『身もフタもない日本文学史』 清水義範
2010年 02月 26日

なんか教科書に載ってる読みたくもない文章、というイメージがあるし、無理にでも感想文書かなくっちゃ、というプレッシャーも感じちゃうからですが、この本はそういったものとは無縁、と言っても良いでしょうね。
一応は「源氏物語」から始まり、「枕草子」とか「徒然草」、「平家物語」、「太平記」、「好色一代男」、それから夏目漱石、森鴎外、川端康成・・・ときて、最後は江戸川乱歩ナドナドまで網羅。
その内容も、「源氏物語」で短歌のやり取りをする件を携帯メールと比較したり、エッセイとは不遇をかこつ人が負け惜しみの自慢話をするものだとか、「奥の細道」などの紀行文学は旅先での悪口を書き連ねているのだとか、まあ教科書ではお目に掛れない切り口で紹介しております。
この本を片手に感想文や小論文を仕上げた日にゃ、まず先生から良い点を貰うのは望めないかも知れませんけど、文学なんて型にはめて読むものじゃなし、読み手の色々な解釈があっても良いはず。
文学アレルギーがある人ほど、この本はおススメですね。

『身もフタもない日本文学史』を読んだよ。文学を知ることは楽しいよなぁ〜。 久しぶりに清水センセー。最近の著作は文学モノか、世界の地理歴史モノが多いけど、今回も日本文学。文学論というよりも、清水センセーなりの日本文学史。歴史だから、何故今この日本人であるの..... more