『仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイドMOVIE大戦2010』(2009)
2009年 12月 12日
1時間半の映画の中に東映マークが3回出てくるという、本来ならば3本立てであって、このタイトルは<東映まんがまつり>のような総称なのだろうけれど、それぞれにエンドマークはなく、最後にまとめてエンドクレジットが出る形なので、敢えて一本の映画として取り上げる。
最初のパートは『仮面ライダーディケイド/完結編』。
お馴染みのBGMが流れ、「これまでの『ディケイド』は・・・」とナレーションが被ると、毎週毎週TVシリーズを観ていた時の延長の気分になる。
ただストーリーはTV最終回のラストカットから直結している訳ではなく、ディケイド=士は次々とライダーを倒しており、ユウスケ=クウガはそんな士を倒すべく後を追っているという設定。夏海は行方知れずの士を案じ、海東は士のことなんか忘れてしまえと忠告するが、皆それぞれが士を思っているのだ。
そんな彼らの前に現れたのが、復活したスーパー死神博士とゾル大佐が率いるスーパーショッカー。
ということでこの作品は、前作『仮面ライダーディケイド/オールライダー対大ショッカー』の続きという側面も持っているのだが、TVシリーズと劇場版は直接は繋がらないパラレルな世界。このあたりが平成ライダー・シリーズのいい加減な、というか納得いかない部分なのだが、この悪癖はまだ続くのだろうか。
クライマックスのバトルが始まった途端、例のバックルが出てきて「続く」となり、場内は一斉にざわめく。
またか・・・。
二番目のパートは『仮面ライダーW/ビギンズナイト』。
『W』は第1話の時点で翔太郎とフィリップはWとして活躍しており、二人の出会いは断片的に回想シーンで触れられるだけだったが、このパートはその伏せられていた部分を明らかにしようという試み。
翔太郎とフィリップが出会った夜、翔太郎の師・鳴海壮吉は凶弾に倒れた。だが死んだはずの壮吉が現れたことで、彼らは否応もなくあの夜「ビギンズナイト」と向き合わざるを得なくなる。
映画ということでかレギュラー、セミレギュラー陣は総登場で、TVシリーズを観ていない観客にも『W』の世界を端的に知ってもらうことが出来るのではないか。
ただ内容が内容だけにTVシリーズほど軽さはなく、寺田農と石橋蓮司のツーショットといった曲者役者マニア感泣のシーンなど一部に留まったのは残念。これは次回の劇場版『W』に期待したい部分だ。
そしてこちらもクライマックス・バトルの途中で唐突に終わる。
そして三番目の最終パートは『MOVIE大戦2010』。
いきなり画面が中央で二分割され、東映マークも左右両画面に映し出される。
右側で『ディケイド』の物語が進み、左画面で『W』の物語が繰り広げられ、途中で中央の仕切りが取り外されて二つの物語が融合する。
ここでディケイドとWが共同戦線を張り(ディケイドとWが面識ありということは、やはり夏映画あればこそ、ということなのだろう。)、最後はそれぞれの世界へ。
ラストシーンは『ディケイド』と『W』、それぞれの世界での彼らのその後が描かれて幕、なのだが、その前にちょっとした隠し玉が登場するという趣向もある。
まだまだ続きは作れそうだが、ひとまず『ディケイド』の物語は終わった。
結局『クウガ』から『キバ』までのオリジナルシリーズの世界と、『ディケイド』内のリイマジネートされたそれぞれの世界との関係は不明確なままで、この映画でも『仮面ライダーキバ』で主人公だった紅渡と『ディケイド』世界でのキバ=ワタルが両方出てきたりするのが気になるが、新登場の仮面ライダーキバーラ、復活した電波人間タックル、それに平成ライダーズにスカイライダー、スーパー1、Jと揃う様はなかなか。劇場に足を運ぶだけの価値はある、と言いたいところだが、やはりあからさまに「続く」で終わったTV版の最終回は倫理的に如何なものかとは思う。TVの最終回でここまでやってくれていれば文句はなかったのだが。
そして『W』。
鳴海壮吉を登場させたことで、翔太郎の、フィリップの、そして亜樹子のキャラクターの幅が広がったと思うが、それがTVシリーズの方にどのように反映されるのか。
これからの放送を楽しみに待ちたい。
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子供が多いおかげで、一本目が終わった時点で、「え~!」という声が。(笑)
「W」も新キャラ登場になるようですね。
楽しみが増えました。
そうそう、記事に追加させました。
ご覧くださいませ。
あと、デス・ドーパントの正体はてっきり○○かと思い、そうか名前に引っかけてあったのか、と納得しかけていたのにアレレ・・・?(苦笑)
しかしそうなると鳴滝さんは、「Z」かなんかのガイアメモリを所持してたんでしょうかね。