『獄門島』(1977)
2010年 03月 21日
監督:市川崑、主演:石坂浩二コンビによる<金田一シリーズ>の三作目。当初はシリーズ化の予定はなかったとのことだが、一年足らずの間に三本というハイペースで作られながらも粗製乱造の嫌いはなく、一定のクオリティを保っているのは流石というべきか。
序盤から第一の殺人が起こった後は、矢継ぎ早に第二、第三と事件が起こるテンポの良さは、二時間半近い長尺でありながら飽きさせない。
原作小説とは犯人を違えてあるとのことだが、比較的早い段階で見当はつくものの、その後はミスリードの罠に誘われ、訝しがっていると最後にはきちんと解決が図られる。
もっとも”見立て殺人”がそれほど上手く嵌っているように感じられないのと、犯人の動機が弱いこと、それに本来三姉妹を救う目的があった筈の金田一が、結局誰一人救えなかったという点は如何なものかと。
但し犯人の心情や周囲との関係を考えると、犯行が完遂されないと作品として成立しないのも事実だろう。
「よし、わかった!」の加藤武に、大滝秀治や小林昭二、三木のり平、草笛光子らお馴染みの顔、太地喜和子、司葉子、佐分利信らの圧倒的存在感の中にあって、大原麗子の凛とした美しさ、凄惨な事件を描く中で一服の清涼剤的存在の坂口良子の可憐さは光る。
後の市川監督作品の常連・浅野ゆう子はこの作品が初登場?
クレジットに池田秀一(声でわかる)や荻野目慶子(こちらは言われてもわからないだろう)の名前があるのも愉しい。





