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『バトルフィーバーJ』(1979)

『バトルフィーバーJ』(1979)_e0033570_932312.jpg1979年夏の<東映まんがまつり>は、メイン館が<宇宙戦艦ヤマトフェスティバル>に乗っ取られた(?)ために、地方館でしか公開されなかったんだよね。
僕自身も「ああ、この夏は<まんがまつり>お休みなのかぁ」と思っていて、後になって地方限定のプログラムがあったことを知った次第。
そのためか、新作は一本もなく、リバイバルの長編(中編)モノにTVのブローアップ版のみという組み合わせ。
これはその中の一篇として上映されたもので、原版は第5話「ロボット大空中戦」

で、『バトルフィーバーJ』といえば東映オリジナルの<スーパー戦隊>シリーズの第1弾で、『スパイダーマン』に次ぐマーベル・コミックとの提携作第2弾。
『スパイダーマン』で初めて等身大のヒーローと巨大ロボットを組み合わせて評判が良かったからか、今度は等身大のグループヒーローと巨大ロボットをドッキング。
以降、現在の『天装戦隊ゴセイジャー』まで綿々と受け継がれる基礎を作った偉大な作品だったりする。

今は『秘密戦隊ゴレンジャー』がシリーズ第1作で、『バトルフィーバー』は『ジャッカー電撃隊』に続く3作目に数えられているけれど、しばらくは別カウントで、石ノ森章太郎原作の『ゴレンジャー』、『ジャッカー』を<戦隊>、東映オリジナル(原作表記はお馴染み「八手三郎」)になった『バトルフィーバー』以降を<スーパー戦隊>と使い分けていた時期もあった。

観ている側としては『ゴレンジャー』も『バトルフィーバー』も同じようなものだから、それらを一括りにした現在の方がわかりやすい。
ただ、権利関係が別(平たく言うと石森プロが加わるか否か)、放送時間枠が別(『ゴレンジャー』、『ジャッカー』は土曜の19時半、『バトルフィーバー』は土曜の18時で始まり、今は日曜7時半に移動してるのはご存知の通り)ってだけじゃなく、巨大ロボットの有無で作品のフォーマットに大きな変化があるから、やっぱり別物として考える方が良いんじゃないかなーと個人的には思ってる。
え?『忍者キャプター』?! 
ま、確かにあれも東映のグループヒーロー物だけど、うーん、あれはどう捉えればいいんじゃろう???
『バトルフィーバーJ』(1979)_e0033570_12552298.jpg

ただ、当時この番組は殆ど観たことがなかった。
最終回は何故か観てるし、後番組『電子戦隊デンジマン』の1話も観てるんだけど、多分全体で4~5本くらいかなぁ。
再放送もやってないんじゃないかな、テレビ朝日では。

なのでこのエピソードも観るのは今回初めて。
バトルケニアこと曙四郎役の大葉健二さん、若い若い。
それにゲスト子役の蝦名由紀子ちゃんも可愛いし、演技もしっかりしてる。
バトルフィーバーの指揮官が、東千代ノ介というのもすっごいインパクト。
オファーする方も凄いけど、承諾した方も凄いものである。
ま、今観るとこのエピソード、思いの外ハードでありながらツッコミどころ満載、という何ともコメントしにくい内容ではありますが…。

この番組を放送してたのは、「ウルトラマン」や「仮面ライダー」は復活の兆しを見せていたけれど、全体的にはヒーロー番組にとって冬の時代。
それに世の中はアニメブーム真っ只中だったから、ヒーローには興味がなかったってことも観なかった原因だね。
なんせ『超電磁ロボ コン・バトラーV』、『超電磁マシーン ボルテスV』、『闘将ダイモス』と続いてきた枠の後番組が、なんでヒーロー物なんだと憤ってたくらいだから。

