『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々/盗まれた雷撃』 リック・リオーダン
2010年 01月 05日

ところがある日、謎の連中の襲撃を受け、逃げる際中に最愛の母親が目の前で消えてしまった。そしてパーシーは、何と神様と人間とのハーフだということがわかり、ハーフたちが集まる訓練所へと入れられることに。
しかしパーシーはそこでも落ち着くことが許されない。神々の対立に巻き込まれた彼は、冒険の旅に出る運命にあったのだ・・・!
ギリシャ神話の神々は実在し、今もなお存在している、という設定で始まるファンタジー小説で、作者は著名なミステリー作家とのこと。
神々は今ではアメリカにいて、ニューヨークのど真ん中、エンパイアステイトビルの天辺にオリンポス山があるという発想ははたしてどこから出てきたものやら。
神様の対立の原因は何なのか、パーシーのお父さんは誰なのか、といった興味で引っ張るお話だが、パーシーと冒険を共にするのがサテュロス(下半身がヤギ)のグローバーとアテナの娘アナベス、つまり男二人に女一人の三人組で、訓練所(ここも一種の学校だ)には意地悪で、しかもパーシーにとって敵役となるキャラクターの子どもでもあるハーフもいて・・・となると、これはやっぱり<ハリー・ポッター>を連想せざるを得ない。現代が舞台で、しかも我々が暮らしている現実世界の裏側に不思議な世界があるけれど、普通の人は気付かない、という部分も似ている。
ということで、斬新な発想だなと思う反面、あまりオリジナリティが感じられないというちょっと奇妙な読後感が残った。面白いことは面白いんだけれども。
しかもこの映画版の監督が、<ハリー・ポッター>最初の2作を手掛けたクリス・コロンバスとあっては、尚更関係づけたくなってくる。
もっとも作品中には、主人公の名前をわざと”ピーター・ジャクソン”と間違える箇所が出てくる(2度も!)ので、作者としては<ロード・オブ・ザ・リング>三部作のピーター・ジャクソンに監督して貰いたかったのかも。
その映画版、公式サイトによると主人公の年齢設定は17歳に引き上げられているみたいだが、これは<ハリー・ポッター>との差別化と、映画のシリーズを見込んでのことか。
キャストも結構豪華なようで、予告編を観る限りではなかなか楽しめそうだ。

児童向け現代のギリシャ神話ファンタジー『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃』映画化作品のちゃんとした予告編が出たよ!前回はティーザーだったので雰囲気しかわからなかったけども、今荻..... more

映画の予告編を観てから すご〜〜く興味を そそられたのですが、 単行本大きいし・・・ 図書館にリクエストしたら 案外簡単に回ってきました。 ギリシャ神話のオリンポスの神々と 人間の間に生まれた子供たちの冒険という、 設定はなかなか新鮮でした。 アメリカの寄宿学校に通う12歳の少年パーシー・ジャクソンは、 難読症の上ADHDで、そのせいもあり問題児として 何度も学校を退学させられていた。 けれどもそれは、本人のせいではなくて出生のせいだった。 突然自分がギリシア神話の神の...... more