤褸を纏った冴えない僧と見えた真魚だったが、そこで信じられない奇跡を起こした・・・!

空海と名乗り、逸勢や最澄と共に遣唐使船に乗り込み、唐へと渡る前の”空白時代”を描いた連作短編集。
舞台は空海の故郷である四国で、旅の途中で立ち寄った村で事件が起こり、それを真魚が”奇跡”を見せて解決、その後で「実は・・・」と”奇跡”の種明かしをする、というのが基本パターンで、逸勢は真魚と同行している時もあれば、途中で(故意の場合も偶然の場合もある)合流する場合もある。

全部で七篇あるが、全体的にストーリーは小粒で、謎解きや種明かしもそれほど大がかりなものではない。
その為にこの作品を「歴史ミステリー」として捉えると物足りなさを覚えるのではないかと思うが、キャラクター小説だと思えばなかなか味わい深い。最初は真魚のことを胡散臭い奴という目で見ていた逸勢が、やがて良き友、良き理解者になっていく過程も愉しい。

ところでこの作者には『まんだら探偵空海/いろは歌に暗号』という空海モノもあるのだが、二つの作品はリンクしているのだろうか。
by odin2099 | 2009-12-04 06:29 | | Trackback | Comments(0)
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