『ダイモス』の後番組が『バトルフィーバー』ってのは、当時のアニメファン的には結構な大問題だったもんなぁ。
それに匹敵するのは『キャンディ・キャンディ』、『花の子ルンルン』、『魔法少女ララベル』、『ハロー!サンディベル』を放送していた枠に、『宇宙刑事ギャバン』が続いた時ぐらいかも知れない…って、そっちの方が大問題か。
対象視聴者が全然違うもんな。
ちなみに『バトルフィーバー』の前、17時半に放送していたのが『機動戦士ガンダム』だったりする。

『バトルフィーバーJ』(1979)_e0033570_9321311.jpgマーベルとの提携は次作『デンジマン』と、その次の『太陽戦隊サンバルカン』まで続いたみたいだけど、さて「スパイダーマン」はわかるけど、「バトルフィーバー」なんてキャラ、マーベルにいたかいな?とお思いの方も多いでしょう。
自分もその一人。
それに関しては諸説あるんですが、先ずはメンバーの一人ミスアメリカがマーベル出自のキャラなんだそうで。
ちっとも知らないんだけど、ただデザインもまるで別物らしく、事実上名前を借りただけみたい。
むしろ彼女とは別のマーベル・キャラ、その名もミズ・マーベル(こっちはその昔コミックの翻訳版が出てたから知ってる)からの影響の方が強いみたいだけど、それもウーン、かな。

あとは企画段階で『キャプテン・アメリカ』や、彼がリーダーを務めるヒーロー・チーム「アベンジャーズ」(どちらも現在ハリウッドで製作準備中!)を参考にして『キャプテン・ジャパン』として立ち上げた経緯もあるらしいけど、結局はアメコミ調ではなく『ゴレンジャー』路線に落ち着いたみたいですな。
『デンジマン』と『サンバルカン』は……サッパリわかりません。

ところでミスアメリカといえば、大胆なハイレグカットのコスチューム。
日本の変身ヒロインで一番露出度が高いんじゃなかろうか、というデザインで、変身後のアクションはモモレンジャーの変身前・ペギー松山を演じていた小牧りささん等が脚線美を活かして演じていたようですが、トランポリンを踏んだり、ちょっと難易度が高いアクションになると、いきなり素足じゃなく肌色のタイツだが全身スーツだか着用になっちゃうのが難点だよなぁ。
まあ今ほどスーツ・アクトレスの数が多くなかったんだろうけど。

Commented by よろづ屋TOM at 2010-03-22 05:36 x
うーん、今回も知らんことばっかりで勉強になりました。スルーしてたことも、言われてみれば…ということだらけです。
毎回ではないけど、私も結構観てましたよ、この頃。
仰るように、なんせミス・アメリカのハイレグはぶったまげましたね。モモレンジャーの中身に気づくだけの“エエ歳”してましたから。
しかしなんで日米露に仏まではともかく、ケニアというチョイスやったんでしょうなあ。
でも吾妻ひでおさんは気に入ってたのか、何かのマンガの中でひとコマだけ「♪バトルフランス、カンカンカン♪」なんていたずら描きしてたのが妙に印象に残ってます。(あれ?でもあの名乗りの振り付けはフラメンコか????)

もっとも、私が気に入って毎回観てたのはデンジマン。桃井あきらさんがとにかく可愛くて。
サンバルカンは話よりも、後年の愛国戦隊大日本の元歌としての方が…。て、どこがマーベル??まあ、串田アキラさんの歌は今も大好きです。
Commented by odin2099 at 2010-03-22 21:34
ミスアメリカは、変身前の人があまり騒がれることはなかったみたいですね。途中で交代しちゃったこともあったのかな。
変身前の人が騒がれるようになったのは、デンジピンクからでしょうか。
演じた弓あきら(旧芸名・小泉あきら)さんは、今でもモデルなどで活躍されているようで。確か春田純一さんの奥さんでしたよね。

ケニヤのセレクトは兎も角、この作品から健二さんがブレイクしたのだから、やっぱり大事な作品です。
この人がいなかったら、80年代90年代のヒーロー像は、確実に違うものになっていたでしょうし。

『大日本』は・・・ビデオ、どっかに行っちゃったなぁ。
by odin2099 | 2010-03-20 09:35 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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