『新倉瞳 チェロ・リサイタル』
2010年 01月 31日
それとは別に、個人的には結構緊張しましたね、今日のコンサートは。
というのも座席が最前列の、ほぼ正面!
手を伸ばせば届きそうな、2~3メートルの至近距離に演奏者本人がいるんですからね。
おまけに、写真なんかで見るよりも遥かに可愛い。というか綺麗で余計ドギマギ。
ついつい見惚れちゃいました。
それに「寝ちゃいけない」という緊張感もあり、なんだか疲れた~。
といいつつ、二部ではちょっとした危機が・・・!

前半はエルガーの「愛の挨拶」で始まり、ショパンの「ノクターン 遺作」と「序奏と華麗なるポロネーズ」を、高橋多佳子のピアノを伴奏に続けて演奏。
その後がヴァイオリニストの﨑谷直人を迎えてのショパン「恋の二重唱」、それにハイドンの「ピアノ・トリオ第39番≪ジプシー風≫」という選曲。
後半はやはりピアノと組んでシューマンの「アダージョとアレグロ」、それにショパンの「チェロ・ソナタ ト短調 作品65」という構成でした。
アンコール曲は、最初がチェロのソロで「鳥の歌」、もう一曲が三人でメンデルスゾーンのピアノ・トリオ。
休憩15分を挟んで2時間強というボリュームです。

合間合間では彼女のトークが入るのですが、まだ慣れてないのか、それとも緊張していたのか、話がダラダラと長い部分もあったのですが、一生懸命に音楽の話をしている姿には好感が持てました。
玄人はだしで盛り上げるトーク術を持っている演奏家もいますけれど、彼女のような存在も今は結構新鮮かも知れません。変に喋りが上手くなって欲しくないなぁ、なんてことも思ったりして。
また今回のコンサートは、彼女にとって節目とのこと。
形の上では昨年秋に出た3枚目のCDの発売記念ということですが、実際は高校、大学、そして研究科とずっと過ごしてきた桐朋学園をこの春卒業し、更に上を目指すべくヨーロッパへ行くのだそうです。
感極まったのでしょうかね、アンコール曲を演奏している時の彼女は、涙を堪えている風でした。それに釣られたのか、ピアノの高橋さんまで表情を崩しながらの演奏になっていたのには、驚くと同時に感動しました。